2024年2月4日(日)

 

 第3回体験練習会 @坂東グラウンド

 

 今朝方、東京は雨が降っていたので天候とそしてグラウンド状態などが気になったが、坂東市はほぼ雨も降っておらず、あれだけ寒かったのに霜もまったくおりておらず、最高のグラウンドコンディションで体験生達を迎えることが出来た。

 

 坂東グラウンドで活動中に入団届を提出してくれた選手もいたし、帰宅後に電話で入団の意思を報告してくれた選手もいた。素敵なご縁を頂けてとても嬉しい。野球生活はなかなか順風満帆とはいかない。怪我することもあるだろうし、思春期という中学生特有の成長期が故に隣の芝が青く見えることもあるだろう。私も中学野球に携わって19年になるが、「人」を相手にする活動だから答えなどある筈も無く、悩み葛藤する毎日を送っている。だけどこれだけは神に誓って言える。数ある野球チームの中から我がチームを選んでくれた選手とそのご家庭が、充実した中学野球生活を送れるように、全身全霊をかけて協力・サポートしていく所存だ。それは現在我がチームに所属する現役中学生達に対してはもちろんのこと、我がチームに関わってくれた全ての人に同じ想いだ。

 

 この度の体験会で入団の決断までは至らなかった選手やご家庭とも、ぜひ一緒に野球が出来たらと切に願っている。来週も体験会を予定しているから、既にお申込み頂いている選手やご家庭と共に、また足を運んでもらえたら幸いだ。

 

 春の大会が近づいている。秋の大会に敗れてちょうど5ヶ月が経った。今年は例年以上に最終目標を「夏」に設定しているとはいえ、年に3回しかない大きな大会の一つだ。初戦の対戦相手も決まり、2019年以来遠ざかっている春季関東大会出場へ向けいよいよ気持ちも高ぶってきた。シブチンが分離症から復帰してきて新3年生9名がようやく全員揃いそうである。秋の大会後にオープン戦を多く組んでチーム強化を図ってきたが、「誰かが怪我して治ったら今度は別のヤツが怪我する。そいつが治ったと思ったら今度はこいつが怪我する」みたいな負のスパイラルから抜け出せずにいたが、やはり今年に入って私の厄が抜けたのが大きい(笑)。これから夏の大会までの約3ヶ月間は新3年生にとって大事な時期。1日も無駄に出来ないと思って怪我や体調管理には十二分に注意してほしい。

 

 でも中学生の怪我対策は難しいな…。ウチは練習初めと午後の練習開始時、そして練習終わりと3度のストレッチを1日の活動の中に組み込んでいる。成長期の中学生は身長もどんどん伸びていて骨の成長速度に筋肉がついていけず、身体の柔軟性が失われる傾向にある。伸びる骨に引っ張られて筋肉が硬直してしまうのだ。股関節を上手く動かせなければ捻挫なども重症化しやすく、また前脛骨筋やハムストリングスの緊張は腰椎分離症や狭窄症といった腰の怪我も引き起こしやすい。少しでも怪我のリスクを避けようと、ストレッチ及び朝のトレーニングを兼ねたウオーミングアップの中では、怪我予防のメニューも組み込んでいる。またストレッチは「1度に長い時間かけてやるよりも、短い時間で何度も行うのが効果的」と、トレーナーの仕事をしている知人から教わり実践している。プロスポーツ選手の中には5分程度のストレッチを1日に10回以上やる人もいるそうだ。「怪我は痛くなってから治そうとするのではなくて、痛くなる前に予防するもの」と、「それが良い選手の条件だ」と、選手達に口酸っぱく話しているが、選手達が理解して毎日自分の身体をケアする意識を持てるようになってもらいたいものだ。

 

 だけど私も現役時代はなかなか「身体を柔らかくする」ということにはフォーカス出来なかった。「鍛える」ということには意識が向くけど、「ケアする、柔らかくする」ということにはほぼ無関心だった。結果怪我も多かった。大学時代のトレーナーの方が「柔らかさは強さだ」と教えて下さったのに、その言葉を真摯に受け止めようとしなかった。今思うと「勿体ないことをしたな」と思う。怪我をすると大事な試合に出ることが出来なくなるのはもちろんのこと、練習も出来ないからその間にどんどん周りに置いていかれる。復帰したと思っても、「今までの分を取り戻そう」と無理をしちゃうからまた怪我をするケースもある。もちろん鍛えることで予防される怪我もあるし、ましてチームスポーツの野球において怪我を恐れてプレーなど出来るハズも無い。将来ある中学生を預かる以上、今後の野球人生、あるいは大人になった時に後遺症となって残ってしまうような怪我をさせちゃいけないのは百も承知だが、「チームの為に」と自己犠牲心を持って戦うことの尊さというか、それによって学べることも沢山ある。それこそ大人になった時に必要な社会性の部分でもある。だからそこのライン引きをどうするのか?大会スケジュールや選手個々の身体の成長速度なども見極めながら判断しないといけない。練習しなきゃ上手くならないし、させ過ぎたら怪我もしちゃうし、そこはとても難しい。

 

 ちょっと表現が難しいが、現代はなかなか指導者が選手のケツを叩けなくなった。指導者が高圧的な態度で選手に接すれば「パワハラ」と言われて指導者側が裁かれる。でも人間はそんなに強くないから、自らに厳しさを課すのはとても難しい。私がプレイヤーだった頃はそれこそすぐにケツを叩かれたので、やりたくなくてもやらなければいけなかった。怪我を押してプレーするということも普通にあった。でもそれによって鍛えられた部分も確かにあったと思う。でも今の子供達はなかなかそういう環境に置かれない。誰が見ても将来有望と思える豊かな才能が潰されにくい良い時代になったと思う反面、眠っている才能が他人は愚か本人さえも気付かずに引き起されないまま消えていく可能性もある。意識レベルを高く持てる選手は無限に伸びていける環境が用意されているが、持てない選手は自分を変えづらい。もちろん「ケツを叩く」とは違ったアプローチの仕方で選手のやる気を引き出すのが現代の指導者に求められていることなのは分かっているけど、つまり私がプレイヤーだった頃より「選手個々に求められる資質という部分でのレベルが上がっている」ということなのだと思う。

 

 そんなことも考えながら、色々悩みながら、でもそういうことをメチャメチャ楽しんで中学野球に携わらせて頂いています。この度、東京和泉シニアへのご入団をご決断頂いた皆様、本当にありがとうございます。一緒に頑張りましょう。

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