2022年9月23日(金) 秋ヶ瀬練習

 2022年9月25日(日) 坂東練習

 

 9月25日。ソフトバンクホークスの明石選手の引退セレモニーが行われた。23日には中日ドラゴンズの福留選手、21日には阪神タイガースの糸井選手、そして19日には西武ライオンズ内海選手の、それぞれ引退試合が行われた。この時期はプロ野球選手が現役生活にピリオドを打ちユニフォームを脱ぐ決断をすることがニュースになる季節だ。しかし自ら現役生活の終わりを決められる選手は限りなく少ない。大抵の選手は力が及ばなくなり引退を余儀なくされてしまう。硬式野球の寿命は本当に短い。

 

 高校野球を終えるとその上のカテゴリーへ進むことの出来る選手は極端に少なくなる。大学野球、社会人野球、プロ野球といったステージに上がれるのはそれなりの結果を残した者のみだ。ということは現在我が東京和泉シニアに所属している選手達も、中学硬式野球で過ごす2年半と、高校野球で過ごす2年半を併せても僅か5年が基本寿命となる。福留選手は中学時代から硬式野球を始めたというから、中学2年半、高校2年半、社会人野球2年、そしてプロ野球24年、合計すると31年にも及ぶ。こんな選手は滅多に現れない。

 

 毎週土曜日、テレビ東京系列にて午前9時半から放映されているアニメーション、『ドラゴンクエスト ダイの大冒険』は、私の現在の楽しみの一つだ。このアニメは1989年から1996年の間に週刊少年ジャンプに掲載され、2019年12月時点までに単行本の累計発行部数4700万部を突破している我々世代の大人気漫画である。私自身も小学生から中学生の時に大好きだった漫画で単行本も全巻揃えていた。1991年~1992年の間にもテレビ放映されていたが、残念ながら途中で打ち切られてしまった。そんな『ダイの大冒険』が2020年10月から東映アニメーションにより復活と聞いて心躍った。毎週ブルーレイレコーダーで録画予約し、空いた時間で4歳の息子よりも私の方が楽しんでいる(笑)。

 

 デルムリン島という島育ちのダイという少年が勇者となって、仲間と共に敵対する魔族と闘い、その冒険の中で数々の経験を積みながら人としての成長も描かれるサクセスストーリー。闘いの始まりから冒険を共にするダイの唯一無二の仲間であるポップという魔法使いの少年は、とても臆病で弱虫というキャラ設定でスタートするが、数々の激闘を経て少年から青年へ、そして男になっていく。私が最も好きなキャラクターだ。

 

 9月24日(土)に放映された第96話(100話で終了予定)では、そんなポップが『ダイの大冒険』で私が最も好きな台詞を言い放つ。作中最後のラスボスである大魔王バーンと対峙し、絶望的な状況のなか人間の少年であるポップがこう話す。

 

「大魔王さんよ。あんたは何年生きられるんだい?何千年か?何万年か?それとも死なないのか?相当寿命が長いんだろうな…(中略)。それに比べたら俺たち人間の一生なんて一瞬の火花みたいなもんだ。あんたらみたいな雲の上の連中に比べたら俺たち人間の一生なんてどの道一瞬だろう。だからこそ結果が見えてたってもがき抜いてやる!一生懸命に生き抜いてやる!!残りの人生が50年だって5分だって同じことだ。一瞬だけど閃光のようにまぶしく燃えて生き抜いてやる。それが俺たち人間の生き方だ。よく目に刻んでおけよ、このバッキャローっ!!!」

 

 涙腺崩壊…。

 

 選ばれし者以外、硬式野球の寿命は一瞬だ。シニアでの中学野球生活も本当にあっという間に終わりを迎える。現代の中学生は塾に行くのも当たり前のようになっているから、学校に行って塾に行ってシニアの活動に行って、本当に大変だと思うけどでも今しかないこの一瞬を大切にして欲しい。閃光のように輝いて欲しい。野球選手の「死」がプレイヤーを諦めなければならない時だとするならば、それまでの時はそう長くはないのだということを分かって欲しい。

 

 先週に続き今週も台風の影響を受けて雨に振り回されたシルバーウィーク後半の三連休となった。金曜日の秋ヶ瀬は朝早くからの活動だったにも関わらず外野しか使用できなかった。土曜日は活動中止。日曜日だけ坂東で充実の時を過ごせたが、3日のうち半分の1.5日分しか活動出来なかった印象だ。でもその中にあって、グラウンド状態が悪く地味な練習しか出来ない状況下でも選手達は頑張っていた。秋の大会が終わって自分達に何が足りないのか?ということをよく理解して練習に取り組めていると思う。坂東で私はティー上げをしていたが、「バットを強く振れるようになるんだっ!」というしっかりとした意志を持って取り組んでいることが見てとれる選手が何人かいた。こういった選手がより増えて、それを継続することが出来れば、チームと選手が閃光のように輝く一瞬は必ず訪れる。

 

 私はその瞬間に出逢えることを信じて待つ。見逃してなるものか。

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