2022年8月6日(土)、7日(日)

 

 秋ヶ瀬練習、オープン戦 対豊島シニア

 

 「本気になる」とは「自分の世界を変えること」

 

 元仙台育英、現学法石川の佐々木監督はご自身の著書にそう書かれている。もし、私が今から本気で歌手を目指そうと思うなら、まず東京和泉シニアの監督を辞め、その時間をボイストレーニングにあてるだろう。読む本のジャンルは野球から音楽へと変わり、ピアノやギターといった楽器を弾くことにもチャレンジするかも知れない。付き合う人も野球関係者から音楽に精通する人へと変わり、自分の部屋から野球道具は消えて楽器や楽譜が置かれる部屋へと様変わりする。「本気」なら、仕事すらも辞めて海外へ勉強しに行くこともあるかも知れない。「本気になる」とは「自分の世界を変えること」と佐々木監督が話されるのはそういうことである。

 

 私は土曜日の秋ヶ瀬練習で選手達にそれを伝えたかった。「関東大会へ出場し1勝する」という目標を選手達が掲げたが、それを「本気」で達成しようと思っているのか?ただぼんやりと思い浮かべているだけで惰性で毎日を過ごしてしまっていないか?今日の練習を全力でやり切っているか?まだまだ余力を残しているのではないか?勝つ為に、一つのアウトをとる為に想いを込めて声を届かせているか?東東京支部を勝ち抜くということはそんなに甘くない。

 

 私は高校時代の恩師にこう言われた。「自殺したいと思っている人がお前達の練習する姿を見て、やっぱり生きたいって思いなおしてしまうような練習をしろ」と。

 

 選手達に「もっと本気でやろう」と話したことで、佐々木監督の言葉や恩師の言葉が蘇ってきた。そしてそれを思い出したことで「私自身がどこまで本気になれているのか?」と、いつの間にか近視眼的になっていた自分自身を俯瞰する良い機会にもなった。

 

 気付けば部員数の少なさを嘆き、怪我や熱中症、あるいはコロナといったことを恐れ練習をセーブしてしまうことばかりを考えていた気がする。組織のリーダーである私が「妥協点」や「出来ない理由」を探してばかりいたのでは、選手達が本気になんてなれるハズがない。深く反省である。勝つ為に厳しい練習が必要なのはもう分かり切ったことである。選手達が本気で練習に取り組み全力を出し切らせてあげる、そういう環境を提供してあげるのが私の仕事のハズ。今の選手達ならきっとついて来てくれる。

 

 秋の大会前、最後のオープン戦。豊島シニアさんが北海道遠征もあることを考慮して下さり2試合で対応して頂いた。また隣のグラウンドでは練馬シニアさんが新チームの練習を行っていたので鎌田監督にご挨拶だけさせて頂いた。同じ城北ブロックのチームの方達はみんな温かい。

 

 ゲームは成田戦に続き大下が好投。ストライク先行な上に投球テンポも良い為、守りのリズムが生まれて自然と失策が無くなる。反対に大下を降板させた後に守備が乱れて4失点してしまった。やはり四死球や失策が重なり劣勢に立たされるとなかなか積極的なプレーが出来なくなってしまう。前へ攻める守備が、ボールに攻められてしまう守備に変わってしまう。劣勢の時こそチームを救うプレーが出来るようなメンタルを持てなくては厳しいトーナメントを勝ち上がっていくことは出来ない。やはりそういったメンタル的な部分は、普段から自らにプレッシャーをかけて練習を重ねていないと備わっていかない。「本気」で毎日を過ごしているかどうかというところに繋がってくる。

 

 過ぎてしまった日々はもう戻って来ない。大事なのはこれからどうするかだ。ただ新チームをスタートさせてからの日々でポジティブな要素が無かった訳ではない。大きな怪我人も出ず重い熱中症になった選手もいなかった。最低限やれる練習は消化してこれた。近年では珍しいことでもある。足りないところはこれから埋めていくとして、秋の大会は秋の大会でしっかりと戦っていきたい。

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