2024年3月17日(日) 

 

 春季東東京支部大会準決勝 対江戸川中央シニア 2対6 ● @豊島シニアG

 

 春季東東京支部大会準決勝を豊島シニアさんのグラウンドにて江戸川中央さんと戦った。結果は2対6。今大会初黒星を喫した。全国制覇経験もある名門チームに挑戦出来ることはこの上ない喜びだが、やっぱり勝たなきゃ面白くない。私の野望として、ウチのような少人数のチームで名門ビッククラブを倒し二極化する勢力図を変えたいという思いがある。野球人口減少に加え、「人数の集まるチーム」と「そうじゃないチーム」に分かれる二極化問題は特に中学野球と高校野球で顕著に現れ、廃部や休部に追い込まれているチームも少なくない。どうしても「強いチーム」、「人数の多いチーム」といったところに人は流れていく。それは当然と言えば当然なのだが、「そうじゃないチーム」でも良い活動は出来るし、「そうじゃないチーム」だからこそ得られる経験、喜び、楽しみ、活動というものが確かにある。しかしそれを世間に知らしめる為にはやはり「人数の集まるチーム」に勝利しないと説得力を持つことが出来ない。今季この東東京支部で準決勝まで勝ち上がり、江戸川中央さんへの挑戦権を得たのは大きなチャンスだった。もちろん我がチームの戦いぶりをちゃんと見ててくれている人もいるし、ベスト4進出と関東大会出場権獲得を喜んでくれた人、そして称えてくれた人は沢山いる。だけどここで敗退することは「やっぱり決勝進出は江戸川中央さんね。東京和泉じゃここまでだね」となる。それが悔しい。そこを覆したくてやっているのだから、それが達成されないことがたまらなく悔しい。変わる為には何が必要か?また勉強を重ねていくしかない。

 

 ほぼ初回にゲームを決められてしまった。先頭打者をエラーで出塁させ、盗塁を許した後に先制ホームランを浴びた。その後も打線の勢いを止めることが出来ずに4失点。2回にも失点して0対5と序盤で大きく差を広げられた。いつもそうだ。強豪チームとゲームをすると特に初回に大量失点してしまう。中盤以降に追い上げは見せるのだが結局届かなくて敗れる。もう何度このパターンで敗戦を重ねてきたことか…。やはり投手を中心とした守備力がものをいうと考え、キャッチボール前のハンドリングやスローイング基礎、ポジション別の地味な基礎練習、投内連携、シートノック、ゲームノックと、毎週毎週守備練習には多くの時間を割いている。「試合に入るモチベーションの上げ方に問題があるのかも?」と思い、サイキングアップを取り入れアップ、キャッチボール・トス、シートノックという試合前のルーティンを構築してきた。しかしそれでも、強豪チームと相対した時だけ、必ず初回に大量失点する。この度の試合もそうなった。もう「鬼門」と表現してもいい。

 

 でも起きているのはやはり守備のミスだ。「とれるアウトをとる」というのが我がチームの今大会も掲げるテーマだが、結局その部分を詰め切れていない。強豪チーム相手となれば打球も強いし打者走者の足も速い。アウトをとるのが難しくなりより技術が求められるのは当然のこと。でもだからこそ昨夏から多くの強豪チームとオープン戦を組んできた。そういった打球速度やランナーの足の速さなどに慣れてもらいたかったからだ。そのレベルで投手が打ち取ったとされる打球を当たり前のようにアウトに出来るようになって初めて、強豪チームと「同じ土俵」に立てる。それが出来なきゃ強豪チームベンチから見て東京和泉が「怖い存在」にはならない。

 

 ただ試合の中で良いプレーも確かにあった。3回裏の守りでとったダブルプレーは見事だった。大会を通じて数多くのダブルプレーをとっている。こんなにダブルプレーがとれる二遊間は我がチームでは初めてかも知れない。ハルキをマウンドに上げる際にセカンドをショーヤンに変えるのだがそれでもとれている。なかなか出来ることじゃない。2対5とした4回の攻撃中には江戸川中央さんが守備側のタイムをとった。試合の流れが我がチームに傾いていた時に切ろうとしたベンチの対応だ。こんなことは久しくなかった。

 

 強豪チームとの差はまだ確かにある。だけどゆっくりではあるが、少しずつ少しずつ近づけてはいることを実感した。それは野球の能力というだけでなくチームという組織の面でも。というより我がチームはその組織力という点で底辺にいた。何よりも私が監督としてその組織のリーダーとしての力量が余りに足りなかった。野球は幼い頃から長年やってきたが「チーム運営をする」ということに関しては全くのド素人だった。やろうとすることの信念を貫き通すことだったり、それを明確にしてスタッフ・選手・父兄他みんなの足並みを揃えやすくすることだったり、組織を率いるだけの術を持ち合わせていなかった。監督になりたての頃は「自分自身が何をやりたいのか?」さえ自分の中でも明確になっていなかったように感じる。誰がどのような想いを抱き、皆が幸せになる為には私がどう立ち回れば良いのか、子供たちがストレスなく思い切って野球を楽しむ為にはどんな環境を提供していけば良いのか、監督になって7年が経ちようやくそういうことが分かってきた。

 

 きっといま強豪チームになっている各チームは、早くからそのチームとしての土台が構築されて、その上で結果を出し続けてきたから今に至っているのだろう。今後我がチームも毎年色々な考えを持った人達が入団してくるわけだし、時代や社会も刻々と変化していく。それらに対応する柔軟な考えも持ちながら、でも「楽しく野球やって強くなる」という信念は曲げずに今後も頑張っていきたいと思う。いつかその野球で強豪チームを撃破するその日まで。
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