2025年1月25日(土)
オーシャン杯1日目 @オーシャンフィールド第1球場
予選リーグ第1試合 対前橋シニア 19対2 〇
予選リーグ第2試合 対鎌倉シニア 1対2 ●
第14回目を迎えたオーシャン杯。もう何年連続になるだろうか?宿泊を伴うためコロナによって中止となってしまった年もあったが、東京青山シニアさんが主催するこの大会に今年も出場させて頂くこととなった。関東圏内のシニア12チームが集い、オーシャンフィールド第1球場~第4球場の4会場に3チームずつ分かれ、2日間に渡り各チーム1日2試合、合計4試合を戦う。予選リーグと位置付けられた1日目の結果によって、2日目の試合会場と対戦相手が決まる仕組みだ。
毎年2月中旬から始まる春季東東京支部大会に向け、その直前に公式戦のユニフォームを着てその緊張感を味わいながら戦う、そんな経験が春季大会で必ずプラスになると思って出場を続けている。今年は久しぶりに第1球場で試合をさせて頂いた。2019年以来だからおよそ6年ぶりか。球場の雰囲気もまたより緊張感を高めてくれる要素でもあるので、毎年各チーム順番になるのだと思うが、経験値の少ない今年のチームにとってはラッキーだった。
初日は第1試合に東京和泉シニア対鎌倉シニア、第2試合に鎌倉シニア対前橋シニア、第3試合に鎌倉シニア対東京和泉シニアで予定が組まれていた。しかし鎌倉シニアさんが試合会場に向かっている道中でトラブルに合ってしまったそうで、急遽最初の我がチームの対戦相手が前橋シニアさんに変更になった。第2試合でのスタートを踏まえて会場に訪れた前橋シニアさんとしては試合の入りが難しかったことと思う。北風が強く、さらに小雨が降り続いたこともあり実際の気温よりも体感温度が低かった。ウオーミングアップに十分な時間を要する天候だったことは確かで、我がチームはその点有利に働いた。
結果は19対2で大勝。我がチームがそんな大差で勝利したことなど、オープン戦を含めてここ最近記憶にない。今年に入ってからもオープン戦では負け続けていたので、「勝利する」という経験は選手達にとって大きかったと思う。カツラギィ~のランニングホームランはチームに勢いをもたらした。下級生にレギュラーを奪われても愚直に努力し続ける姿を、「中学生なのに偉いな」と思ってずっと見ていた。努力してもなかなかすぐに良い結果は出ない。でも諦めずに継続して頑張っていれば必ず神様が微笑んでくれる。私が中学生の時に教えられた恩師の言葉を、そのまま体現してくれた瞬間だった。
第2試合の鎌倉シニア対前橋シニアは鎌倉シニアさんが勝利。2日目の決勝リーグ進出をかけて第3試合で鎌倉シニアさんと戦うこととなった。
試合は初回と2回に1点ずつ失点しリードを許す展開。中盤はヤジがナイスピッチングで追加点を許さず我慢していたものの、中学生ではなかなか見ないアンダースローの相手投手をなかなか捉えられず0対2のまま最終回へ。後攻だった我がチームは表の守りでも1死走者無しから四球で出塁を許してしまう嫌な流れ。しかし次打者の緩いショートゴロの際に1塁走者がセカンドベースへスライディングしなかったお陰でセカンド封殺でツーアウト目をとることが出来た。これで「勝機があるかも知れない」と思った。3人目の打者をショートライナーに打ち取りスリーアウトチェンジ。最終回の攻撃を前にベンチ前で円陣を組んだ選手達に、私はこう話した。
「さっきのショートゴロの時、1塁ランナーはセカンドにスライディングをしなかったよね。そのお陰でフォースアウトととなった。それはつまり相手選手が全力を怠ったということ。そういうプレーをすると勝利の女神は逃げていく。この回必ずウチのチームにチャンスが来る」そう言って送り出した。
先頭のキッペイさんはセンターフライ。2人目の打者は代打のイッタ。ここもあえなくピッチャーフライでツーアウト。あと一人。打順は1番にかえってワタセイジ。ショートゴロで試合終了かと思われたがエラーを誘ってギリギリ出塁した。「もうここは勝負」と思ってスチールのサインを出したがとんでもなく遅いスタート(汗)。しかし逆にこれがディレードスチール気味になって相手捕手の虚をつく格好となり盗塁成功。2死2塁。ここで2番セカイノコバヤシが二遊間セカンドの横を抜ける痛烈な打球を放ちその打球はそのまま右中間を真っ二つ。セカンドランナーのワタセイジは悠々ホームイン。セカイノコバヤシはあわや同点のランニングホームランになるかと思ったが3塁ストップ。1対2。
1点差となって尚2死3塁のチャンスで打席を迎えたのはキャプテンの3番コータロー。ベンチの雰囲気は最高潮。ベンチの前に立って采配している私の両脇とそして後ろから、打席のコータローに向けて一生懸命に応援する選手達の声を聴いて泣きそうになった。「子供達が勝つ為にこんなに真剣になってくれて、そんな環境を提供出来ているんだな、やっぱり俺のやっていることも捨てたもんじゃないな」と思えて嬉しかったのだ。打席でのコータローは緊張している様子だったが、でもいい顔をしていた。彼もまた真剣そのものだった。結果は残念ながらサードゴロ。ファーストベースに決死のヘッドスライディングもあと一歩及ばすゲームセット。1対2で敗戦となった。
全力を怠るプレーをすると試合の流れが変わる…。私が長年学んできた野球に間違いは無かった。そして人の真剣な想いは人の心を動かす力がある。改めてそう感じさせられた。あの緊張感を味わえること、今年もオーシャン杯に来て本当に良かったと思えた。1位グループとして2日目を迎えることは出来なかったけれど、鎌倉さんとのゲームは選手達にとっては今後に向けた財産になると思う。