2024年4月28日(日)

 

 オープン戦 対東京青山シニア 5対5 △ @東京青山シニアG

 

 夏の大会まであと2週間と迫るなか、どれだけ充実した活動が出来るか?一番の目的はピーキングである。5月12日をチームが最も良い状態で迎えられるように調整していくこと。怪我人や体調不良者を出すことなどもっての外で、調子を落としている選手は状態を上げていき、好調な選手はそれをキープする。また守備面でのサインプレーの確認や、その意図の認識にズレが生じないようにチーム全体で擦り合わせる作業など、この1年の総仕上げである。

 

 この4月。秋ヶ瀬グラウンド使用の為のカード更新が出来ておらず、1ヶ月間あちらこちらでの活動となってしまった。チームのピンチを助けてくれた大学や社会人チームの方々には感謝してもし切れない。またご父兄の方々にも配車やグラウンドでのお手伝いなど沢山ご協力頂き、心から感謝申し上げる次第だ。ゴールデンウィーク前半の3連休となったこの度の週末は、山梨、千葉、茨城と3日連続の小旅行(笑)。カミさんには「頭おかしいんじゃないの?」とか言われる始末(泣)。でも選手達にとっては良い3日間になったと思う。

 

 東京青山シニアさんとは今春の東東京支部大会準々決勝関東大会代表決定戦で対戦し5対2で勝利したが、力的には五分五分と感じていたので夏の大会前にそういうチームともう一度試合が出来たらと思っていた。また東京青山シニアの江本監督さんは元中日ドラゴンズの投手として活躍された方なので、オープン戦を通じて私自身も何か学ぶことが出来ればと思っていた。新1年生の試合も含めて4試合を受け入れて下さり、また試合に出ない時間は淑徳大学サブグラウンドでの練習場所も確保して下さっていて、活動に参加した選手全員が充実した時間を過ごせたと思う。メインチームの第1試合は5対5の引き分け。初回にミスが重なり4失点してしまったことが大きかったが、夏の大会でもビハインドの状態から追いかける展開も十分あり得るので、そのシミュレーションになったとポジティブに捉えたい。

 

 第一試合が終わって昼休み中にここぞとばかりに江本監督さんの元へ質問攻めに行った(笑)。そこで「右投手と左投手の決定的な違い」を教えて頂いた。キーワードは「肝臓」。「身体の部位で頭の次に重いのは肝臓。肝臓は右脇腹の位置にある。左投手はその重みで回転出来る為、右側の壁が崩れやすい。だから右投手よりも身体の開きを我慢しなければならない」と仰られた。目から鱗というか、「やっぱりプロはそんなことまで考えているのか?」と驚かされた。確かに思い返してみると、現在メジャーリーグで活躍する今永投手はテイクバックの時に左腕が背中より後ろ側に入っているように見えるし、松井投手も結構クロスステップしている。私の感覚からしたら「よくあれで腕が出てくるな、よくリリースが間に合うな」と感じていて、「肩甲骨が相当柔らかいのかな」くらいに思っていた。江本監督さんに聞くと、「左ピッチャーはあれくらいで丁度良いんだ。肝臓の重みで回転出来るからあれでタイミングが合うんだよ」と言われ合点がいった。

 

 面白い。野球は本当に奥が深くて面白い。長く続けていけばいくほど、色々な人に出逢って新たな発見がある。知識が増えていけばいくほど「自分はまだ何も知らないのだ」と思わされるし、「もっと知りたい」という欲が湧いてくる。それと同時に「現役の時に今くらいの知識があったらな。もっと追及していれば自分のプレイヤーとしての結果も劇的に変わった可能性があるな」というちょっとした後悔の念も顔を出す。だから今我がチームに在籍している中学生達には、やっぱり「自分に限界をつくらず可能性を追求せよ」と言いたい。

 

 月曜日。宝堀グラウンドでの練習中、2年生の選手を一人呼んで話をした。

 

 「お前は最終的にどうなりたいの?このまま東京和泉の活動に毎週来てただそれを熟すだけでいいのか?1年生にレギュラーとられていいのか?自分がチームの中心選手として活躍して、甲子園に行くような学校からスカウトされて、もし甲子園で活躍でもしようものならドラフトで指名されるかも知れないよ?そうなりたくないか?そういう風に大きな夢持ってやった方が絶対楽しいよ?自分の人生は自分で変えるんだよ」と。

 

 「あの時もうちょっと頑張っておけば良かったな」と思った時はもう遅い。そういう後悔は自分が社会に出て生きていく為の人間力にはなったりするけれど、野球のプレイヤーとしての寿命は延ばしてくれない。そう思った時にはそれまで努力を重ねていた選手に遥か先まで行かれていて、今までの分を取り戻し追いつき追い越そうという気持ちを削がれる。まだ中学生である我がチームの選手達には全ての人に可能性がある。自分がその気にさえなればいくらでも自分を変えられる。だから頑張って欲しい。夢中になって欲しい。

 

 プレイヤーを引退した後も、一応指導者という立場で硬式野球の世界に携わらせて頂いていることにより、沢山の人と野球感に出逢ってより野球に魅力を感じ、「あの時もうちょっと頑張っておけば良かったな」と滅茶苦茶後悔をしているのは他の誰でもない私自身である。そんな私が出来ること。そんな私の経験を交えながら野球の魅力を中学生達に出来る限り伝え、目一杯野球を楽しんでもらって、夢中になれる環境を提供すること。それに尽きると思う。

 

 あと2週間で夏の大会を迎える。野球に魅せられている者同士の真剣勝負。何にも変えられない最高に楽しい瞬間だ。
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