2023年7月9日(日)
練習 @坂東グラウンド
暑かったなぁ~。日差しがそこまで強い訳じゃなかったのが唯一の救いだったけど、湿度が高くてとにかく蒸し暑かった。土曜日にワカが弱冠具合悪くなってしまったが、休憩のち練習に戻れるくらい回復したし、2日間で熱中症らしい熱中症を一人も出さなかったのは、雨の日の熱中症講義が多少は活きているのだと思う。っていうかそう思いたい(笑)。
今週はオープン戦を入れず2日間練習とした。先週の上尾戦で課題として浮かび上がった守備面を中心に練習メニューを消化した。私自身も2日間で800~900球くらいノックを打った。それが日常である高校野球の指導者には笑われてしまうかも知れないが、それでもあの暑さの中で打つのは並大抵のことではない。一緒になって打ってくれたコーチ陣にも感謝である。
監督はチーム運営の方に力を注ぐべきで、あまりそうやってグラウンドでは動かない方が良いという人もいる。一歩引いて全体を見るべきだと。でも私はそういうタイプではない。選手と共に熱くなってノックを打ちながら勝負したい。私の恩師が皆そういう人だったし、今年3月で勇退された日大三校の小倉監督も、「ノックを思うように打てなくなって辞める時が来たのかなと思った」とコメントを残している。コーチ陣のチーム内での存在意義価値を感じて欲しいと思うことからノックを譲ることもあるが、「ホームベース上に監督がノックバットを持って立つ」ということも大事だと思っている。
私が今までの野球人生で見た中で、「一番ノックの上手い人」は高校時代の恩師である岩渕監督だ。きっと今私がノックを打とうとした時、その立ち姿やバットスイングの軌道、打球速度や打つテンポ、そして選手を鼓舞する声掛けも全てイメージするのは岩渕監督の姿だと思う。って言うか「私の脳にこびりついている」と言った方が近い表現になるのかも知れない。私が高校時代の時は主に外野でノックを受けた。アメリカンノックは体力的にキツかったが、捕れるか捕れないかギリギリのところに打たれたボールを捕ることが楽しかった。足が自慢だった私は「誰も捕れないような打球を捕って監督さんを驚かせてやる」と思い、心の中では岩渕監督と勝負していた。
私に岩渕監督のようなノックは打てない。もともと持っているセンスもあると思うけど、単純に毎日打つことになる高校野球と、週末しか打たないシニアの野球ではその数に圧倒的な差が出る。岩渕監督は26歳から専大付属の助監督になったと仰っていたから、定年退職された今年3月まででおよそ34年ノックバットを振り続けたわけだ。私がその数に追い付こうとしたら150歳くらいまで生きてシニアの監督をやり続けなければならないだろう。その数の差とはつまり一打に込める想いの差だ。それを埋めるのは限りなく不可能に近い。一生かけても追い付けないと思わされる。
この週末もなかなか思うようにノックが打てなかった。ミスショットもあるし思い描いた通りの打球が打てないことも多い。「相変わらず下手でいつまで経っても上手くならないな」と思う。でもただ一つだけ神に誓って言えることがある。それは2日間で打った800~900球、「一球たりとも手を抜いていない」ということだ。一打一打に「うまくなってくれ」と願いを込めて打っている。技術もない、数も打てない、ならせめて心を込めて打つ。真剣に打たなきゃ子供達も真剣に捕ってはくれない。
たった2日間だけだけど、それでもどんどん上手くなる中学生って本当に凄いなと思わされる。そりゃあすぐに結果なんか出るハズもないから、まだまだ試合ではエラーしてしまうレベルだ。そんなことは分かっている。だけどゆっくりだが着実に上手くなっているのは確かだ。だから来週末も暑さに負けずにノックを打とうと思う。その為に毎日ストレッチをして、ワールドウィングにも通って、出来る限り体調を整えて、選手達と真剣勝負する準備をしたいと思う。
来週は今週よりもいいノックが打てますように。そして何より子供達がもっともっと上手くなりますように。ちょっと遅れた七夕の願いごと。