2024年12月7日(土)

 

 第1回体験練習会 @日大鶴ケ丘高校G

 

 もう何年連続になるだろうか。今年も日大鶴ケ丘高校さんのグラウンドをお借りして小学6年生を対象とした体験練習会を開催した。この度38名もの小学生からお申込みを頂き、残念ながら当日体調不良などの理由により2名の欠席者が出たものの、多くの小学生とそのご父兄の皆様が硬式野球を体験する場を提供することが出来た。ひとえに日大鶴ケ丘高校さんのご協力のお陰である。

 

 杉並区には公共の施設として硬式球を使用出来るグラウンドが一つも無い。我々はいつも土曜日は埼玉県志木市まで、そして日曜日には各方面へマイクロバスを利用しながら練習試合他に出かける。「中学では軟式野球にするか硬式野球にするか」で既に迷われている家庭もあることだろう。そんな人達にとっていきなり都外での練習参加はハードルが高い。野球に関してあまり知識の無い人からすれば、「何故そんなに遠いところまで行かなければならないのか」ということにも理解に苦しむハズだ。そんな中、日大鶴ケ丘高校さんのような立派なグラウンドをお借りして体験練習会を開催出来ることは、多くの方が硬式野球に触れ、そして東京和泉シニアというチームを認知してもらえる絶好の機会になる。もちろん訪れてくれた36名の中から一人でも多くのご縁を頂き、我がチームに入団してくれることを願っているが、それを度外視して「硬式野球って楽しいな」って感じてくれた人がいてくれたなら、もうそれだけで十分嬉しい。高校様がグラウンド提供して下さることは、地域貢献にもなることなのだ。

 

 またこの度の体験練習会の誘致には、我がチームのご父兄の方々からのご協力も沢山頂いた。出身チームの後輩達などへ声をかけて下さったお陰で多くの小学生に集まってもらえたというところもある。生憎私は体験練習会と同日午後に、シニア関東連盟に加盟する約200チームの監督が集う「監督勉強会」出席の為、12時前にはグラウンドをあとにしなければならなかった。最後まで一人でも多くの小学生の笑顔を見ていたかった私としては、後ろ髪引かれる想いだったが、コーチ陣を中心としたその他スタッフと、そしてそんなご父兄の協力もあって良い体験練習会になったと思っている。

 

 色々な要素があって「野球人口減少」が叫ばれている昨今。私は我がチームが普段から良い活動をすることで、まずは所属部員達とそのご家庭の幸福度を高めることが先決だと思っている。自分が幸せじゃないのに他人に硬式野球を勧める、まして自チームに勧誘する気持ちになどなってもらえるハズもない。「硬式野球は練習場所も試合会場も遠いし大変だよ」、「監督は時代錯誤でコーチもあんまり人間性に優れた人いないよ」、「お金かかるよ」とか、そんなことばかりだったら硬式野球は益々敬遠され続けてしまう。野球界の底辺を預かる身でありながら、野球界衰退の一因になり兼ねない。

 

 大変だけど、「でも」の部分。付加価値って言えば良いのかな…。多くのご家庭は息子さんや娘さんが野球を始めるとなった時、プロ野球選手にしようとか、メジャーリーガーにしようとか、そういう風に考えていないと思う。もちろんそういう自分の夢を子供に託そうとする人もいるのだろうけど…。きっと「野球というスポーツを通じて、多くの友達に恵まれたり、団体生活における社会性だったり、礼儀や礼節などといったことが養われたら良いな」と考えている人が多いのではないかと思う。「大変だけど、でも俺、楽しいよ」とか、「大変だけど、でもその分子供が立派に成長して沢山感動をもらえるよ」、「そんな子供達の成長を見ていると嬉しくなるし、やっぱり楽しいよ」、「だから一緒に野球やろうよ」って、言ってもらえるような活動を目指さなければならない。

 

 近年は他スポーツの隆盛が目覚ましい。私が子供の頃はやはり野球が大人気で、1991年にJリーグが発足してサッカー人気が一気に沸騰したものの、その二択くらいだった。だが今は様々な選択肢がある。一極集中していた競技人口が分散しただけで、「野球人口減少」は、なにも野球界だけが悪いわけではないと思う。ただ今後は他競技と子供の取り合いになることは間違いないのだから、他競技には無い魅力を持たなければいけない。それが小学生野球チーム、そして我々中学野球チームを運営する者に求められていることなのではないだろうか。

 

 子供に水泳を習わせる家庭が多いと聞く。実は私の6歳の息子もスイミングスクールに通っている。もちろん、オリンピック選手になって欲しいと思っている訳ではない。健康に育って欲しい、筋力が発達して欲しい、運動神経を養って欲しい、そんな願いを込めている。それこそ「付加価値」。水泳が習い事として根強く人気なのはきっとそういうことなんだろうと思う。

 

 監督勉強会の後は小学生時代の野球チームの忘年会に顔を出した。とはいっても参加者はほとんどお父さんとお母さん、そして当時の指導者である。みんないいお爺ちゃんお婆ちゃんになっていた。幸い同級生も2人参加していて会ったのはもう何年ぶりだろうか。懐かしい話しというよりは近況を聞く程度にとどまった。「今度は我々の同窓会をしよう」という話にもなった。この度の忘年会参加で一つ嬉しいことがあった。参加者の一人から私が毎週綴るこの日記を読んで下さっているというお話しがあった。活動を毎週振り返ってより良い活動につなげていくことを目的として始めたことで、私の一種の趣味のようなものであるものの、毎週毎週休まずに続けるということはそれなりに骨を折る作業でもある。先日は他チームの指導者の方が読んで下さっているということに勇気をもらったが、小学生時代の同級生のお母さんに読んで頂けているというのもまた、これは不思議な感覚であり嬉しいことだった。でもそんなことよりも、どうせまた来週もここに何か残したくなるような感動を子供達からもらえるに決まっている。だから私は来週もグラウンドに行く。

 

 この度、東京和泉シニアの体験練習会に参加して頂いた小学6年生とそのご父兄の皆様、ありがとうございました。そしてまたその場所を提供して下さった日大鶴ヶ丘高校野球部関係者の皆様、本当にありがとうございました。来年もまたお世話になれるように1年間活動して参ります。そしてまた日大鶴ヶ丘高校野球部の力になれるような選手を育てられるよう頑張りますので、今後とも宜しくお願い致します。

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