2022年5月22日(日)。
オープン戦 対練馬中央シニア 練馬中央シニアG。
夏の大会が終わって最初のオープン戦。我がチームより1週遅れて夏季大会を終えた練馬中央シニアの野末監督から、すぐにオープン戦のご依頼を頂いた。初めは坂東と練馬中央シニアさんのグラウンドと分かれての活動でお話し頂いたが、残念ながら我がチームにそれに対応出来るだけの選手が在籍しておらず、1グラウンドで3試合、そして2~3年生に関してはリエントリーを認める9イニング制ということでオープン戦を行うこととなった。
しかし逆に3年生にとってこの9イニング制というのが、これから高校野球を目指していく上でとても良い経験になったと思う。8、9回の2イニングがプラスされることによって、どれだけ体力的に厳しくなるのかということを肌で感じることが出来たのではないか。プロ野球選手はこれを毎日のようにこなし、年間144試合。クライマックスシリーズや日本シリーズを戦うチームはさらにゲーム数が多くなる。本当に過酷な戦いだ。残り僅かとなってきた24期生がメインの学年として活動する期間に、こういった貴重な経験を出来る限りさせてあげたい。そこで学び得るもの全てが宝となる。経験に勝るものはない。
3年生は本当に身体の力が付いて来た。凡打にしても打球が速いし、空振りしてもしっかりバットが振れている。初回のホームランを含めて長打が沢山打てるというのは魅力的だ。ただその代わりやっぱり守れない(泣)。いくら何でも守れな過ぎる(汗)。13点とっても16点献上していてはどうやったって勝てない。ある程度守れないとゲームは荒れるしその内容が稀薄なものになってしまう。いくら打てても最低限守れないと高校野球ではなかなか起用してもらえない。チャンスを与えてもらえたとしても代打の1打席だけとか、結果を残すには難しい起用となるので這い上がっていくのも厳しくなる。バッティングを買われ守備に目をつぶってもらい起用されることもあるが、トーナメント一発勝負の高校野球においてその可能性はどうしても低くなる。逆に守れる選手は起用してもらいやすく、試合に出ているうちに多くの打席を重ねて知らぬ間にバッティングも良くなっていく。
夏の大会の敗戦は間違いなく私の責任だが、選手自身も「何故負けたのか」「勝つ為にはどうすればよかったのか」「高校でその悔しさを晴らす為には今をどう過ごせばよいのか」を、是非自分自身にベクトルを向けて考えて欲しい。敗戦や不遇を人のせいや環境のせいにするのは簡単だが、それをやっても結局現在の自分を変えることは出来ないし成長にも繋がらない。つまりは自分自身の未来を明るくすることは出来ない。私自身が学生時代に証明している。
2年生のゲームは3年生のゲームよりは落ち着いたゲームで内容も濃くなったが、それでも9イニングを通じて10個ほど守備面でミスをしている。また相手捕手の肩もそこそこではあったものの、盗塁をことごとく刺された。土曜日の秋ヶ瀬練習で、「まだ身体の成長が間に合っていなくてバットが振れない分、まずしっかりと守り、攻撃においてはバントと走塁で攻めて得点することを目標にチーム作りをしていきたい」と選手達に話したが、それがこの試合で全く実践出来なかったことを自覚して欲しい。出来ないことが出来るようになる為には、まず己が「出来ない」ということを自覚することがその第一歩となる。
野球は走塁で出来ている。野球における「攻撃」とは、イコールバッティングではない。走者を出塁させ、進塁させ、生還させることが「攻撃」の目的である。バッティングは無数にあるその「攻撃」の内の作戦の1つでしかない。要するに手段である。反対に「守り」とは、走者を出塁、進塁、生還させないことを目的としている。バント守備隊形や前進守備、長打警戒といったポジショニングも全ては走塁から逆算され「出塁、進塁、生還」を防ぐ為に行っている作戦なのだ。このことを理解しないと野球で良い結果を出すことは難しくなるし、努力の方向性すらも間違えてしまう危険性を孕む。逆にその走塁を学べば野球が理解出来て、「どう攻めどう守れば勝利が近づくのか」ということが分かるから、自分の長所短所と照らし合わせチームの一員としての役割が見えてくるハズだ。
野球は奥が深い。だから面白い。東京和泉の選手諸君っ!野球への理解を深めたければ、是非走塁を学んで欲しいっ!!