2023年8月4日(金)~8月6日(日)

 

 夏合宿 @高松球場 三笠山旅館

 

 約7年ぶりになるだろうか。茨城県鹿嶋市にて久しぶりに夏合宿を実施した。私がコーチ時代には毎年夏合宿は行っていたわけだが、監督になってからは実施して来なかった。それは何も引き継がずに監督に就任してしまったこともあって、単純に合宿の日程を組んだり段取りをしたりする余裕が私に無かったのが何よりの理由だ。ようやく監督業にも慣れてきて、「年間スケジュールの流れも確立出来たなぁ」と思った頃に今度はコロナ禍になってしまった。宿泊を伴う遠征試合などは何度も実施してきたが、単純にチームの強化練習を目的とした「合宿」はこの度が監督として初めてとなる。

 

 この度その夏合宿決行に踏み切った理由は、コロナが5類に移行されたことと、そしてここ2年、大会で良い結果を得られていないことから私自身「何かを変えなければいけない」と強く思っていたことが大きい。選手達がチームメイトと寝食を共にすることは、良い想い出にもなるし楽しいことも沢山あったことと思うが、だけど合宿を実施した最大の目的は秋の大会で勝利することである。

 

 今回、その「秋の大会前の準備」ということで3日間の練習スケジュールを組んではいたが、あれだけの酷暑の中ではなかなかメニューを消化することが出来なかった。8月6日から始まった甲子園でも、1試合に3名の高校生が熱中症になるなどここ最近の夏は異常なほど暑い。3日間で普段以上の負荷をかける「大会前最後の追い込み」もイメージしていたが、選手達を命の危険にさらすわけにはいかなかった。もし本当の強化合宿を実施するなら、冬休みや春休みで考えるしか無いのかも知れない。この度は大会も近いことからどちらかというと「調整合宿」という位置づけになった。

 

 それからこの合宿ではなるべく選手達に親の手を借りない生活にチャレンジして欲しかった。洗濯、道具手入れ、自主練習、食事時の配膳、就寝、起床など、中学生ならこのくらいのことはみんな自分で出来ることのハズだが、いつの間にか親に甘えてしまっていることが多い。夜間練習も実施する予定だったが、食事の時間や就寝時間を考えると各自に任せる方が良いと判断した。最終日の朝には4名が寝坊で体操に遅刻した。普段、自ら起きるという習慣がないからだと思う。もしそのことを「恥ずかしい」と思ってくれたなら、普段の生活から変えないといけない。変えることが出来たならそれは「良い経験をした」ということになる。「失敗」と書いて「せいちょう」と読むとは故野村克也さんの言葉だが、成長に変えられるかどうかは今後の自分次第だ。

 

 合宿初日、鹿島学園さんにご挨拶に伺った。ヤマが先日体験練習でお世話になったのでその御礼に行くためだ。鹿島学園の鈴木監督さんとは初対面であって初対面じゃない。鈴木監督さんはもともと日大藤沢高校や日本大学で監督されていた方で、野球界では知る人ぞ知る超有名人。私が専修大学野球部に所属していた頃は日本大学の監督さんで、当時は館山昌平選手(元ヤクルトスワローズ)や村田修一選手(元横浜ベイスターズ→読売ジャイアンツ)などを率いていた。神宮球場のベンチで采配をされていた鈴木監督さんの姿は大学時代に何度も見ている。「初対面であって初対面じゃない」という所以はそこだ。鈴木監督さんは鹿島学園さんに就任してからも5年で甲子園に導き、今夏もシード校として茨城県大会を戦っている。

 

 そんな名将であられる鈴木監督さんにご挨拶とあって、かなり緊張して本部席のドアをノックした。名刺交換をさせて頂いた後、約1時間強お話しを伺った。私が専修大学野球部出身ということをお話ししたら、その後は気さくに色々な話しをして下さった。丁度私が大学4年生の時、専修大学は春のリーグ戦で東都2部優勝を果たし1部昇格を懸けて日本大学と対戦をした。先勝して1部昇格に大手をかけた専修大学だったが、日本大学の那須野投手(元横浜ベイスターズ)の炎の3連投もあり、その後2連敗で1勝2敗となって2部残留となってしまった。苦い思い出だ。その時の日本大学とそして鈴木監督さんの秘策、ウラ話しを聞かせて下さった。「これだけ緻密に対策を立てられていたら負けて当然だな」と思わされた。それと同時に「この人にもっと野球を教わりたいな」と思った。

 

 また私の高校時代の恩師である岩渕監督さんは、東都大学野球リーグで審判をされていたから、その名前を出したらまた喜んで下さった。

「岩渕くんは審判上手かったな~。私は大好きだったんだ。先日神宮球場に専大と日大の試合を観に行ったら岩渕くんも来ててわざわざ私の席のところまで挨拶に来てくれたよ。そうか君は岩渕くんの教え子か!それじゃあ野球のルールも含めていっぱい教わったろ!」

そんな風に話して頂いて、私の人となりを分かってもらえたような気がして嬉しかった。こんな繋がりというか、出逢いを頂けるのも苦労して大学野球を4年間やり切ったお陰だ。全国どこに行っても話しが通じる。私に大学野球をやらせてくれた両親に、そして大学野球の世界へ導いて下さった岩渕監督さんに改めて感謝である。

 

 2日目の午後にチャプチェが軽い熱中症になってしまったが、その他は怪我無くコロナ感染も無く風邪を引いた選手も無く、また猛暑日続きではあったものの雨に降られて活動出来ないということも無かったので、充実した3日間を過ごせたと思う。この合宿を実施するにあたり高岡姉さんをはじめとして、お父さんお母さん方にも多大なご協力を頂いた。また合宿中の差し入れも沢山頂き、本当に感謝致しております。みんなで秋の大会に勝利し良い思いが出来るようにあと2週間、全力で活動して参ります。これからも選手サポートとそしてチームサポート、宜しくお願い致します。みなさん暑い中お疲れ様でした。

ページツリー

ページ最上部へ戻る