2023年11月19日(日)
練馬区長杯1回戦 対和光シニア 7対8 ● @練馬区営Ⅲ面G
ま~た負けた…(泣)家に帰ったらカミさんにも「こんだけ家庭犠牲にしておいて、負けてばっかじゃん」なんて嫌味言われる始末…(泣)とほほ…(泣)
負けたら何を言っても言い訳になってしまうからあんまり言いたくもないのだけれど、「負けはしたもののチームとしての進化が見られた」というのがこの試合の私の印象だ。私が監督になって初めて、つまり東京和泉シニアの歴史上初めて、公式戦でノーサインゲームを敢行した。残念ながら2年生が2人怪我をして1年生を起用せざるを得なかったので、その2人に対してはサインを出したが、7人の2年生は自分達の意志でゲームを戦った。無死1塁や無死1・2塁という場面ではキッチリ送りバントを選択し成功。かと思いきやバントの構えをするとバントシフトを敷いてくる相手チームに対し、次はバスターで攻めたりと、中学生でここまで出来るモノなのだと感心した。キクリンはタッチアウトになってしまったが積極的に3盗を試みていたし、シンゴの2盗も光っていた。試合終盤に迎えた1・3塁の場面では先日の練馬北さんとのオープン戦での反省を生かし、タイムをとってマウンドに集まり守り方を確認していた。怪我で欠場となったハルキも3塁コーチャーズボックスからピッチャーに対してプレッシャーをかける声掛けをしていたし、皆が勝利に向かう意志を持って戦っていることがとても嬉しかった。これこそ私が20代の時から目指していたチームのあるべき姿だと思うからだ。
今年の新チームを迎えた時、工藤コーチとも相談して「我々から指示を出して選手達を動かすのではなく、なるべく選手達に任せよう」と話してスタートさせた。それは何も試合に限らず練習時の準備や片付けも含めて、また「何を課題にしてこの練習をするのか?」といったことも、選手達だけでなるべく会話させるように促してきた。まだまだ我々指導者スタッフも不慣れなところもあって答えを先に言ってしまうこともあるのだが、こちら側が「教える」というよりは、選手達に「聞いて」選手達から発言してもらうようにシフトチェンジしている。秋の大会の時点ではそれが多少裏目に出た。ケツを叩いて来なかった分、特に敗退が決まった東板橋戦はどこか情熱に欠けた試合になってしまった。でもそのただ1度の大会敗戦だけでブレることはなく、その後もそのスタイルを続け、いやむしろそのスタイルをより強調してチーム強化を図ってきたつもりだ。オープン戦からずっとノーサインゲームを続けてきたのもその為だ。練習でノーサインゲームしているのに、公式戦になって突然サインを出すのでは趣旨がズレてしまう。この度のゲームではその成果がハッキリと出ていた。約半年くらいかかっているが、徐々に現在の東京和泉シニアが目指す野球というものが輪郭を帯びてきたと感じている。
選手達も負けはしたものの、そうやって「勝つ為にはどうしたら良いか?」を考えて戦うことに面白さを感じているのではないだろうか?秋の大会のベンチに比べれば、熱量がアップしていたと思う。人にやらされるよりも自らの意志でやる方がメンタル面が充実して当然だ。
試合後、坂東グラウンドへ移動して練習をした。打撃練習をするにあたって2年生が「試合で遅い球に泳がされて打てなかったから、遅いボールを練習したい」と言ってストレートマシンのスピード設定を変えていた。カーブマシンも右カーブから左カーブに変えてその軌道を打ち返す練習をしていた。このことについても素晴らしいなと思ったし、考える能力、そしてそれを実行する能力が身に付いて来ていると感じた。それからもう一つ。敗戦に対してそれほど悲観的になっていない選手達に頼もしさを覚えた。午後にはもう次に向かっている。あっさりし過ぎているとかじゃなくて、「失敗は人間なんだから仕方がない、大切なのはその後どうするかということ」ということの意味が、分かってきているような姿に見えた。
もともと目標を来夏に設定している。だからと言ってこの練馬区長杯で「負けていい」なんてことは1ミリも思ってはいけないが、私は皆が順調に成長していると感じている。現2年生は決して他チームに能力的に劣っている訳ではないが、突出した武器を持ち合わせているチームでもない。唯一可能性があるとすれば、みな考える能力があるということ。いつかの雨の日のミーテイングで、それを武器にしていってみてはどうか?という提案をした。まだまだ道半ば。でも確かな手応えを感じたゲームだった。これからどんどん私の想像を超えていって欲しい。中学生の可能性を広げて欲しい。このチームが完成した時、無類の強さを発揮する、そんな予感がしてきた。楽しみだ。