2023年5月28日(日)
練習+審判講習会(東京和泉シニア父兄内) @坂東グラウンド
夏の大会を終えて2週間が経った。夏季関東大会は3回戦を終え200チームからベスト32に絞られた。168チームは既に敗退したことになる。1回戦負けは確かに悔しかったが2週間も経つと大半のチームは夏を終えることになる。2週間とはいえ試合をしているのは日曜日だけだから実質2日間だけだ。でもその2日間だけでも生き延びる為に新チームは歩み出さなければいけない。人数が多いチームは1年生の時から学年別行動をしているからもうとっくのとうに2024年夏季関東大会の準備を始めている。26期生がメインのチームとして戦う最初の公式戦は、秋季東東京支部大会で8月20日(日)に初戦を迎える予定だから、それまでもう3ヶ月もない。短い夏を過ごすことになってしまったチームは新チームへの移行が早くなるとよく言われるが、実はそこまで時間があるわるわけでもないのである。
夏の大会を終えてすぐ1年生と2年生には来夏の目標をノートに書いて提出してもらった。その中で最も多かった意見から「夏3勝」という目標に決まった。毎年「全国大会出場」というラインが目標になっていたチームからすると、妥協して設定を下げているようにも感じるが、私は足元をちゃんと見据えた「良い目標だな」と思った。実は今まで「目標設定を下げる」ということには抵抗感があった。「日本一になる為には日本一を目指さないとなれない」とは大阪桐蔭西谷監督の言葉で、全くその通りだと思うし「夏3勝」を目指した時点でもう勝ち続けることを諦めていることになる。その感覚は常に私の中にあるから「まず出来そうなところで」という目標設定の仕方は本当のところやりたくなかった。でもそれで2年続けて失敗しているのに何も変えないのは指揮官として無能過ぎると思うし、より選手達の意見を尊重したい気持ちもあった。今までは選手の意見を募りながらも私がやりたいように促していた面があったように思う。
またこの時期に「夏の大会の目標」という設定をしたのは実は私が監督になってからは初めてである。これまではまず秋の大会の目標を設定し新チームをスタートさせ、秋の結果を経て春・夏の目標設定をするというのが常であった。しかし今年の春を終えた時、その1年の過ごし方だと何となく「その場しのぎ」になっているような気もした。春季東東京支部大会に敗れたのは3月5日。夏季関東大会初戦は5月7日に組まれた(実際は雨のため順延となり5月14日に初戦を迎えている)からその間約2ヶ月。中学生は短期間で突然伸びる選手もいるが、基本的にはたった2ヶ月でそんなに大きくチーム力が変わる訳ではない。そこで夏の大会の準備をすると言っても出来ることは限られてしまう。
であるならば、今この瞬間から来夏へ向けて準備をするべきだと思った。今我々はどこにいて、ゴールをどこに設定し、そこに行き着くにはどのような道を歩んでいけば良いのかということを明確にして年間のスケジュールを組みたいと思ったのだ。そういう意味で「夏3勝」という目標設定は今の選手達には分かり易くて良い。つい先々週に夏季関東大会1回戦負けを喫し、この夏を勝ち上がっていくのは並大抵のことではないということを身に染みて感じていることと思うし、つまり自分達の現在の立ち位置からゴールまでの距離を計り易いのではないかと思うのだ。
その距離を1年で潰していかなければならない。ではその為に秋の大会ではどこまで進めば良いのか、冬はどのように過ごすのか、春にはどのくらいの位置にいなければならないのか、25期生の試合に多くの選手が出場していた26期生達ならそれがある程度見えるハズだ。
練習スタイルも少しずつではあるが変化をさせている。それが吉と出るか凶と出るかは分からない。ただ今までと同じことをやって同じ結果となることだけはしたくない。例え今年より悪い結果になったとしてもチャレンジすることに意味があると信じて取り組みたい。
それに選手達に違ったアプローチをしていくというのは現3年生達にとっても良いことだと思う。今までと違う刺激を受けることで変化出来る選手も増えるかも知れない。これから高校野球にチャレンジしようとしている選手達にとって、どんな環境下に置かれるかも分からないのだから色々な経験をしておくに越したことは無い。夏の大会に敗れたとはいえ25期生は先月中学3年生になったばかり。まだまだ途上であることは間違いない。夏の大会終了時から高校入学までの約9カ月のこの期間に劇的に伸びる選手を何人も見てきた。この期間をどう過ごすかで、高校野球生活がどんなものになるかが決まると言っても過言ではない。どうすれば自分が楽しく充実した高校生活が送れるようになるのか、それを逆算して考えて今を過ごして欲しいと思う。