2025年2月16日(日)

 

 春季東東京支部大会1回戦 対墨田シニア 3対2 〇 @江東シニア若洲G

 

 春季東東京支部大会1回戦を突破した。秋季東東京支部大会では1勝も出来ずに大会を終え、来春・夏に向けてリベンジしようと5ヶ月半を過ごしてきた。結果1勝出来たというのはその成果である。1回戦負けは練習しなくても出来る。でも1勝する為には相手を上回る日々を過ごしていなければ成し遂げられない。我がチームが過ごしてきた5ヶ月半が、間違いではなかったと選手達が証明して見せた。

 

 しかし選手達が確かな成長を示してくれたのとは裏腹に、監督としての私の采配は進歩の跡が見られない。何とも弱気で、自ら動いていけない「待ち」の采配になってしまった。何度同じ失敗をすれば気が済むのか、学べるのか、自分自身が腹立たしくて試合後もどうも納得出来ない自分がいた。また選手に助けられている。「たまには采配で勝たせてあげられないのか?」と、情けなくて仕方がなかった。

 

 監督としての「采配」とは色々な要素が含まれる。試合中の出すサインや選手交代にフォーカスされがちだが、スターティングオーダーを決めるのも、事前にどのような作戦で戦うのかということを伝えるのも、もっと言えば普段の練習メニューや年間のスケジューリング、それに伴ったコーチ陣やチームスタッフの役割分担といった組織マネジメントまでも、「采配」の中に含まれると私は思っている。

 

 正直なところ、選手達に事前に伝えていた作戦は見事にハマった。その作戦を敢行するにあたり決めたスターティングオーダーも機能した。試合前のシートノックで選手達を鼓舞するルーティンも、私が監督になってからOBを含めたチームの歴史がつくりあげてきたもので、良い試合の入りが出来たことが試合を優位にすすめることが出来た要因になったことは間違いない。また好投のサヤを5回まででスイッチするのも勇気のいる決断だったが、これまでの経験が活きた采配となった。

 

 でも「攻撃」という面では毎回毎回チグハグだった。攻めているのに得点出来ない。もちろん選手の痛い走塁ミスなどの影響もあったが、私の弱気な采配が招いた流れだったと思う。今年に入りオープン戦から積極的に動くことを意識していた。どうしても公式戦になるとその緊張感から試合が硬直状態に陥るケースが多く、結局最後は我慢が出来なくなって守りのミスで敗退するパターンが多かった。特に秋季大会2戦はそれで敗退したので、その反省を活かしたいと思って取り組んできた。

 

 それなのに動けなかった。選手のタイムリーを待ってしまった。4回終了時に田中コーチから提案があった。「選手のバッテイング待ちをしていてもこの流れは変えられないから、動いていきましょう」と。5回はちょうど1番からの攻撃だったから、私もそのつもりだったので大きく頷いた。先頭のコータローがヒットで出塁。無死1塁で迎えたのはセカイノコバヤシ。カウントによってエンドランを仕掛けようと構えていた。しかしその初球をいきなりスイングしてコンタクト。打球は右中間フェンスを越えるツーランホームラン。点差を3点に広げる待望の追加点。お見事。本当に嬉しかったが、結局私は何もしていない。選手達自身の力で奪った2得点。野球とはそんなものなのかも知れないが、また選手に助けられた。

 

 しかし5回裏には2失点し再び1点差と迫られた。6回と7回の守りは久しぶりに心臓が痛かった。胃が痛いどころの話ではない。「神様、どうかこの子たちを勝たせてあげて下さい」と祈ることしか出来なかった。

 

 結果3対2で勝利。勝利すると私の情けない采配も肯定されてしまう。「動けなかった」のに、「動かなかったから勝てた」となってしまう。作戦はハマった。オーダーも機能した。継投も上手くいった。ただ「得点を奪う」という点でまたも私に課題が残った。「選手の力で奪った3点」ならば、「この試合までそういった力を持った選手に育て上げた監督の采配のお陰」と慰めてくれる人もいた。でも私は甘えたくない。勝ったからOKと正当化していたら、いつまで経っても成長出来ない。

 

 これまで沢山の犠牲を払ってきた。中学生の大会は中学生の時にしかチャレンジ出来ない。27期生も大きな大会は今大会と夏の関東大会を残すのみだ。しかし私は毎年チャレンジする機会が与えられている。だからこそOB達の敗戦に報いなければならない。3年生になっても公式戦に出場できなかったOBは沢山いる。レギュラー、イレギュラー、ベンチ外を決めてきたのは紛れもなく私だ。その結果招いた敗戦から学びチームを成長させていくこと、それは私の最低限の責務である。それなのにこの度のゲームでも変われない自分がもどかしかった。

 

 2回戦の相手は足立中央さんに決まった。昨秋に組んで頂いたオープン戦では全く歯が立たなかった。関東大会出場へ向けては大きな山場となる。昨年も2回戦で練馬シニアさんと対戦し厳しいゲームを勝ち切って代表決定戦へとコマを進めた。また厳しい戦いになることは間違いないが、情けない監督を勝利監督にしてくれた選手達の力を信じて戦いたい。「ビリーヴ」の再現である。

ページツリー

ページ最上部へ戻る