2022年2月27日(日)。

 

 春の訪れを告げるような温かい陽気の中、板橋シニアグラウンドにて春季東東京支部大会1回戦を戦い、11対1、6回コールドで勝利した。長かった…。約7ヶ月ぶりの公式戦勝利。こんなに嬉しい勝利はない。格別だ。

 

 秋は新チームへの移行が上手くいかず、一勝も出来なかった。全ては監督である私の力不足、私の責任である。本当に申し訳ないことをした。だからこそ選手達に約束した。「必ず春・夏には勝てるチームにする」と。今日の勝利だけで満足出来るハズも無いけれど、信じてついて来てくれた選手とご父兄に一つ約束を果たせたと少しホッとした。でも今日のゲームは選手達が勝たせてくれたもの。本当に私は何もしていない。

 

 木村の5回1失点、自責点0の投球は見事。打撃においても貴重な勝ち越しタイムリー含むマルチ安打で十分過ぎるほど貢献してくれた。今日の試合のMVPは間違いなく木村だった。

 

 堀越と毛利山の2者連続ホームランは本当に凄い。中学生の野球に携わって18年目になるが、過去に記憶が無い。恐らく中学野球で初めて目にした瞬間だった。堀越の普段の取組みには本当に頭が下がる。不器用だが愚直に毎日を頑張っている。その積み重ねがあのパワーを生み出している。毛利山も自己分析が出来るようになった。何が出来て何が出来ないのか、それが自分の中で明確になって役割を全うしている。あの明るさがチームにどれだけ勇気を与えていることか。ミスをして心が折れそうになっていることもあるけれど、コーチ陣や仲間の励ましもあり、必死に切り替えて前を向こうとしている姿には胸を打たれる。一歩ずつ大人の階段を登っている証拠だ。

 

 今村の代打での働きも素晴らしかった。11月からオスグッドで約4ヶ月満足に野球が出来ないことがどれだけ辛かったか…。キャプテンとして不甲斐ない想いをしていただろうことは想像に難くない。今日もスタートから試合に出られないことがきっと悔しかったハズだ。それでも今出来ることに全力を尽くしてくれた。起用して全力疾走させてしまったのは申し訳なかった。マシとのランエンドヒットで3塁まで走った時、ワイルドピッチで本塁へ生還した時、将来ある中学生の身体だから無理をさせないことが最優先されるべきで、決して美化してはならないが、チームの為、勝利の為に走る姿こそがキャプテンだった。

 

 大橋の働きも見事だった。一発目のサードゴロを捌き、あれでノッた。まだまだ身体が細くてヒ弱だが、今日は守りでノーミス、そして打撃面でも粘り強く内容の良い打席ばかりだった。心が充実していた証拠だろう。体力やそれに伴う技術の不足は気持ちで補える。それさえあれば中学野球なんて何とでもなる。いや、中学野球に限らずどのカテゴリー、どのスポーツにおいてもそれが最も重要だ。心を燃やして戦うこと。こんなに面白いことは無い。

 

 選手達の成長した姿が見られて今日は幸せだった。良いことばかりではないが、こういう日があるとたまらなく嬉しい。18年もこの活動から離れられないのはこういう瞬間に出会えるからなんだろうな。また来週、東板橋さんとゲームが出来る。心臓が口から飛び出してしまうのではないかというくらいの緊張感を、また味わうことが出来る。子供達と一緒に戦える。子供達の成長が見られる。サラリーマンの俺には平日には絶対に出会えない瞬間がそこにある。

 

 楽しみで仕方がない。

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