2022年9月17日(土) 秋ヶ瀬練習

 2022年9月18日(日) 永福地域センター

 2022年9月19日(月) 秋ヶ瀬練習

 

 先週秋の大会に敗れて、チームを一から鍛え直そうと気持ち新たに迎えた週末だったが、台風の影響で雨に降られ満足な活動が出来ずに水を差された感じだ。特に坂東での練習が中止になるのは環境が充実しているだけに何とも口惜しい。とはいえ雨の日は毎度自分に言い聞かせているが、自然には勝てないので永福地域センターにてミーティングを行うこととした。

 

 ミーテンィグ前半は来春・夏の目標をグループ討議にて選手達同士で話し合ってもらった。先週坂東での練習終わりに、監督である私からこの冬の「練習テーマ」と「スローガン」のようなモノを掲げはしたが、何を目標に、そして何を目的にという部分が抜け落ちてしまっていることは自覚していたので、是非そこは選手達の口から聞きたかった。結果は残念ながら目標や目的といったことよりも、どちらかと言うと目標を達成する為の「手段」のような意見ばかりが出されてしまって、この時間ではまとまらなかった。しかしそれもまた良い時間ではあったと思う。「勝つ為にはどうしたら良いか?」を考えることは絶対にマイナスではない。

 

 後半は、「講義」と言ってしまうと偉そうだし先生でもないのに上から目線な言い方でちょっと嫌なのだが、前半のグループ討議他選手達の時間に対して、私から話す時間とさせてもらった。テーマは「評価」について。

 

 先日、やはり雨に降られてミーティングを行った際、「感謝」ということをテーマに話しをした。その冒頭に「感謝という気持ちを言葉に表すとどんな言葉になる?」と選手達に問いかけた。答えは「ありがとう」である。しかしこんな小学校低学年の児童でさえ答えられそうな問いに、中学生は誰も挙手しない。いくつかのヒントを投げかけ暫くしてからようやく手を挙げて答えた選手がいた。私はその選手に「何故こんなに簡単なことを答えるのにこんなに時間がかかったのか?」と質問をした。返ってきた答えは「間違っていたらどうしようと思ったから…」

 

 この答えに私はとても違和感を覚えた。たかだか12~14歳の子がこんなにも失敗することに怯えている。しかし同時に「自分もそうだったな」と思い出した。それは間違いなく「人(他人)の評価」を気にしていたからである。それもそのハズ。世の中は人の評価で成り立っている部分が多々あるからだ。学校でも授業態度やテストの結果など、人の評価によって自分の成績が決まり進学する高校も決まる。私のようなサラリーマンだって人の評価によって給料が決まり、役職が決まり、人生が決まる。人の評価を得なければ人生を豊かに出来ないと言っても過言ではない。少し寂しい気もするがそれが現実として確かにある。だから私も自然にそのような教育を受けてきていたのだと思う。人に好かれるような発言をし、人に良く思われるような行動を心掛けていた。だから失敗することに凄く怯えていた。失敗したことが分かったら色々言い訳をして、自分の行動を正当化して、「自分は悪くない」という方向に持って行こうとしていた。親に対しても「いい息子でいよう、自慢の息子でいよう」と一生懸命取り繕って、背伸びをして生きていた。外で失敗したことはひた隠しにし、沢山嘘をついて良い息子を演じていた。しかし今振り返ればそう思えるが、当時の自分は全くそのつもりはない。良い息子を演じようなどとも思っていないし、自分が悪いとも全く思っていない。自分の中ではただ「正しいことをしよう」と思っているだけなのだ。恐らく30代前半までそのことに気付かず、息苦しく生きていたように思う。

 

 いつの頃だったか…、30代半ば頃かな…、もう忘れてしまったが、ある時そのことに気付き「人の目など気にせずに、自分の評価は自分でしよう」と思えた時があった。そうしたら一気に楽になった。別に良い人間でいる必要はない。むしろ人間なのだから出来ないことがいっぱいあって当たり前。失敗して当たり前。失敗したら素直にそれを認めて謝る人には謝って、次同じ失敗をしないように気を付ければ良い。

 

 一流選手は皆この境地にある。自分を高めることにしかフォーカスしていない。例えば桁違いに大きな夢を掲げ発言したとしよう。他人はそれを聞いたり見たりすると、「何を馬鹿なこと言っているんだ」と笑う。でもそんな他人の評価は気にせず、自分が信じた道を歩み続けた人間が、結果誰も辿り着けないようなところまで登り詰めたりする。大谷翔平選手がプロで二刀流に挑戦すると言った時、「無理」「プロ野球を馬鹿にするな」と懐疑的な意見をする野球関係者が沢山いた。しかし今はメジャーリーグでそれを実現し、誰も文句のつけようのない成績をおさめてしまっている。きっと大谷翔平選手はそんな周りの人の意見などに耳も貸さない。あるのはその目標に向かって自分が今をどう生きているか?という自分の自分に対する評価だけだろう。最年少三冠王に向けひた走るヤクルトスワローズの村上選手もきっと同じハズだ。

 

 もちろん私は他人の評価ばかりを気にして生きていた自分の若い頃を後悔している。今の自分のメンタリティーで野球をやれていたら、どれだけ結果を変えることが出来ただろう。そう思えるからこそ、現在東京和泉シニアに所属する選手達にはどうか他人の評価を気にしてばかりいるのではなくて、自分の評価は自分でして欲しい。監督に怒られるから、監督に良く思われたいから練習や試合を頑張るのではなくて、試合に勝つ為に、自分が活躍する為に、練習を頑張れているかどうか?それを自分の胸に聞いてみて欲しい。そして沢山失敗して沢山笑われて大丈夫だっ!!それを恐れてチャレンジしないより、失敗したことを改善する努力を重ねる人の方がよっぽど野球選手として、人間として成長していける。まだ中学生なのだから失うものなど何も無い!!

 

 それをミーティングで伝えたかったんだけどな…。ちょっとでも伝わっているといいな。

ページツリー

ページ最上部へ戻る