2023年7月17日(月)
オープン戦 対熊谷シニア @江南総合公園野球場
酷暑の中での3連休。土曜日は秋ヶ瀬、日曜日は坂東で練習。そして「海の日」だった月曜日祝日は熊谷シニアさんとオープン戦をさせて頂いた。土曜日の午前中にサイトウが少し気分が悪くなってしまったようだったが、早めに休憩させたら午後には普通に練習に戻れるくらい回復した。日月は全国で「危険な暑さ」という報道がなされ各地で40℃近い気温を観測したが、熱中症を1人も出さずに活動出来たことは評価に値するものと思っている。この3連休に向けて高岡姉さんをはじめとし、各家庭のご父兄にも「暑さ対策」ということで多大なご協力を頂いた。皆さんのお陰で子供達が体調を崩すことなく野球をやれたこと、心から感謝感謝である。我々大人がやるべきこと、それは「子供達が大好きな野球を思い切ってやれる環境を提供してあげること」、それに尽きる。
熊谷シニアさんとのオープン戦は久しぶりだった。前回が確か2018年の夏だったからおよそ5年ぶりだ。私が東京和泉シニアの監督になりたての頃、練習試合の相手もままならず苦労していた時に、猪爪監督さんに助けて頂いた。毎年11月に行われる練馬区長杯で、同会場で試合をしていた熊谷シニアさんに「飛び込み営業」のつもりでご挨拶させて頂いた。名刺交換させて頂いた猪爪監督さんに「歳いくつ?」と聞かれ、「36(2016年当時)です」と答えたら、「私は39。30代の監督はなかなかいないから共に頑張ろう」と言って頂き、涙が出るほど嬉しかった。
年が明けて2017年2月に初めてオープン戦をさせて頂くようになってからは、その後定期的に交流させて頂いている。試合をする度に猪爪監督さんからは色々なお話しをお聞きし情報交換などさせて頂いている。この度も中学生の現状や、高校野球界のことについてもお話をお聞きし「ホントにその通りだな」と思わされることばかりだった。猪爪監督さんは元西武ライオンズのプロ野球選手だった方で、私の大学時代の先輩が現在西武ライオンズのチーフスコアラーを務めている関係もあって共通の知人がいたりもする。また年齢が近いこともあり同じ時代を生きているから野球に対する考え方とかも似ていて、何となくフィーリングが合うような気がしている(これは勝手に自分が思っているだけ笑)。
そんな熊谷シニアさんと良いゲームを、そして良い経験をさせてもらった。前回の上尾シニアさんとの試合内容が悪かったので、今週は良い試合がしたいなって思ってた。振り返ってみると第1試合が1番暑かったような気がしたけれど、選手達はしっかりとしたモチベーションで戦ってくれた。ショーヤンのサヨナラ打は嬉しかったな。私のコミュニケーション不足などもあって最近テンションが下がっていたから、何とか結果を出させてあげたいって思っていたので良い結果が出て良かった。突然あまり練習していないセカンドに入れたけど、難しいバウンドになったセカンドゴロを捌いた時には気迫を感じた。「エラーしたくない」じゃなくて、「絶対にアウトにする」という心が現れているように見えた。そうやって乗り越えて男は強くなっていく。
1つのことをずっと長く続けていくって苦しいことばっかりだ。楽しいとか嬉しいとか面白いとか、そんなポジティブな感情になれることって本当に少ない。ただ嫌なことだけでもない。その苦しさから逃げずに向き合って、立ち向かって努力し続けていると、何にも代えられない最高の瞬間に出逢える時がある。私も心折れそうになる時は何度もあるが、それでも7歳から続けている野球を未だにやめられないのは、そういう最高の瞬間に巡り合えることを知っているからである。
この3日間、リトルの活動を終えた選手が2人体験に来てくれた。2人とも能力が高くて驚いた。ビッククラブにいっても十分にやれる能力があると思う。だけどそこを何とか我がチームの力になってもらえないかと、本人にも親御さんにも話したつもりだ。伝わっているといいな…。先の猪爪監督さんとのお話しでも「二極化」について話題になりこんなお話をされていた。
「中学生の野球のレベルもどんどん上がっていて大谷翔平のような選手が現れても不思議じゃないと思える。だけどそういったオール5みたいな選手は増えたけど4とか3.5みたいな選手が極端に減ったよね。1とか2みたいな選手が増えた。そういう子はでんぐり返しも出来ないくらいで、能力の高い選手と低い選手の格差が大きくなった。一緒にキャッチボールさせるのも怖いくらい。そして能力の高い選手は中学でいえばビッククラブに、高校でいえば強豪校ばかりに集まってしまうから番狂わせみたいなものも減ったし、これまでいい勝負していた中堅校が強豪校に全く歯が立たなくなった。最近の埼玉県大会のベスト4に名を連ねるのはいつも決まった高校ばかりになってしまってつまらない」
本当にその通りだと思った。私と同じようにこの「二極化問題」の深刻な現状を感じ取っている人がいるのだと思えて嬉しかった。私の野望としてこの二極化問題を少しでも解消する為、野球界に強烈な一撃を食らわせたい。ウチのような全国的には無名なチームが勝つこと、あるいはプロ野球選手やメジャーリーガーを輩出することで、「ビッククラブじゃなくても、強豪チームじゃなくても野球は上手くなれるんだ」っていうことを世間に知らしめたい。それがどこまで「二極化問題」に影響を与えられるかは分からないが、ここ10年でそういった勢力図になってしまった現状を少しでも打破し、学生野球がより盛り上がるように貢献出来ればと思っている。
でもその為には選手の力が必要だ。能力の高い選手がみんなビッククラブに行き続けていたら格差は広がるばかりだ。逆にその「ビッククラブを倒す」という高い志を持った選手が集まらなければ、いくら私が叫んだところでどうにもならない。私がプレーするわけではないからだ。「東京和泉シニアの歴史を変える…」そんなパッションを持って入団して来てくれないかな…。
待っています。