2022年6月12日(日)。
練習。坂東グラウンド。
残念…。午後からのゲリラ豪雨により練習を中断せざるを得なかった。東京は一日中晴れていたみたいだから余計に悔しい。ただ、坂東にいたお陰で一日練習が出来たという日もあるからそれは仕方ない。自然には勝てない(汗)。グラウンドが使えなくなった代わりに「熱中症」とそれから少し「栄養学」についてミーティングを行った。特にこれから暑くなるから熱中症の危険性と予防策、そして対応策も含めて選手達自身の知識を深めておくことで、高温多湿な気候の中でも良い活動が出来るようにしておきたい。私が建設業における施工管理を仕事にしている為、会社から半ば強制的に取らされた「熱中症予防労働衛生教育インストラクター」の資格が、最も生かされているのはこの時期である(笑)。
最近、巨人の増田陸という選手に注目している。負けん気の強さがブラウン管を通してもヒシヒシと伝わってくる、なかなか気合の入ったいい選手だ。東京和泉シニアでも久しくこういうタイプの選手に出逢えていない。茨城県の明秀日立高校から2018年のドラフト2位で巨人に入団した選手だが、怪我もあって昨年オフには育成契約となった。今年の春季キャンプは三軍スタート。そこから練習、紅白戦、オープン戦と徐々に結果を残し3月に再び支配下登録された。
6月4日。東京ドームで行われた巨人対ロッテ戦。ロッテの先発は佐藤奨真投手で専修大学野球部の後輩にあたるから何気に注目して見ていた。6番ファーストでスタメン出場していた増田選手はこの日、7回に貴重な勝ち越し打となる決勝打を放ちヒーローになった。「全集中」という自身の言葉で振り返った打席では本当にいい表情をしていた。「ああ、本当に真剣勝負しているんだな」って、「きっと今は何も聞こえないんだろうな」って、「羨ましいな」って思った。試合後初めてのお立ち台に上がった増田選手はこんなコメントを残している。「オフに育成になってすごく自分自身悔しかったですし、何とか『自分の人生を変えたい』と思って日々、必死にやっていて。そのガムシャラにやっている結果が、いい結果に繋がっていると思う。」この言葉を聞いて高校時代の恩師の言葉を思い出した。
「心が変われば行動が変わる、行動が変われば結果が変わる、結果が変われば人生が変わる」
これはアメリカを代表する哲学者・心理学者の一人であるウィリアムジェームスという人が残した「心が変われば行動が変わる、行動が変われば習慣が変わる、習慣が変われば人格が変わる、人格が変われば運命が変わる」という名言を、当時高校生だった私に分かり易く言い換えて伝えて下さった言葉だ。
増田選手は昨年オフに育成契約になったことで心を変え、行動を変え、結果を変え、人生を変えようとしている。巨人のファーストというポジション争いは中島宏之選手や中田翔選手といったスター選手が相手で熾烈を極める。そんな中でもしこのままレギュラーを勝ち取り巨人の主力選手にでもなろうものなら億の金を稼ぐようになるかも知れない。育成契約で春季キャンプ三軍スタートだった選手が一躍スター選手に躍り出る。まさに人生が変わる瞬間だ。
しかしこの言葉のウラには「心が変わらなければ何も変わらない」という意味も隠されている。東京和泉シニアももし現状に満足して心も行動も何も変えなければ、チームの成績も良くならないし組織としても成長しない。今年の夏の大会一回戦負けという結果も、そしてチームのその立ち位置も変わらない。
東京和泉シニアの選手達にも是非考えて欲しいと思う。中学硬式野球一回戦負けの負け犬のままで終わるのか?それとも全国大会に出場して、甲子園に出て、大学野球で神宮の地を踏み、そして都市対抗野球で東京ドームを舞台にして戦い、プロ野球選手になって、メジャーリーガーになって、侍ジャパンのユニフォームを着る。人生を変えるってそういうことだと思う。結局は人に何かしてもらうとかではなくて、自分が「どうなりたいか?」である。元なでしこジャパンの澤穂希選手がご自身の引退会見の時にこう言った。
「夢は叶えるもの」
かっこいいな~。