2023年4月2日(日)

 

 オープン戦 対常総シニア @常総シニアG 1対7●

 

 本来ならば今週は南アルプスさんとオープン戦の予定だったが、先週末の雨により西東京支部のブロック大会が順延となった為、残念ながら中止にせざるを得なかった。代わりにと言っては失礼になってしまうが、こちらも先週の雨により中止となった常総シニアさんとのオープン戦をそのまま今週にスライドして頂いた。夏の大会までの残り少ない期間で、貴重なオープン戦の機会を失わずに済んだのは常総シニアさんの対応のお陰だ。本当にありがたい。

 

 それはそうと、しかし勝てねぇなぁ~(泣)。もちろんオープン戦は勝つことだけを目的に組んでいる訳ではないし、一番大事な夏の大会に勝つ為の過程の一部に過ぎないと言えばそうなのだが、負け癖がついてしまわないか、そして「負け」という結果に対して、あるいは個人的にも結果が出ないことに対して悔しさを持ってくれているかが心配になる。「盗塁とバント以外に走者を進塁させる術を身に付ける」という課題のもと、無理にエンドランやバスターエンドランといった作戦を敢行したことでチャンスを潰してしまった場面もあったので、そこが敗戦の原因になった可能性もある。ただそれをバントや盗塁にしたからと言ってその作戦が100%成功するとは限らないし、本当に力のあるチームならそのそれぞれの作戦が失敗に終わったとしても、長打を打って得点出来たり、得点出来ない代わりに守り勝ったりするものだ。要はそういう力を選手達に備え付けることが出来ていない私が悪いのだ。

 

 そんな中で石川のヒットは嬉しかったな。昨年の一年生大会前に肘の故障が発覚し人数が足りなくなってしまって責任を感じているようだった。「感じなくて良い」と私が言っても本人は辛かったと思う。その怪我がようやく癒えて全力プレーが出来るようになり、最近はバッティング練習でも力強い打球を打っているのをずっと見ていた。途中からになってしまったがレギュラークラスの試合にどこかで起用してあげたいと思っていたし、一つ上の学年の投手から打ったのだから大したものだ。是非自信にしてくれたらなと思う。

 

 そうやって選手達みんなに結果を出させてあげる為にどうしたら良いかは毎日考えているが、その中で意識しているのは「当たり前を疑って物事の本質を見ようとすること」だ。我がチームは前任の監督時代にウォーミングアップに「サイキングアップ」を取り入れるべく、皆で声と動きを合わせてアップを行うようにした。でもウォーミングアップの本来の目的は、怪我の防止や主運動を行う為の身体の準備、その運動に対するベストパフォーマンスを発揮出来る状態をつくることにある。皆の声と動きが合っていたらそれは綺麗に見えるが、果たしてそれが本当に正解か、ウォーミングアップの本来の目的を満たせているか、毎週必ず行うウォーミングアップだからこそ、その当たり前を疑って本質を見ようとしたいということだ。

 

 他にも何故挨拶をするのか、何故道具を綺麗に並べるのか、何故足を揃えてランニングするのかなど、普段当たり前にやっていることを疑うことで物事の本質が見えてくる。大人は子供に元気よく挨拶されれば気持ちが良いし、道具が綺麗に並べれられていたらそれだけで「強いチームだ、教育が行き届いているチームだ」と勘違いする人もいる。でも本来は野球というスポーツを通じて、組織における自らの役割や立ち位置を理解し、目上の人に対する礼儀やチームの規律を守るといった社会性を養っていくということが目的で、それを選手達が理解しないまま「監督やコーチに言われるから」と大きな声で挨拶をしていても、それはカタチを演じているだけで根本の部分では永遠に変わらないことになる。礼儀ばかりを重んじて礼節を欠いている状態だ。つまり表裏のある人間ということになる。

 

 それは野球の技術指導にも同じことが言える。今や私などでは到底把握し切れないほどの技術論や練習方法などを、YouTubeなどで簡単に見聞きすることが出来る時代になった。そしてそれらには大抵「目から鱗、野球界の新常識」と銘打たれている。しかしその練習は「何を目的としていて、どのような人に効果があって」といったような本質を見誤ると、パフォーマンスを低下させてしまうリスクも孕んでいる。人には成長過程というものがあって、特に中学生は身長も伸びるし手足の長さも変わり、「クラムジー」と言われる「成長期に思うように運動やプレーが出来なくなる現象」が起きる子もいる。その新常識さえも明日には非常識に変わる可能性があることも含めて、結果が出ないからといって安易にその一部分だけを切り取ってアドバイスするのは危険ということだ。

 

 また情報が溢れ過ぎていて「現代の選手達はその情報整理が大変だな」とさえ思わされる。私がプレイヤーだった頃は監督・コーチの言うことを聞かざるを得なかったし、その指導を疑う余地も無かったが、現代では「YouTubeではプロ野球選手がこう言っていたのに監督は違うこと言ってる」という感情になっても何ら不思議はない。私が学生だった時とは比べものにならないくらい選手達が迷う要素が多い時代なのだ。そんな現代における子供達の現状やそれこそ本質を理解してあげることで、子供達へのアプローチの仕方も変わってくるハズだ。そこら辺はコーチ陣ともっともっと議論を重ねて良いモノにしていきたい。

 

 坂東グラウンドの桜は綺麗だった。グラウンドをぐるりと一周囲う桜の木々は、満開の時期を過ぎているとはいえまだまだ見応え十分であった。外野の芝は青く茂り新年度の訪れを告げているかのようだった。27期生は今のところ15名の入団が決定し来週に入団式を行う予定だ。数ある野球チームの中から我が東京和泉シニアを選んでくれた選手とそのご家庭が幸せになってもらえるように、一緒に頑張っていきたいと決意を新たにした。

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