2024年6月23日(日)

 

 ミーティング @セシオン杉並

 

 ま~た雨だよ…。日曜日は稲城シニアさんとのオープン戦を予定していたのに中止になってしまった。来週から始まる予定の卒業生大会に向け、春季西東京大会優勝チームと対戦出来ることをとても楽しみにしていたのに、この度の雨天中止もとても残念であった。いつも「天気には勝てない」と自分に言い聞かせているし、「ミーティング」と題して野球座学をやることもとても大事なことだと思っている。だけどやっぱりグラウンドで選手達が野球を存分に楽しんでもらうことの方がそりゃあいいに決まっている。

 

 とはいえグラウンドではなかなか「腰を据えて話すことの出来ないこと」というのは意外にも沢山ある。グラウンドに出たからと言って私の声が出なくなる訳じゃないので、時間さえつくればホワイトボードなどを利用して話しが出来ないこともない。でもやはり室内で机の前に座って聞かないと、「集中出来ない、頭に入って来ない、響かない」となりやすい。

 

 この度のミーティングでは、先日決めた新チームの目標と目的を達成する為の「手段」の部分をメインテーマとした。どんな練習が必要か、どんな1年を過ごしていけば良いのか、「これだけはやろう」といったようなチームの決まりごとなど、3班に分かれてグループ討議をしてもらい発表してもらった。3年生はというと、自分が監督やコーチになったつもりで、1・2年生のメンバーで目標を達成する為のオーダーを組み、1年間の練習スケジュールを考えてもらった。やはり3年生は当たり前だけど1・2年生よりだいぶ大人だ。考えている内容が一歩深いところまで踏み込めている。練習内容まで具体的な例を挙げてきた。

 

 1・2年生の話しを聞いていると、自分の意識レベルの低さを自覚していないということが見受けられる。3年生はそこに気付いている。「そんな取組みじゃ到底目標達成は出来ないよ」「そんなに甘くないよ」と。それは自分達がその厳しさを経験してきて身を持って知っているからに他ならない。3年生達にはぜひ今後、自分達の高校野球へ向けた準備に加えて後輩達の育成という面においても力を発揮してもらいたいと思っている。

 

 ミーティング後半は熱中症の講義を行った。もう既に30℃を超える夏日が連日続くようになり、先日梅雨入りも発表され湿度も高くなった。「高温多湿」という気候が最も熱中症を発症の可能性を高くする。今後危険な暑さの中で活動しなければならないことを考えれば、基礎知識を選手達に植え付けておきたい。

 

 私は平日は建設業に勤しむサラリーマンである。主に施工管理を仕事としている。工事現場の真夏は厳しい。敷かれた鉄板の上は優に40℃を超える。作業員の方々の命を守るため、私が会社から「熱中症予防労働衛生インストラクター」という資格を取得させられたのは丁度10年前のことである。私は東京和泉シニアの監督になった初年度から、毎年この時期に資格取得で得た知識を生かして講義を行うようにしている。

 

 熱中症発症には「高温多湿」といった環境要因の他に、「作業要因」や「人体要因」といったものがある。「作業要因」とは東京和泉シニアで言えば主に練習内容ということになるので、私を含めた指導者スタッフに責任がある。反対に「人体要因」とは水分・塩分の不足や睡眠不足、前日の深酒といった各個人の責任が問われる部分である。環境要因は人の力ではどうすることも出来ないが、「作業要因(練習内容)」には工夫を凝らすことが出来る。例えば練習時間を朝早くから開始し午前中のみで終えるとか、日陰を用意して定期的に水分補給を含めた休憩時間を設けるなどといったことである。しかしそれだけ我々が気を遣っていたとしても、最後に自分の命を守るのは自分である。

 

 熱中症を発症させない為には小まめな水分と塩分の補給は必須。みんな汗をかき喉が渇くので勝手に水分は欲するのだが、塩分補給は怠りがちになる。水分ばかりを摂っていては塩分濃度が不足し熱中症発症の原因になる。その知識が選手達に有るのと無いのとでは私自身の安心感も違う。また熱中症対策として水分と塩分を効果的に摂取できる和食の朝食がお勧めだ。ご飯は炭「水」化物。ちゃんと「水」が含まれる。味噌汁には水分に加えて塩分も含まれている。「塩」鮭にはタンパク質に加えて「塩」分。納豆には植物性タンパク質に加え味付けタレにやはり「塩」分が含まれる。

 

 また熱中症を発症させない為の予防対策として「熱順化」の知識も必要になる。要するに暑さに身体を慣れさせその状態をキープし続けること。具体的には60分~100分前後の中強度運動を7日~10日程度必要とされている。さらに順化した身体を維持出来るのは僅か3日で、4日目からは徐々に解けていってしまうそうだ。せっかく暑さに慣れた身体を作ったのに、クーラーの効いた部屋に3日い続けたら4日目に外に出た時、熱中症発症のリスクが高いということになる。この度の雨でグラウンドでの活動は中止になってしまった。次の活動日は水曜日で、土曜日から数えれば中3日ということになるので注意が必要だ。

 

 万が一気分が悪くなってしまったら、我慢しないで早めに休んでしまうことも大切だ。重症化してしまうと回復が遅れるし最悪死に至る。涼しい場所で首や脇の下、鼠径部といった箇所に氷をあてて身体を冷やし、「飲む点滴」と言われるOS-1を飲めば大抵は回復する。それで回復しないようならもうだいぶ重症化している状態だ。即病院に行った方が良い。

 

 だいぶ端折っていはいるが、主にはこういった内容を講義して選手達に基礎知識を植え付けている。今年の夏もまた「危険な暑さ」の中で活動していかなければならないことはもう分かっている。来週から始まる卒業生大会も、あるいは8月下旬から始まる秋季東東京支部大会も、猛暑日での試合となることも十分に予想される。その中で選手達にその知識があることは僅かながらアドバンテージになると思っているし、何よりも自分の命を自分で守ることに繋がると信じている。

ページ最上部へ戻る