2025年2月1日(土) 練習 @秋ヶ瀬グラウンド
2025年2月2日(日) スタッフ会議 @永福地域センター
久しぶりに日曜日の活動を「休み」とした。夜中から降り始めたみぞれ混じりの雨の為だ。通常は雨天時でもどこか施設をお借りして「ミーティング」と題し野球座学を行うのだが、先週は宿泊を伴う遠征試合「オーシャン杯」へ出場した為、それに向けた準備他でご父兄の方々も色々なご苦労があったことと思う。選手もそれなりに疲労もあっただろうから、たまには1日ゆっくりと休む日があって良いなと考えた。その代わりと言っては何だが、うまく時間が出来たということもあって、高岡姉さんからの提案もありスタッフ会議を行った。
4月から正式入団となる29期生が、今週末で17人になった。まだ塀チームに興味を持ち入団を検討して下さっているご家庭もあるようなので、まだ増える可能性があるものの、現時点でも既に新3年生14名と新2年生16名の合計30名を足せば、3学年で47人になる計算だ。チームとしてこれだけの部員を抱えることになったのは恐らく12年ぶり。嬉しい悲鳴とはこのことで、それにはそれなりの活動の仕方を考える必要もあって、この度のスタッフ会議の目的はそこだった。多くの部員を抱える上で改めて確認したかったのは、「東京和泉シニアの精神」である。原点に帰り会長と父母会長が何を想ってこのチームを立ち上げたのか?チーム運営の方法については時代と共に変化していかなくてはならない部分も当然あると思うが、根本の精神は引き継いでいきたいと思っているのが私の気持ちだ。それをスタッフで共有して足並みを揃え、新入生を迎え入れたいと思った。
29期生となる新入部員の勧誘を行ってきた上での反省も含め、とても良い時間を過ごせたと思うのだが、1つ気になったのは「スタッフ同士が腹を割って本音で話せる関係になれているかどうか?」ということ。東京和泉シニアのスタッフは皆ボランティアだ。全員がそれを納得し尽力していることと信じているが、「お金」という目に見える見返りが無いが故に、スタッフ同士がどうしても遠慮してしまいがちになる。言いたいことがあっても「ボランティアで協力してくれているのだから目をつぶろう」と、言うのを我慢してしまうことがある。揉めたくないから指摘することをやめてしまう。
私は監督という立場だから、本当は言いたくないことも言わなくてはいけない。コーチ陣はみんな教え子であるから可愛いし、時間を割いてチームに力を貸してくれていることに対する感謝の気持ちがまず先立つので、指摘することを躊躇してしまうことがある。「それではいけない」と思いつつも、勇気を持てない時がある。
20代の時、仕事の上司に言われたことがある。「人に気を遣われて何も言ってもらえなくなったら終わりだよ。言ってもらえるうちが華。指摘してもらえることには感謝した方がいい。言う方も辛いんだから」と。そして「あいつには何を言ってもどうせ変わらないからと思われたら、周りは何も言ってくれなくなる。自分にとって都合の悪いことを言われなくなったら危険な状態と思った方がいい」とも。当時は何を言っているのかよく分からなかったが、今はその言葉の意味が本当によく分かる。
きっとコーチ陣も私が監督という立場であるが故に、「本音を言わない」という選択をしていることもあることだろう。私と話す時に言葉を選んでいる様子や、腑に落ちていない様子から感じることがある。私は「チームが良くなる為の意見であればいつでもウェルカム」という姿勢でいるし、コーチ陣には直接そう言葉でも話しているのにも関わらずだ。しかしそれが「決して悪いことではない」ということもまた厄介なところ。「立場をわきまえて話す」というのはお金をもらって働く「仕事」の中でも当然あることで、社会性であったり、モラルであったりという部分でもあるから、その線引きというかバランスはお互い非常に難しい。
現在の東京和泉シニアスタッフは基本、仲が良い。たぶん信じられないくらい仲が良い(笑)。会長と父母会長を筆頭に、チームにはアットホームな空気感が漂っている。きっとみんなその関係を壊したくないのだろうと思う。人に指摘すること、それは誰でも嫌なものだ。出来ることなら避けたい。まして「ボランティアで色々なことを犠牲にしてチームの為に尽力してくれている」と思えば、余計に言いづらくなる。だけどそこを勇気を持って話し合える関係にならなければ、チームはステップアップしていけない。それどころか「言わない」選択を繰り返していくうちに膿が溜まり、いつかチームを揺るがす大事件を招くことにもなり兼ねない。20年もこのチームに携わってきたのだ。そういった事象に遭遇してしまったことだってある。でもそういった経験があるからこそ、より本音で話し合えるチームスタッフを目指したいと思っている。
東京和泉シニアは大人が何か成果を上げる場所ではない。例え全国制覇をしてチームが日本一になったとしても、それは選手達の功績である。私は周りから評される名監督になりたいわけではない。チームのあらゆる雑用に日々追われている高岡姉さんだって、少しずつ部員が増えて組織が正のスパイラルに回りだしていることを、「私のお陰」などとは思っていない。私達はただひたすらに我がチームの子供達とそのご家庭の幸せを願っている。格好つけている訳でも何でもなく、心の底からそう思うのだ。「子供達の為に大人が泥を食う」、それが東京和泉シニアチームスタッフの精神である。
可愛い教え子にもあたる我がチームのコーチ陣に、私から「指摘をする」という行為はなかなかに不味い「泥」であるが、それでチームが良い方向に進むのならば覚悟を決めて口にしなければならない。ひいてはそれが子供達の為になるのだから。全ての物事を決断することの判断材料はそれ。「子供達にとって何が一番幸せか」である。