2023年9月23日(土)
オープン戦 対練馬中央シニア @ヨシダスタジアム
練馬中央シニアさんの3年生からオープン戦の申し込みを頂いた。我がチームは3年生だけでは人数が足りないので2年生も混ぜて試合をさせて頂くことにした。3年生は現在サードフレンドリー杯で主に活動しているが、高校野球に向けてより多くの実践経験を積むべきだし、2年生にとっても1学年上のチーム相手に戦うことはとてもプラスになる。1年生は秋ヶ瀬で練習としたが、1年生大会も近づいているので1年生だけで活動するのも良い機会になると思った。
前日の大雨の影響でグラウンド整備に時間を要したため第1試合の開始時間が少し遅れた。加えて第2試合終盤にゲリラ豪雨に見舞われ雨天コールドゲームとなってしまって最後まで試合を消化出来なかった。結局1試合半くらいしかゲームを行えなかったが、それでもやはりゲームの経験は選手たちに色々なモノをもたらしてくれる。
先日の足立中央シニアさんとのオープン戦同様、2試合ともノーサインでゲームを行った。選手達に「今何をするべきなのか?」を考えながらプレーして欲しいからだ。選手によっては「ちゃんと考えてプレーしているな」と思える選手もいるし、反対に「何も考えられていないな」と思ってしまう選手もいる。
その都度その都度、私から気づいたことは選手達に伝えている。例えば0対0で迎えた2回、「無死1塁で打つという選択をするなら、最悪1死2塁にしたいと思った時に、2ボール1ストライクと打者有利なボールカウントで右打者がアウトコースのストレートを見逃すのは狙いが見えない」とか、最終回長打が2本続いて5対3とし、なお無死2塁のチャンスで迎えた打席、「あと1点とればほぼ勝負が決まる。1死3塁をつくれば得点の可能性が高いと考えれば送りバントが最善の策。投手とすれば2本続けて長打を浴びると浮足立つから初球にセーフティバントも面白い。走者が進まずアウトは避けたい。次打者がショートゴロを打ったが、3塁に進んでいればこれで1点入っているんだよ」とか、ベンチに帰ってきた選手達にブツブツブツブツ言っていた。
これをこの秋から冬の間は続けていこうと思う。選手達が野球を学ぶ良い機会になれば良い。私のこういった考えを伝え続けて、最後の夏の大会を迎えた時に選手達が打席に入る前、「あのオッサンならきっとこう攻めるだろうな」と予測してサインを見たら、「ほうらね」となるのが理想だ。
ちょっとの間3年生たちのプレーを見ていなかったが、久しぶりに見たら何か上手くなってた(笑)。3年生のご父兄の皆様はもちろんだが、サードフレンドリー杯で合同チームとして一緒に活動して下さっている荒川シニアさんの選手・スタッフ・ご父兄の方々にも心から感謝感謝である。3年生のこの時期は伸びるんだよな~。身体が成長して力が付いてくる。フィジカルが上がって今まで出来なかったことが出来るようになってくる。運動神経も未発達だったところが補われてきて自分が動かしたいように身体を動かせるようになってくる。毎年それをもう2~3か月早く出来ないものか?と歯痒く思わされるので、色々試してみてはいるのだが、子供の成長は人それぞれなところもあってなかなか難しい。
そうやって「身体が成長してきて力が付いてきた時にしっかりプレー出来るように」と、毎週毎週地味な基礎練習を繰り返している。東京和泉シニアの活動内での大会で結果を出させてあげられれば言うことは無いのだが、それ以上にやはり高校野球以降で輝いてくれた方が良い。中学野球より高校野球、高校野球より大学野球、大学野球より社会人野球、社会人野球よりプロ野球と、より上のカテゴリーで良い結果を出せた方が良いに決まっている。もちろんその上のカテゴリーに上がれるだけの結果はその都度出していかなければいけない前提での話しだが…。
3年生が打球も飛ぶようになって、肩も強くなって、走る姿にも力強さが出て来ているのを見るのは嬉しい。でも同時に歯痒さというか、自分のやっていることの儚さというか、「あくまで通過点でしかない」という真実に打ちのめされる時がある。もちろん「将来ある身だから」と怪我を恐れて過保護になり過ぎてはいけないとも思っている。私は純粋に東京和泉シニアの勝利を目指しているし、それが何より選手達の成長に繋がると信じている。先でも述べたように各カテゴリーである程度結果を出さなければ次のステージそのものの道が閉ざされてしまうわけだから、多少無理してでも勝負しなければならない時の連続になる。勝負の世界で生き残っていくということはそういうことだ。だけど…、だけどやはり通過点であるということが真実なのだ。3年生には夏の大会1回戦負けで良い思いをさせてあげられなかった。でも彼等が今どんどん成長していて、もし今後高校野球の世界で活躍出来たならその夏の敗戦までも正当化されてしまう。それが逆に時々きつくなる。嬉しいのに辛くなる。
私はこれまで約20年、シニアの野球に携わってきた中で沢山の指導者の方とお話しさせて頂いた。色々なアドバイスを頂いてきた中で、「高校で活躍してくれることが一番」とみんな口を揃えて言う。特に長くやられている方ほど「別に中学野球で勝たなくてもいい」とも言う。決してその考え方を否定するわけではないが、私はそうなりたくない。「勝たなくていい」なんて有り得ない。でも3年生の成長により夏の敗戦までも正当化されてしまいそうになる現実を見続けていると、自分が段々「勝たなくてもいい心理」になっていってしまうのではないかと怖くなる。より上のカテゴリーで活躍してくれること、あるいは選手達が大人になった時に社会に貢献出来る人材へと成長してくれていることが私のこの活動の意義だけど、今この瞬間の勝負にはとことん拘る人間でい続けたい。
きっとこの葛藤はやっている限り続くんだろうなぁ~…。いやっ、勝てばいいんだ(笑)。そうすれば葛藤がなくなる?(笑)。