2024年6月30日(日)

 

 オープン戦 対足立シニア 6対2 〇 @足立シニアG

 

 久しぶりに試合中に声を荒げた。普段から「罵声の無い野球チーム」を目指しているが、やはり嫌なものは嫌だ。失敗して良いって言ってるのに結果に怯えてプレーする者、全力を怠る者、戦わない者、こういう選手は許せない。誰に何と言われようと譲れない。そこは新チームの選手達にも「小川監督はこういう監督なんだ」ということを分かってもらわないと困る。どうしても伝えたかった。野球はスポーツだから楽しいものだ。楽しくなくてはいけない。でも1番楽しいのは真剣勝負だ。真剣に勝利を目指し、日々研鑽を積み重ねている者のみが味わえる至高の瞬間だ。

 

 近年は勝利至上主義を悪のように言われる。学生野球はどうしても教育の面を背負わされる。それ自体は否定しない。スポーツを通じて多くを学ぶことは大いに賛成である。でも私はずっと言い続けている。「勝利至上主義と人間教育は表裏一体だ」と。「人間的成長なくして野球技術の進歩なし」とは、故野村克也監督の言葉だが、勝利を目指さずして人間的成長もあり得ない。「楽しさ」と「勝利」も同じ。決して対極にあるものではない。楽しいから勝利に近づくし、勝利を目指すから楽しいのだ。勝てばもっと楽しい。結果に怯えてプレーする者、全力を怠る者、戦わない者とはつまり、「勝利を目指さない者」である。こういう選手に成長は促されない。野球の本当の楽しさに触れることもない。

 

 試合に出るということは責任が伴う。そもそも試合は色々な人の協力によって成り立っている。まず初めに相手チームの選手がいなければ試合が成立しないのは当然だが、さらにこの度のオープン戦も私と相手チームの監督さんとの事前調整があり、親御さん達が球場までの送り迎えや審判のお手伝い、そしてアナウンス他のご協力があってこそのものだ。ベンチにいてフィールドに立てない選手がいるのもそうだし、毎週末グラウンドに足を運んで選手達を想ってくれているコーチ陣もいる。そんな沢山の人達の協力や想いに謝意を感じる心があったならば、全力を怠るなんて有り得ない。勝利を目指さないなんて有り得ない。

 

 私の中で全力を怠るとは、「出来ることをやろうとしないこと」だ。1塁までの全力疾走はもちろんのこと、イニング間の攻守交代も全力疾走は必須。なるべく早く自分のポジションに行って、土や芝の状況、風向きなどを確認する時間が多ければ多いほど守備の準備に時間を多く割くことが出来る。反対に攻撃に転じる時はなるべく早くベンチに戻れば監督やコーチからの指示をもらえる時間が長くなる。全力で追えば捕れるかも知れないのに途中で諦めてしまうことや、球際ギリギリの勝負で飛び込んで捕ろうとすればグローブに入るかも知れないのに諦めることもまた、「出来るのにやろうとしないこと」になる。

 

 我が東京和泉シニアの活動で最も優先されるべきは夏の大会の勝利である。その為に皆が協力し合って活動するのである。真剣に勝利を目指すからこそ至高の瞬間に出会うことが出来るし、例え負けたとしても多くを学ぶことが出来る。3年生が1年生の時から真剣に勝利を目指して来たから、先日の保土ヶ谷球場の空間に足を踏み入れることが出来たのである。きっと3年生はあの経験を生涯忘れないと思う。負けた悔しさと日本一のチームに挑戦した経験は、きっとこの先の人生で彼等の糧となるハズである。これから時代がまた移り変わり、勝利を最優先にすること自体を否定されたとしても、私は未来永劫この考えを変えるつもりはない。勝利を目指さない野球なんて面白くないし楽しくない。自分が楽しくないことを選手達にやらせる気にはなれない。「1番楽しいのは真剣勝負」なら、その1番楽しい瞬間を味合わせてあげたいと想うのは当然のこと。それは私がこの活動を続けている意義の1つでもある。

 

 私が監督する野球チームの選手達には、負けてもヘラヘラして平気な顔していられるような人間になって欲しくない。失敗を言い訳して正当化し、取り繕う人間であって欲しくない。例え人に笑われようとも、泥臭くただひたすら一生懸命にプレーすることが本当の格好良さだと思っていて欲しい。勝利に植え、勝利に拘り、執念を燃やし、負けることを徹底的に嫌う選手達であって欲しい。

 

 我々指導者という立場の者は、チーム理念に基づき、勝利以外の活動の意義もしっかりと頭に入れながら指導にあたらなければならないと思っている。だけど選手達は純粋に勝利を目指してプレーすればそれで良い。繰り返しになるが沢山の人達の協力のうえ成り立っている活動なのだから、全力を尽くさないのは私は絶対に許せない。プレイヤーの基本であり最低限の義務である。プレーで恩返しするとは、それすなわち勝利の為に全力を尽くすことである。

 

 まずそのメンタリティーを養っていかなければならないと強く思わされた
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