2024年12月1日(日)

 

 第14回練馬区長杯2回戦 対羽田アンビシャス 0対7 ● @練馬区営G

 

 完敗だった。ほぼ何も出来ず5回コールド負けを喫してしまった。サヤちゃんが先週以上の内容でピッチングを展開していたので、そんな彼女を勝たせてあげられなくて申し訳ないと思う。これで勝利投手になれていたら、「もっともっと成長出来たハズなのに」と思わずにはいられない。

 

 敗因は明白。打ち取った打球をエラーしてゲームを壊してしまったこと。これに尽きる。5イニングで失策7。これではどんないいピッチングをしたとしてもゲームにならない。もちろんショートを守るようになってまだ日の浅いワタセイジ、サードには公式戦初先発としたヤジと、慣れない2人を先発で起用したベンチにも責任がある。ただ先週はショートが上手く守ってくれたお陰で序盤にゲームをつくり、後半に相手が崩れてくれた。そんなゲームプランを思い描いていたことは確かだったが、まだ「勘違い」は勘違いのままだったようだ。「勘違いを真実にすること」が目標なので、今後も練習を重ねるしかない。

 

 「守備でゲームを壊してしまう」という要素がチームから無くならない限り今後もトーナメントを勝ち抜いていくのは難しい。毎週毎週ハンドリングとキャッチボールから始まり、地味な基礎練習、そして投内連携やシートノックといった守備の練習はずっと継続して行っているが、なかなか守備力が安定してこない。この敗戦を受けて何かもっと良い練習方法が無いか、ここ数日色々な人に聞いてYouTubeなども沢山視聴したが、やはり基礎練習を数多くこなすこと、それ以外に方法が見つからない。強いて言えば、その基礎練習一つ一つをどれだけ意識高く持って取り組めるか、その意識レベルをどこまで上げられるか、もうそれしかない。

 

 私は練習が苦痛なものであって欲しくない。どんなに負荷のかかる練習でも、皆が前向きに取り組める内容とそして雰囲気作りを意識している。でも選手の心の中、頭の中まではコントロール出来ない。もちろんポジティブな声掛けなども含めてモチベーションが上がるようなアプローチを心掛けてはいるものの、最終的にどんな心の温度で練習に取り組めるかどうかは選手によるものだ。つまりその練習をより効果的なものに出来るかどうかは、結局選手によるところが大きい。

 

 22期生OBで現東京和泉シニア副会長の息子さんである石原大志(法政二校→法政大学)は、ハンドリング練習から始まる守備の基礎練習を最も意欲的に取り組んでいた選手の一人だ。彼は中学校の部活動で軟式野球をやっていたが、中学1年生の途中から東京和泉シニアに入団してきた。小学校時代に肘を痛めていたことが入団を遅らせた要因の一つで、その年の冬に手術も行った。満足にボールを投げられないどころかバットを振ることにも制限がかかっている時に、捕球を中心とした守備の基礎練習を真面目にコツコツとこなしていた。特にキャッチボール前に必ず行うハンドリング練習に取り組む姿、あれは今でも強烈に目に焼き付いている。もうボールを待っている身体の姿勢からして他選手と違った。一球一球大事にしようとする想いが伝わってきたし、それでいて楽しそうだった。「守備が好き」が身体から溢れていた。

 

 肘の状態が回復していくにつれ、ファーストからセカンド、サード、そして最後はショートとして東京和泉シニアのレギュラーの座を掴んだ。ちょうどコロナ禍という時期でもあり練習も相当制限された中、歴代の東京和泉シニアのショートストップと遜色ないほどに実力をつけてくれた。決して派手さは無いが基本に忠実で、中3の春頃には「見る人が見れば良いショートだと分かってもらえる」、そんな風に思っていた。

 

 2020年夏。高校野球では夏の甲子園大会が中止になり、シニアも夏の大会開催が危ぶまれたが、遅れること2ヶ月、夏季関東大会の代替大会として東東京支部大会が開催された。その一回戦を東練馬シニアグラウンドにて墨田シニアさんを相手に戦った。結果は5対1で勝利。しかし試合内容は散々で、やはり練習不足感は否めなかった。試合後、当時東練馬シニアのコーチをされていた宮本慎也さんがバックネット裏にいらっしゃったので、「チャンス」と思ってお話しをお聞きしに行った。そのお話しの中で、「和泉のショートいいね!」と言って下さった。「えっ、でも試合中打球飛んでなくないですか?」と質問したら、「いやいや、ノック見ていいなと思ったんだよね」と。

 

 これ以上の誉め言葉があるだろうか。日本野球史上歴代最高のショートと言っても過言ではないような人に、大志の良さを分かってもらえたこと、私はこの上ない喜びに浸った。何が言いたいのかと言うと、取り組む姿勢次第で世界は変えられるのだということ。

 

 私は野球を通じて選手達の自主自律が促されたら良いなと思っている。でもまだ中学生だから、夏の大会から逆算して練習内容を考えたり、オープン戦を組んだり、環境を整えて提供してあげるのは大人側で良いと思っている。その与えられた練習メニューの中で、何の為にやるのかとか、もっと他の選手と差をつける為にはどうしたら良いのかとか、より練習を効果的なモノにする為にはどんな肉付けをすれば良いのかとか、そういう部分が自主性と言われるところだと思っている。

 

 今後も練習すれば上手くはなっていく。それなりに一生懸命野球に取り組める環境は東京和泉シニアにもある。でもより加速度的に上達していく為にはその自主性の部分が上乗せされなければ劇的なレベルアップは望めない。それすなわち、「勘違いを真実にして来春・夏に今秋のリベンジを果たす」というチーム目標が達成されないことになる。この度の練馬区長杯で1勝出来たこと、これはチームにとって大きなステップだ。だけどやっぱりまだまだ足りないことも再確認出来たハズ。これから12月は体験練習会やOB戦、納会、卒団式といったイベントが目白押しで、なかなか満足に練習する時間がとれない時が続く。その中でいかに自主性を持って日々取り組めるか?来春・夏に向けたテーマはこれになりそうだ。

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