2025年3月16日(日)
ミーティング @永福地域センター
この度の日曜日は雨により、予定されていたオープン戦は中止。グラウンドでの活動が不可となった為、杉並区の施設の一室をお借りしてミーティングを行った。
我がチームでは雨の日は大抵、「ミーティング」と題して座学を行っている。この度のテーマは「春の反省と夏に向けて」。1時間目は3班に分かれてのグループ討議。40分弱の時間でまとまったようで、10分間の休憩を挟み2時間目として各班に発表をしてもらった。
私は各班の発表を聞いて、反省の内容がとても充実していたことに驚いた。悪かった点、良かった点、そして夏に向けての課題への取り組み方も含め、こちらが何も言わなくても良いくらいの内容だった。発表している時の顔つきや声のトーンからも、自分達の課題が明確となり目標に向けて真剣になっている様子が伝わってきた。各班、発表者が2人ずつになっていたことからも、他人任せにせず「グループで決めたことをちゃんと伝えたい」という意思が感じられた。27期生に対して初めて、「大人になったな」と思えた。
選手達を成長させたのは間違いなくこの春の大会4戦だと思う。改めて「野球って凄いな」と思わされた。たった4戦。されど4戦。時にして一ヶ月足らず。緊張感のなか想いを込めて戦った経験が、彼等を人間的に成長させたのだ。何が出来て何が出来なかったのか?じゃあ次の大会に向けて何をすれば良いのか?選手達の中でもう明確になっている。こうなったら私のすることはあまり無い。彼等はきっと自分達で取り組むだろう。自発的に取り組めるようになれば今までの何倍ものスピードで上手くなる。これまで私を含めた指導者側の指示にただ従うだけ、与えられた練習メニューをただこなすだけだった彼等に、初めて意思が芽生えた。
約4か月前の昨年11月20日(水)。やはり雨の影響でミーティングを行っている。実はこの時、私はミーティング後にあまりの手応えの無さに少し落ちこんだ。話している内容が伝わらないことにちょっとした絶望感を覚えたのだ。1年生は仕方ないけれど、2年生のこの時期になってもこれ程までに手応えがないのは初めて。これではなかなか野球は上手くならない。正直な話し、私はこの時27期生を春・夏にリベンジ出来るチームにする自信を失った。
でもこの度のミーティングでは大きな手応えを得たと共に、この上ない喜びを感じた。私の感覚からすると、選手達が「化けた」印象だ。「こんなにも変わるのか」と。これだからやめられない(笑)。それと同時に「やはり我々大人が引き上げるのではないのだな」と改めて思わされた。子供達には人それぞれ成長速度というものがあって、その時が来るとちゃんと成長するものなのだ。そういうキッカケを与えてあげるというか、環境さえ提供してあげることが出来れば、彼等は勝手に学び、勝手に成長する。野球というスポーツが彼等を引き上げてくれる。
この日、1名遅刻してきた子がいた。申し訳なさそうに入室するなり、小さな声で「すいません」と言った。私は「まずおはようございますだね。どうしたの?」と聞くと「寝坊してしまいました」と言った。私は、人間なのだから寝坊してしまうことは誰にでもあることなのだから、それ自体はそんなに悪いことじゃないと思う。彼のように正直に言って誠意を持って謝ればそれで良い。一番ダメなのは言い訳をすること。もし自分が失敗したと思うのなら、その日誰よりも頑張っている姿で1日を過ごし、同じ失敗をしないようにはどうしたら良いかを考えるべき。
チームによってはペナルティが課せられることもあるだろう。でも私はそれをしたくない。それではペナルティが無いと自分を律することの出来ない人間になってしまう気がするし、考える能力が育まれない。チームで活動する以上は規律、秩序、ルールといったものは絶対に必要。だけどペナルティなどの外からの圧力によって築かれる規律は意外と脆い。目標を達成する為に「これだけは守ろう」と自然発生的に生まれてくる規律こそ本物である。
この度のミーティングで「夏までセブン」という夏の大会に向けた練習の取り組み方や約束事を、選手達の提案から決定した。それにチームとして取り組んでいくことの方がよっぽど意義がある。私はもうそれで充分だと思う。選手達の確かな成長を実感出来て、たまらなく嬉しい時間になった。
「野球を通じて社会に貢献できる人材を育成する」
チームが目標としていることを選手達が体現してくれている。