2022年7月30日(土)、31日(日)
秋ヶ瀬練習、坂東練習。
私は夏が嫌いだ。理由は暑いから…(笑)。
この週末も強烈な猛暑日で子供達がやりたがっていた練習をさせてあげられなかった。熱中症から身を守る為、小まめな休憩と水分・塩分補給の時間がどうしても必要になるので余計な時間がかかってしまう。でも仕方ない。自然には勝てないという意味では雨や雪や台風と同じだ。土曜日に弱冠気分が悪くなってしまった選手が2人ほどいたものの、熱中症を誰も出さずに2日間活動出来たことの方が評価されるべき点だと思う。
しかし夏は野球の季節である。朝は大谷翔平選手がホームランを打ったニュースで心躍らせ、通勤電車の中では野球指導者の本を読む。日中は仕事の合間を縫って高校野球を観て、夕方は都市対抗野球を観る。夜はプロ野球中継を観て寝る前にはスポーツニュースで一日の野球ニュースに目を通す。ヤバイ…、改めて自分の1日を振り返るともう何かに取り憑かれているレベルだ(笑)。カミさんには呆れられて「キモイ」とまで言われる始末(泣)。
そんな中で7月29日(金)に行われた都市対抗野球決勝戦には強く胸を打たれた。連覇を狙う東京ガスに4点リードを許した場面から、ENEOSが3本のホームランで逆転し9年ぶり12度目の優勝を果たした。ENEOSの大久保監督の目に涙。そして敗れた東京ガスベンチも悔し涙に暮れた。
アマチュア野球の頂点を決める戦い。そのレベルの高さには毎年感嘆するばかりだが、特筆すべきはその試合に臨む選手達のメンタリティーだ。2死走者無しから四球を選んだだけで、バットを放り投げ両の拳を握って咆哮している姿から、その一球、そのワンプレーに全てを懸けてプレーしていることがヒシヒシと伝わってくる。その心の温度、その熱量こそが都市対抗野球最大の魅力だと私は思っている。もちろん「都市対抗野球決勝戦」という舞台が選手達の気持ちをそこまで高ぶらせている部分もあると思う。しかしそういうメンタリティーで試合に臨めるかどうかは毎日をどのように過ごしているかに尽きる。あの舞台に立っている選手達は自分の人生の全てをそこに捧げている。
高校生や大学生と違って3年や4年が保障されていない。今年結果を出せなければ来年はクビになる世界だ。幼い頃から野球に打ち込み、各カテゴリーで厳しい競争に打ち勝ち、アマチュア野球界ピラミッドの最頂部まで生き残った精鋭達。恐らくNPBの1軍選手を除けば日本野球界最高レベルの選手達である。東京ドームの芝を踏むまでにはきっと色々なことを犠牲にして辿り着いている。その人達の生き様が表現されているのがあの都市対抗野球という舞台である。まさに「真剣」勝負の場。
我がチームの中学生達にこのレベルの選手達と同じようなメンタリティーで試合に臨めと言うのは無理があるかも知れない。ただ、ビッククラブに所属する選手達というのは近い種類の精神状態にある。特にそこでレギュラーになるような選手は「U-15侍ジャパンに選ばれて、大阪桐蔭に進学し、高卒でプロ野球選手になる」といったことを本気で考えている選手がいる。そういう選手は人に馬鹿にされようが何されようがお構いなしで、ただひたすらに自分の夢に向かって努力し続けるから、いつの間にか夢が現実に近づいていく。
対して他の選手は、何となく「高校野球が出来ればいいな」「甲子園を狙えるような学校に進学出来たらいいな」くらいでぼんやりと毎日を過ごし、練習することよりも遊びやテレビゲームが生活の中で優先されてしまう。「昨日素振りしたから今日はゲームしよう」「塾があるから今日は練習しなくていいや」といった感じで毎日を過ごしていく。
前者と後者が試合をした時、どちらが勝つかと言えば一目瞭然。当然前者となる。前者は後者を完膚なきまでに叩きのめす。良いプレーが出来るたびにガッツポーズをつくって喜びを表現し、物凄い熱量を持って試合を戦う。点差が開き勝敗が決しても攻撃の手を一切緩めない。最後まで全力で戦い切る。「普段、ゲームしたかったらゲームやってろ。俺たちは野球で輝きたいから、俺たちは俺たちの道を行くぜっ!」とでも言わんばかりに弱小チームを蹴散らす。本来、能力で劣る後者が「せめて気持ちの面では勝るように」と試合に臨みたいところだが、何よりも敵わないのがその気持ちの面なのだ。それは毎日を本気で過ごしている者と、そうじゃない者の差だ。
私は前者のことを「勝者のメンタリティー」と呼んでいる。都市対抗の舞台に立っている選手達はいついかなる時もその「勝者のメンタリティー」を持ち続けた選手達だ。我が東京和泉シニアのOBで今年も都市対抗野球の舞台に立った、日本通運の木南とNTT東日本の堀はまさにその「勝者のメンタリティー」を中学生の時から持ち合わせていた。だからあの舞台まで生き残っている。
6月にこの日記で巨人の増田陸選手について触れた時、「東京和泉シニアでああいうギラギラした選手に久しく会っていない」といった趣旨のことを記した記憶があるが、そういった熱量を持って、野球に全てを懸けている選手と、ベンチで一緒になって「熱くなって戦いたい」といつも思っている。
出て来ないかなぁ~…、そういう選手…。