2024年2月25日(日) 

 

 春季東東京支部大会2回戦 対練馬シニア 雨天中止

 

 また1年が経ちました。「監督の日記」をはじめて丁度2年が経ったことになります。2年の間で1度だけ1週飛ばしてしまったことがありましたが、それ以外は毎週毎週我がチームの活動を振り返り、より良い活動を考える良い時間になっています(笑)。その数120回を超えました。最近は重たくなってなかなかアップするのも時間がかかるようになってしまいました(笑)。一応500回まではアップ出来るようですが、いつまで残すことが出来るのやら…(汗)

 

 さて、生憎の雨により春季東東京支部大会2回戦は、天皇誕生日の23日(金)祝日、25日(日)ともに雨天中止。3月3日(日)にスライドとなった。我がチームは雨の日はたいてい杉並区の施設を借りて「ミーティング」と題し座学を行うのだが、23日(金)は1日活動中止、25日(日)は試合会場に既に集合し試合前準備をしていた時だったので、試合中止決定のお知らせを聞いた時点で解散とした。定期試験中、あるいは定期試験前といった選手が多かったので、勉強する時間にあててくれれば良いし、また大会の緊張感を維持し続けるのは難しいので一旦リセットさせたかったという思いもある。

 

 先日、アベマTVの番組で放映された岡田武史元サッカー日本代表監督と、橋下徹元大阪府知事の対談の様子が、一部ユーチューブにアップされていた。サッカーと政治、その世界は大きく違えど組織のリーダーとして活躍されたお二人の話しに、野球チームで監督する私にとって何かヒントになることはないかと思い視聴した。

 

 岡田さんは2024年4月にFC今治里山高校を開校し学校教育に乗り出すとのこと。「FC」と言ってもサッカーをするわけではなく、「歴史を動かす人財を今治から」をキャッチコピーに、「時代を切り開き、新しい共助のコミュニティーを作っていくリーダーを育成する学校にしたい」との思いから、学校長となることを引き受けたそうだ。岡田さんは対談の中で次のようなことを話されていた。

 

 「教育は社会に出るための準備。それなのに社会がこれだけ大きく変わり始めているのに教育が変わらないのはおかしいなと思っていた。以前から環境問題にも取り組んでいたが、もう閾値を超えたと思っている。今後はロールモデルがない、過去のデータが役に立たない、何が起こるか分からない世界を自分自身の力で生きていかなければならない。AIやICTが発達し、何が真実かも分からない時代で、今ある仕事が半分くらい無くなるとまで言われている。では今後何が必要なのか?と考えた時に、主体性や精神的タフさ、想定外のことに対応する適応力、多様な人を巻き込み色々な人が助け合う共助のコミュニティーを作るリーダーシップといったものだと思う」

 

 FC今治里山高校では筆記試験が無く、教員が与えたミッションに対して「グループで解決策を討論しプレゼンする」というのが主な授業の内容になるそうだ。私はこのお話しを聞いて大いに共感した。と言うよりも、2022年7月18日の週に「社会の常識と組織の常識が一致していること」と題して同じようなことをこの日記に私自身で記している。

 

 私は一介のサラリーマンであり先生ではないので「おこがましい」とさえ思うから、もともと選手達を「教育する」という考え方は好きではない。「野球を通じて選手達自らが学べる環境を提供する」、いつもそう思っている。だけどシニアは学生野球なので、どうしても「教育」という側面を背負わされてしまうのも事実だ。そこに携わっている身として、あの元サッカー日本代表監督の岡田さんが、私と似たようなこと(と言ったら失礼になっちゃうのかも知れないけど)を考えていらっしゃると感じることが出来たのは、とても光栄だと思ったし、「私の考えていることも捨てたもんじゃないな」と勇気が沸いた。

 

 私が学生の頃は全てトップダウンの組織で野球を「やらされて」いた。コーチ監督には「お前達はここで厳しいことに堪えているから、大人になっても少々のことでヘコタレない強さがある。挨拶や礼儀も学んでいるから会社に勤めた時に重宝される」と言われ、それを信じて疑わなかった。自信満々で社会に出たつもりだったが、そこで自分がいかにポンコツかを思い知らされた。小学生の頃から刷り込まれたせいでどうしても「指示待ち」の体質だった。言われたことに対しては確かに粘り強く取り組めるけど、自発的に行動するということは苦手だった。私がそうなのだから、きっと私と同じ年代の野球経験者は同じような欠点を持っているのではないか?と思った。野球界が社会へ排出した負の遺産とでも言うべきか…。

 

 ならば私は、縁あってシニアという中学生硬式野球クラブチームの監督になっている以上「社会に貢献出来る人財育成」の為に、トップダウンよりボトムアップ型寄りのチーム運営をしなければならないと思っている。雨天時の座学の時には積極的にグループ討議とミニプレゼンの場を設けているし、昨秋から今春にかけてのオープン戦ではノーサインゲームを実施してきた。まさに自ら考え実行する力(主体性)と、目の前に起こることに対応する力(適応力)を養う為だ。

 

 岡田さんがおっしゃるように社会の変化に合わせて学校教育が変革していくなら、教育の側面も担う学生野球も変化していかなければならない。約1年と7ヶ月前に「社会の常識と組織の常識が一致していること」と記したのはそういう意味である。
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