2024年12月22日(日)

 

 卒団式 @宝堀 G

 

 26期生が卒団式を迎えた。例年は社会人チームのグラウンドをお借りして執り行っていたが、今年は各企業がグラウンド工事他で軒並み使用不可ということでお借りすることが出来なかった。「卒団生に素敵なグラウンドで晴れの日を迎えさせてあげる」というのは毎年意識していたことだが、それが叶わず申し訳なく思う。おまけに恐ろしい強風に吹かれ頻繁に土煙が舞い、凍えるような寒さとストレスを感じずにはいられない1日になってしまった。「これもまたこれで想い出に残る」とポジティブに話してくれる人もいたが、出来れば晴れの日に相応しい天候のもと、26期生を送り出したかったというのが本音だ。

 

 26期生は9人で入団し、9人で卒団を迎えた。僅か9人の選手達だったが、私が監督になって迎えてきた新入生の中で「最も野球能力の高い選手達が集まった」という印象を持った。「チームとしてこの選手達が3年生になる時に勝負」という想いが私の中に芽生えたことは確かだ。野球の能力的に優れているということもそうだが、26期生に対しては選手一人一人が自立している印象を持っていた。新チームがスタートする時、工藤コーチと相談して「なるべく彼等に任せよう」という話をした。グラウンドでは「限られた時間の中でなるべく充実した時間を過ごさせてあげたい」という想いから、どうしてもその都度都度指示を出してしまいがちになる自分達への反省の意味も込めて、選手達がより主体的に活動出来る環境をつくりたかった。26期生ならそれを実現出来ると期待していた。すなわちそれは、私の中でチームを次のフェーズへと押し上げてくれるということでもあった。

 

 秋季大会はまだチームが出来ていなくて早々に敗退となってしまい、またその後も怪我の影響で9人が揃わない時期が長くなりなかなか結果を残せなかったが、1月のオーシャン杯頃からチーム力が発揮されるようになった。圧巻だったのは春季東東京支部大会。初戦の江戸川東・南シニア戦でタイブレークに突入した苦しいゲームをモノにすると、2回戦では練馬シニア、3回戦で東京青山シニアを共に接戦で撃破しストレートで関東大会出場を決めた。準決勝で江戸川中央シニアさんに敗れたものの、3位決定戦では練馬北シニアさんを堅守で破りチーム史上初となる単独3位、シードチームとして関東大会へ出場することとなった。残念ながら関東大会では初戦敗退、そして夏の関東大会でも3回戦で中本牧シニアに敗れ悲願の全国大会出場はならなかったものの、チーム力的には晴れの舞台で躍動していても何ら不思議ではないチームだった。

 

 26期生は「楽しくやって強くなる」という私の掲げたチーム理念を体現してくれたチームでもあった。「楽しくやって強くなる」を提案した時、チーム内でなかなか受け入れてもらえなかった。コーチ陣の顔を見ても「そんなこと出来るわけないじゃん」と不満げ。そりゃそうだ。我がチームのコーチ陣は「厳しさを乗り越えて強さを求めていた」選手時代を過ごしてコーチとして帰ってきた。そしてそれぞれにプライドも持っている。もちろん、私自身も選手時代は「そちら側」だった。でも私はもともとそんな自分のやってきた野球が正解だと思っていない。自分のやってきた野球が正解なら、私は大谷翔平選手になっているハズである。何か問題があったからプロ野球選手にもメジャーリーガーにもなれなかったのだ。だから自分の経験則だけで指導にあたっていたら我がチームの選手達の未来は明るくならない。自分が監督としてどんな野球をやりたいのか?それを自分の胸に問いかけた時、「楽しく野球をやって強いチームをつくりたいのだ」という一つの答えに辿り着いた。

 

 卒団式を終え、夜は26期生とそのご父兄の方々から謝恩会にお招き頂いた。26期生達の軌跡を振り返る動画を皆で視聴したり、思い出話しに花を咲かせながらとても楽しい時間を過ごさせて頂いたのだが、会の締めにチームスタッフから一人ずつ想いの丈を述べさせて頂くことになった。そこで私の前に話したコーチ6名が皆、26期生と一緒に野球が出来て「楽しかった」と言った。これはつまり、私が監督になって8年目、掲げたチーム理念が「チーム理念として確立した」ということだと思う。これまで一生懸命に活動してきたOB達が積み重ねてきたものを、26期生が一つのカタチにしてくれた。

 

 26期生達は東京和泉シニアを愛してくれていると思う。いつかスタッフとして帰って来てくれるんじゃないか?という予感さえする。でも私の気持ちはひとまず「指導者」という道は一旦胸の内にしまって、プレイヤーをとことん全うして欲しいと願う。「指導者」を目指した時点でプレイヤーを諦めることになる。プレイヤーとしての逃げ道をつくることになる。そんな甘い覚悟ではプレイヤーの競争を勝ち抜いていけないことを私はよく知っている。プレイヤーの間は絶対にプロ野球選手を夢見ていて欲しいし、メジャーリーガーを目指していて欲しい。そうやって真剣にトップを目指した経験が、学びが、その道中で手にした仲間が、将来指導者としての力になるのだ。

 

 東京和泉シニアに関わる全ての皆様、一年間お疲れ様でした。沢山の人の支えがあって今年も走り切ることが出来ました。来年もまた皆様がちょっとでも幸せになれるように、活動頑張って参ります。引き続きご指導、ご鞭撻のほどよろしくお願い致します。そして26期生の皆様、この度はご卒団おめでとうございます。沢山の感動を与えてくれた選手諸君、そして選手の為にチームスタッフと共に汗をかいて下さったご父兄の皆様、本当にありがとうございました。皆さまの次のステージでのご活躍、心よりお祈りしております。皆様が東京和泉シニアOBであることを誇れるチームに出来るよう頑張ります。

 

 それでは皆様、よいお年をお迎えください。

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