2022年11月20日(日) 坂東練習
11月23日(水)の練馬区長杯一回戦を前に、少し実践感覚を養っておきたくて午後に紅白戦を行った。何人か故障を抱えていた選手がいたので、コーチ陣に空いたポジションを守ってもらいDH制を採用するなどして試合に出られない選手がいないようにした。その紅白戦も含めてコーチ陣は今週も精力的に動いてくれた。土曜日は高校時代の恩師である専修大学付属高校野球部の岩渕監督さんが来訪し、さらにOB二人が顔を出しに来てくれたこともあって、それぞれの対応に追われてなかなか現役中学生の指導にあたれなかったが、コーチ陣がしっかりと練習を見てくれた。
我がチームのコーチ陣は現在全てのコーチが東京和泉シニアOBだ。別にそこに拘っている訳ではないのだが、声をかけやすかったこともあって結果そうなっている。スポットで手伝いに来てくれる人は別にして、毎週のようにこの活動に尽力してくれているコーチは現在4名。最高年齢が31歳で、監督である私も41歳だから比較的若い指導者スタッフだと思う。野球指導においても社会人としてもまだまだ未熟な我々だが、中学生と共に、そして親御さんと共に学んでいければと思っている。
しかし一つ自慢出来ることがある。それは我々指導者スタッフの子供がチームにいないということだ。大抵の少年野球指導者は、自分の子供がそのチームに入団することでチームスタッフとなる。しかし我が東京和泉シニアの現在の指導者スタッフは、自分の子供がいないのにチームに力を尽くしている。それはつまり野球を愛し、東京和泉シニアを愛し、「夢を持つ中学生に何か協力してあげることが出来れば」という想いだけが彼らを突き動かしているのである。今後の野球界の底辺を支えていってくれるだろう貴重な人材と言える。私にとっては可愛い後輩であり教え子でもあり、そして現在は共に戦う同士である。私が東京和泉シニアの監督でいるうちは、私が今まで培ってきた経験や知識を出来る限り伝え、また中学生から感動をもらえる環境を出来る限り提供してあげられればと想っている。
そして私自身も彼等若い世代から色々吸収したい。こんな活動をしていなかったら、こんなに濃密な付き合いをする筈が無い。公式戦ではベンチの中で互いに吐きそうなくらい緊張している。そんな時間を、そんな想いを共有する人なんて人生で滅多に出逢わない。私のようなただの41歳のオッサンを監督としてたててくれて、そして子供達には目一杯の愛情を注いでくれている。彼らのような人材がいるからこそ、我がチームは25年もの歴史を紡いでこれているのだと思う。本当に感謝しかない。
そんなコーチ達の頑張りのお陰で紅白戦は白熱。やっぱりプレーのレベルが上がってきている。それは単純に身体の力が付いて来ているから。技術面で然程成長が無くても、フィジカルが強くなれば当然プレーの質は良くなる。秋の大会に負けてから身体の力を付けることを軸に練習しているが、それが成果となって現れ始めている。こんなに嬉しいことはない。選手の成長が見てとれる。その喜びをきっとコーチ達も感じてくれているハズだ。秋季大会以降の練習の提案に対してもみんな快く引き受けてくれた。むしろ「このままやっていても勝てません!」と、私の背中を押してくれた。彼らの言葉が無かったら今週の景色を見ることは出来なかったのかも知れない。
選手達には是非コーチ陣に対して感謝の気持ちを持てる人間になって欲しい。シニア関東連盟のスローガンは「感謝の気持ちを力に変えて」である。チームの為に尽力してくれるコーチがいることが当たり前じゃなく、そういう人達の「お陰」で野球が出来ると想える選手は、ここぞの場面でその人達の「為に」という力に変えることが出来る。そしてコーチ陣を喜ばせることが出来るのもまた選手達だけである。春・夏に「勝利」という最高の喜びをコーチ陣にプレゼントしてあげて欲しい。