2023年2月26日(日)
春季東東京支部大会敗者復活2回戦 対世田谷・目黒西合同シニア
11対4〇 @大田シニアグラウンド
冷たい北風が吹き荒れる悪天候の中、春季東東京支部大会敗者復活2回戦を戦った。結果は11対4 6回コールドで勝利をおさめた。
アップ・キャッチボール・トスバッティング・シートノックを見て明らかに我がチームの方が力は上だと分かった。でもこういう相手の方が逆に戦いにくかったりする。早い回に得点し精神的優位に立てればまず勝利は間違いない。しかし序盤に得点出来ないと後半になるにつれプレッシャーがかかり足元をすくわれる。そんな試合に臨む上での注意点を選手達に伝えてゲームに入った。
選手達は初回から着実に得点を重ね、プラン通りに戦ってくれた。2回を終え6対0。「これで怖さは無くなった」と私がまず思ってしまった。そこで大下の調子がなかなか上がってきていないことから、今後の戦いも見据えて「良い結果を出させてあげたい」と完全なる私の「情」で継投順序を変えてしまった。2番手でいくと伝えていた澁谷にも、その時にセカンドに入ると伝えていた三宅にも本当に悪いことをした。もちろん、前日のピッチング練習で大下のキレのあるボールが戻っていたこと、そして相手打線をみた時に大下のストレートに刺されるだろうという計算もあったのだが…。
残念ながらこの試合でも調子が戻らず、守備のリズムも崩して3失点してしまった。佐藤にスイッチしたが4回にも追加点を許して6点差が2点差になってしまった。コールドゲームの様相が一気に最悪の逆転負けの流れになってしまったのである。全ては私の責任だ。
ただこの試合最大のハイライトはこの後に訪れる。5回表、2死1・2塁で迎えた石塚の打席。初球を見送ってサインを見る為にベンチの方へ振り返った石塚が、今まで見たことのない表情をしていた。隣でスコアを書いてくれていた洋介にすぐ言った。「いい表情してる」と。サインは「打て」しかない。でもこれは「絶対に打つ」と思った。もう打つ雰囲気しか感じなかった。それくらい集中していた。「打てなかったらどうしよう」とかそういった結果のことは頭の中から消えていたと思う。「絶対に打つ」とか自分にプレッシャーがかかるようなメンタルともまた違う。あくまで私の想像だが、ただ来る球に対してコンタクトする、そんなシンプルなことに深く集中出来ていたと思う。左中間を真っ二つに破る2点適時二塁打を放って試合の流れをまた我がチームに戻してくれた。
そして続く大橋もタイムリーでダメを押し、その裏の守りでは佐藤が相手打線から三者連続三振を奪って勝利を決定づけた。オーシャン杯から新2年生の活躍が目立っていたが、この試合は間違いなく新3年生が勝負を決めた。監督のまずい采配を助けてくれた頼もしき新3年生達だ。
不思議なものだ。情を持ち込んだ采配をしてしまったが為にチームが危うく逆転負けしそうになってしまった。ただゲームが緊迫したことによって石塚と大橋のタイムリー、そして佐藤のピッチングがより価値のあるものとなった。4回裏に6対4とされた時はベンチで頭を抱えながら自分を責めた。だけど石塚があの打席を経験出来たことは財産になると思う。自分の采配ミスを正当化してはいけないが、神様はまた一つドラマを見せてくれた。
次戦の敗者復活3回戦の相手は新宿シニアさんに決定した。我がチームよりも歴史が古く、圧倒的に実績もある強豪だ。春の関東をとれるかどうかの大一番になる。今、我がチームが出来る最高のゲームをぶつけたい。