2022年5月29日(日)。

 

 オープン戦 対オール沼南ヤング 柏の葉公園野球場。

 

 オール沼南さんは創部50年近い歴史を誇る名門チームだ。私が中学生の時、我がチームは当時シニアではなく東京ニュータイガースというチーム名でヤングリーグ(当時はUリーグ)に所属し、オール沼南さんとはライバル関係にあった。上部大会への代表決定戦ではいつも顔を合わせ、互いに鎬を削っていた。オール沼南さんの林監督とは二松学舎大付属の立野部長の紹介で知り合った。私の中学時代の話しをしたら当時若手コーチという立場で既に中学生指導にあたられていたそうだ。それからというもの定期的にオープン戦を組んで頂いている。この度も林監督から「柏の葉球場がとれたのでオープン戦に来ませんか?」とお誘い頂いた。林監督は柏の葉公園野球場の建設にアドバイザーとして関わっていたこともあり、オール沼南さんのこの球場での活動を可能にしている。私自身も2019年11月以来、約2年半ぶりにお邪魔させて頂くこととなったが、何度来てもやはり素晴らしい球場だなと思わされる。

 

 本格的な球場はまずファールグラウンドが広い。いつもならファールとなる打球もフライ捕球をされてアウトとなったり、パスボールをしようものなら2つ塁を奪われてしまう。バックネットまでの距離が長いのでマウンドからの景色に奥行きを感じ、ホームベースが遠く見える。実際、今日のマウンドに上がった投手達は皆、立上りのコントロールに苦労していた様子だった。上部大会へ進出するとこういった本格的な球場で試合をすることもある。そうなった時にやったことが有るか無いかは大きな差だ。「思い出せ」と言われればイメージがしやすい。戦う準備となる。

 

 午前中から気温が上がり、守る時間の長い試合になってしまったせいで3年生が数名体調を崩してしまった。重い症状にはならなかったものの、暑さに身体が慣れていないこの時期は熱中症発症の危険性が高い。特にこれから1ヶ月くらいは十分な警戒が必要だ。

 

 今日の私が感じた「熱盛プレー」は2試合目。ナカムラが出塁して盗塁のサインを出した時、牽制で誘い出されてタッチアウトとなりそうだったプレー(結果アウトにはならなかったのだが…笑)だ。先週の練馬中央シニア戦で盗塁をことごとく刺されたことに対し、「ではどうすればセーフをとれるのか考えなさい」ということをチーム全員に発信していた。ナカムラはこの時、明らかに先週よりも大きなリードをとって勝負しにいっていた。結果走る気満々な様子が溢れ出過ぎてしまって、牽制球を投じられてひっかかってしまった。でもその結果が悪かったことではなくて、良い結果を出そうとしている過程が素晴らしい。先週と同じリードの大きさで同じようなスタートを切って、同じようにセカンドでアウトになっていては何も進歩がない。オール沼南さんの2年生キャッチャーもセカンドに良いボールを投げていたので、ある程度勝負にいかないとセーフはとれない。ちゃんと意図をもって実行していた。こういうことが大事。要は悪い結果が続いているのに何も考えず、何の工夫もせず同じような失敗を繰り返すことや、悪い結果を人のせいにしたりすることが良くないということ。それは絶対に自分自身の成長を止めてしまう。人間なのだから失敗して当たり前。まして中学野球で失敗しない選手なんていない。失敗を素直に認め、改善する努力をし、また挑戦するということが大事だと思う。現在メジャーで活躍している鈴木誠也選手がこんなことを言っていた。

 

 「挑戦しないと人は変われない。失敗しないと成功はない」

 

 日本代表の4番打者として東京五輪金メダル獲得に貢献し、今年から活躍の場を世界最高峰の舞台に移しているような選手でも、失敗を繰り返して成功へと繋げている。リードを大きくして盗塁を試みたことはとても良いことだ。でも盗塁をまだ成功させることが出来た訳ではない。だからまたガンガン挑戦して欲しいっ!!

 

 そーいえば先週木曜日に東板橋シニアの田口監督と練馬中央シニアの野末監督とお食事させて頂いた。佐倉シニアさんと大善戦を演じた東板橋さんがどのようなゲームを、そしてどのような采配で立ち向かったのか、沢山お話しを聞かせて頂いた。嬉しかったのは「春の2回戦で和泉さんに負けてから子供達の意識が変わった」と話してくれたことだ。選手達が「負けるハズ無い」と想い込んでいたところ足をすくわれ、野球の怖さを知ったようだ。それから敗者復活を勝ち抜き春季関東大会出場。夏季関東大会では初戦の足利さん、2回戦の瀬谷さんとビックネームを立て続けにコールドゲームで下し、そして佐倉さんに大金星まであと一歩というところまで善戦した。田口監督はおっしゃっていた。

 

 「しっかり走り込んできたことが最後の夏に強さとなって出た」と。

 

 練習内容も教えて頂いたが、今の我がチームの選手達では到底クリア出来ない。しかしそれに耐えて乗り越えてきた選手達だからこそ夏に強さを発揮出来たのだと思う。春の大会でも選手達の身体がしっかりとしていた印象が私の頭に焼き付いている。ちゃんと裏付けがあった。当たり前だが人より優れた結果を残そうと思ったらそれ相応の努力が必要だ。同じ城北ブロックで仲良くして頂いているチームが結果を出すと何だか嬉しい。そして勇気が湧いてくる。今度はウチが名を轟かせてやるっ!!

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