2024年6月9日(日)
オープン戦 対足立シニア @足立シニアG 10対14 ●(3年生)、6対6 △(1・2年生)
夏季関東大会を終え、日常の週末が戻った。土曜日は秋ヶ瀬で練習、日曜日には足立シニアさんとオープン戦を行った。足立シニアの中川監督さんは年末年始の台湾遠征で東東京支部選抜チームの監督を務められ、我が東京和泉シニアの3年生5人がお世話になった。台湾遠征からの帰りの飛行機が、年始に起きた羽田空港地上衝突事故の影響により着陸することが出来ず、一度関西空港に降りてからロビーにて一夜を過ごし、翌日高速バスにて東京へ。予期せぬ事態により予定よりも1日長くなった遠征期間中、選手達に怪我なく貴重な経験をさせて頂き、またこの度のオープン戦の依頼にも快く引き受けて下さって、中川監督さんには本当に心から感謝感謝である。
3年生は6月30日に初戦を迎える卒業生大会に向け、実戦感覚を鈍らせない為に毎週1試合ずつゲームをこなしてもらうつもりでいる。その代わり大事な期末試験前でもあるので、試合終了後は解散としたい。午後は自分の志望する高校に合格出来るように、少しでも成績を上げる為の勉強する時間に宛ててくれたらと思う。
3年生のゲームはノーサインとした。また各自に野球を学んでもらう為だ。昨年秋のシーズンはずっとノーサインゲームを継続していたが、今年1月末のオーシャン杯からサインを出して動くゲームに戻して以降は、夏の大会終了時までそうやって戦ってきた。だからこの度のゲームでは入りが良くなかった。やっぱり「指示待ち」の癖がついてしまっていたように思う。ゲーム途中からは感覚を取り戻し、自分達で勝つ為にどうしていかなければならないか?を考えながらプレー出来ていたと思う。「やはり人間は習慣が人格を作り出すのだな」と改めて実感した。卒業生大会は3年生最後の公式戦となるので、さすがにこちらがサインを出して戦おうと思っているが、それ以外のオープン戦などはなるべくノーサインゲームの環境を提供してあげたい。
1・2年生の試合は「前途多難な船出」となった。知っていたけど再確認(笑)。新チームは逆にサインを見るタイミングや、離塁・帰塁、攻守交代の全力疾走、ベンチ前の円陣、コーチャーの動き、ボールパーソン・バットパーソンの動き、ベンチからの声かけなど、ゲームの中での基礎的なことを学んでいってもらわないといけない。戦う上でのベースづくりからのスタートだ。毎年この時期は「またここから始めないといけないのか?」と、ちょっとウンザリしてしまうような気持ちにもなるのだが、1年も経てば見違えるようになる。何も出来なかった選手達が立派に成長していく姿を見られるのはこの上ない喜びだ。
とはいえ「前途多難な船出」という言葉がピッタリなゲーム。まずやっぱり守れない。点を取らなければ勝てないが、守れなければゲームにならない。守れないゲームは野球が幼く見える。細かな反省もしづらく野球の本質の部分が見えてこなくなってしまう。まずやはりしっかり守ってゲームをつくり、それが出来て初めて「あの1点をとる為にはどうすれば良かったのか?」「あの打席では何を意識してどのボールを狙えば良かったのか?」「あそこでタッチアウトになってしまったが進塁しようとした根拠は何だったのか?」といったような、イニング・点差・打順・アウトカウント・ボールカウントといった情報から、最も確率の高い方法を導き出し、攻める・守るという野球の本当に面白いところに触れることが出来る。単純なゴロ、フライといった「とれるアウトをとる」ということが、ある一定のレベルで出来るようにならないうちは、試合の反省はいつもそこになってしまう。
しかしその守りにおいても「野球が走塁で出来ている」という本質の部分を知らなければその守備力自体も上がってこない。野球における攻撃とは走者を出塁させ、進塁させ、生還させるということが目的である。どうしても「攻撃」というと「バッティング」に意識が向きがちだが、無数にある攻撃手段のうちの一つでしかない。反対に守りとは走者の出塁、進塁、生還をいかにして防ぐかということが目的になる。バント処理隊形や長打警戒のポジショニング他も全て、走塁から逆算して行っていることだ。それが分かると何を準備しなければならないのか、何に注意しなければならないのか、ということが分かってくる。
新チームの選手達はその知識が限りなく乏しい為、ベンチからの指示や注意事項の提供といった声が全くと言って良いほど出て来ない。出しているのは監督・コーチのみ。これではきっとベンチにいても面白くない。自分の声ひとつでとれる点があり、とれるアウトがある。「そういった知識を少しずつで良いから教えてあげて、学んでいってもらわないといけないな」と改めて思った。選手達が自然とフィールド内、あるいはベンチ内でも絶え間なく会話出来るようになるまで、頭の中に残るように「ずっとブツブツ言い続けてやろう」と思った。またどれだけそれが大切かということも認識出来るように、出来る限りオープン戦を沢山組もうと思った。試合は自分の足りないことを教えてくれるし、何故この練習が必要なのかといったことも理解出来るようになる。
新チームは26期生のような能力の高い選手達が集まっている訳じゃない。でもだからと言って勝てないなんてことは絶対に無い。27期生チームには27期生チームのカラーがあって、何を武器にどんな野球でチャレンジしていくのか、課題は山積みだけどとっても面白いと思う。今まで下手くそと言ってきた人達を見返してやろう。東京和泉シニア史上最大の下克上を成し遂げよう。