2025年4月27日(日)

 

 春季城北ブロック大会2回戦 対東板橋シニア 4対6 ● @豊島シニアG

 

 「負けない強いチーム」への最初の挑戦と位置付けて挑んだ春季城北ブロック大会2回戦。結果は残念ながら東板橋シニアさんに4対6で惜敗。準決勝へとコマを進めることは出来なかった。

 

 初回、サヤが上手く立ち上がれなかった。最初の7球の投球練習から思ったところに投げられていない様子が見て取れた。ただ、ピッチャーはいつも調子の良い時ばかりではない。エースには「調子が悪い時でも如何にしてゲームをつくるか」ということも求められるが、でもピッチャーが苦しんでいる時には野手陣が助けてあげなければいけない。そういう意味では初回の守りで痛いミスが重なり4失点してしまった。相手チームの勢いのある攻撃に飲まれてしまった感じだ。ただその反面、その裏に3点取り返し3回裏にさらにもう1点追加して試合を振り出しに戻した。やはりそういう劣勢を跳ね返せるような力がチームに付いてきたということも確かだ。力強い打球を弾き返せる打撃力が身に付いたことはもちろん、初見のピッチャーに対応出来る適応能力、そして場面に応じて各打者がアプローチの仕方を変えている様子は、数多くのオープン戦をこなしてきた賜物だろう。でも試合後半、相手に先に勝ち越され、さらに追加点を許した。いずれもミスによるものだった。ハッキリ言って詰めの甘さが出た。「悪くないチーム」と「強いチーム」の差はここだ。こういうゲームを勝ち切れるようになるかどうか、それが今年のチームに課せられた最後の課題だ。

 

 みんなバットが振れるようになった。俊足はいないが鈍足もいなくなった。だから最低限の守備が出来るようになった。走塁も覚えてきた。それはつまり野球を覚えてきたということ。そして自分達のカラーを理解し、チームとしての戦い方も確立されてきた。昨秋のことを思えば超速のスピードで急成長を遂げた。チームとしての伸び幅は過去に類を見ないほどだ。史上最弱かと思ったチームが、例年と遜色ないチームにまでなった。でも「遜色ないチーム」では足りない。真の強さを手にする。それは夏の大会での宿題となって持ち越された。夏の大会を戦っていく中で大きな壁を乗り越え、勝ち切れるチームになって、そして目標を達成して欲しい。

 

 この度は悔しい敗戦となったが、嬉しかったことが一つあった。サヤ、ワタセイジ、ワカの27期生3人の投手でリレーし、1試合を投げ切ったことだ。ホントにようやくだ。この瞬間をどれだけ待ちわびたことか。サヤは早くから結果を残しチームの柱として活躍してきてくれたが、ワタセイジとワカは長い間結果を出せずにもがき苦しんでいた。なかなか制球が安定せずストライクをとることに汲々していた。制球が安定しないと思い切って腕を振っていけなくなる。持ち前の球の力やキレも失い、ボールが先行しストライクを取りいっては打たれるという悪循環。とてもじゃないが公式戦のマウンドに上げられるほど信頼の出来る状態じゃなかった。数々のオープン戦で試合を壊してきてしまったが、それでもピッチャーは繰り返し練習するしかない。毎週練習終わりにインターバル走を繰り返す彼らの姿を、「いつか必ず神様が微笑んでくれるから頑張れ」という気持ちで見ていた。

 

 春の東東京支部大会中頃から、まずワタセイジの状態が上がってきた。軸足の膝が折れて骨盤が後傾してしまう悪癖が修正され、ある程度ゾーンに投げ込めるようになってきた。ゾーンに集まりだすとやはり腕が振れるようになってボールに力強さが出てくる。さらに城北ブロック大会前のオープン戦で、田中コーチからワカの生きる道を一つ提案してもらった。確かにその起用の仕方なら3人のリレーが可能になるかも知れないと思った。春の城北ブロック大会は夏の大会前に、公式戦のユニフォームを着てその緊張感のなか戦える貴重な機会。そこで3人がどこまで投げられるか?チャレンジするにはこれ以上ないチャンスだった。

 

 しかしあろうことか大会前にワカが水曜日練習中に捻挫をしてしまって、大会の出場が絶望的になった。最初の診断では夏の大会にすら間に合わない可能性まであったほどで、3人のリレーはまたしても夢と消えるかに思われた。しかし若さなのか、その後の治療が良かったのか、思ったよりも早く回復して2回戦前日の土曜日にはピッチング練習まで出来るようになっていた。まだ完治とまではいっていない状態だったので、無理はさせたくなかったのだが、「ここで投げさせることが出来なかったら夏もマウンドに上げづらくなる」と判断して、最終回の1イニングだけ投げてもらった。とうとうサヤ、ワタセイジ、ワカのリレーが実現した。

 

 試合後、東板橋シニアの田口監督さんの元へ台湾でお世話になった5選手が挨拶に行った。また東板橋シニアの選手達と一緒に写真を撮っている様子を見て、とても微笑ましかった。さっきまでお互いに負けまいとして戦っていた相手が、試合が終わると良い友達なんだなって思ったら、やっぱりこういう活動って価値があるなと思った。きっと彼等は生涯友達なんだろうと思う。いつか大人になって酒でも飲みかわしながら、あの時はああだったこうだったと言って楽しい時を過ごすのだろう。それは何にも代え難い宝物だ。

 

 さあ、いよいよ夏の大会が迫ってきた。毎週活動始めに全員で円陣を組み、「夏、全国大会出場」と唱和を繰り返してきた。全てはこの大会の為にやってきた。みんな今持てる力を存分に発揮出来るように、充実したゴールデンウィークを過ごしたい。
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