2025年5月11日(日)
夏季関東大会1回戦 対横浜青葉シニア 0対16 ● @東練馬シニアG
5月12日(月)、午前2時頃、パッと目が覚めた。「昨日のことが全て夢だったらいいのに」と思った。その後も目が冴えてしまってどうも眠れない。寝ようとして目をつぶっても、前日の試合のことがグルグルと頭の中を駆け巡り悔しさで眠れないのだ。結局その後一睡も出来ないまま仕事に出かけた。夏の大会で負けた日の晩は必ずこうなる。
何も出来なかった。何もさせてあげることが出来なかった。
相手が強豪チームで大きな挑戦になることは初めから分かっていたことだ。でも強者が弱者に必ず勝つわけでもないところが野球の面白さであって、一発勝負のトーナメントでは番狂わせも度々起こる。展開次第ではいくらでも実力差をひっくり返せる。少なくとも「チームにそういう力がついた」と確信して夏の大会を迎えることが出来ていた。それなのにだ。
1年間、色々なことを我慢しながらチーム強化に励んできた。今年のチームにとって何が最適解なのか?と考えなかった日はない。ゴールデンウィークに組んだオープン戦で、ようやく勝ち切るゲームを演じることが出来た。1年かけてようやくチームらしくなったと思えたら、夏の大会がやってきた。「もう一ヶ月二ヶ月早く」と言ってしまえば簡単だが、チームとしては全力を尽くしてきた。チームスタッフはもちろんのこと、親御さんも一生懸命にチームの為に尽くしてくれた。このチームを20年見て来て、1年でこれほどまでに成長したチームを見たことがない。だから、もっともっとこのチームを見ていたかった。どんどん上手くなる選手達を見て、毎週末ワクワクして仕方がなかった。「日本一勘違いするチームをつくる、そしてそれを真実にする」という今年のチームスローガンが現実味を帯びてきたように感じていた。奇跡を起こせるとしたら、こんなチームかも知れないとさえ思った。
先日開催した決起会で、チーム組織として成熟してきたことを実感していた。特に田中コーチは私が監督なりたての時から一番近くで見てくれていたので、誰も味方がいなかったあの時を思ったら、今がどれだけ充実しているかも分かってくれていた。試合にはOBとそしてOBの父兄まで応援に駆け付けてくれていた。ここ数年は毎年OBやOB父兄が応援に来てくれている。その事実だけでもチームの確かな足跡を見ることが出来る。
しかし…、しかしだ。そんな我がチームのこれまでの過程も、結局1回戦コールド負けという結果では、誰も何も認めてくれない。全てが否定される。結果が全ての世界。どんなに綺麗ごとを並べても負けは負け。もちろん、誰かに何かを認めてもらいたくて活動しているわけじゃないけれども、毎年3年生には何か勲章を残してあげたいと思っている。3年間頑張った証を何か…。
試合後にむせび泣く3年生に対して、本当に申し訳ないと思った。ゲームに負けたこともそうだが、何より選手達に力を発揮させてあげられなかった自分が情けなくて仕方がなかった。監督として初めて挑戦した2017年の夏の大会でも一回戦コールド負けを喫した。もう二度とこんな悔しい想いをしたくないと思い、一生懸命勉強してきたつもりだ。こういった「本番」で力が発揮できるようにと、毎週毎週習慣をつくってメンタルトレーニングも実施してきた。事実、ゲームには良いメンタリティーで入っていけたと思う。試合中も決して選手達がプレッシャーに負けているようには見えなかった。
しかし一度傾いた流れを止めることが出来なかった。タイムをとっても、投手を何人つぎ込んでも、アウトがとれなかった。3イニングで14安打を浴び、力の差を見せつけられたカタチになってしまった。ベンチの外から聞こえてくる一年生、二年生、そして父兄、OB、OB父兄の応援の声が胸に刺さった。
負ける度に思う。何かを変えなければと。「同じことをやっていても同じ結果しか得られない」のだから。そうやってちょっとずつ変化させてきて、今の活動スタイルが確立されてきた。だから私は今も何も固執していない。勝つ為なら如何様にも変化させられる。そもそも何かに縋るほど結果も残せていないのだから、失うモノは何も無い。もちろん塀チームの活動環境は限られているので、その中でどんな活動をしていくのかまた熟考する他ない。
これで3年生が主となる大会は東西東京卒業生大会を残すのみとなった。今年は3年生が14名在籍しているので、3年生だけで挑んでいける。恐らく初戦までに1ヶ月程度時間があるから、それまでにもう少しだけ上手くなって最後の大会を楽しんで欲しい。そしてその後は高校受験という大きなチャレンジがまた待っている。27期生達なら、きっと素敵な進路を選んで、そして掴み取れるように努力できると思う。
まだまだ27期生に伝えたいことは沢山ある。夏季関東大会がどうしても一区切りになってしまうが、この度の敗戦も何か意味のあるものにして欲しい。敗戦を正当化する気は毛頭ないけれども、彼等にとって通過点であることもまた事実。まだまだ成長過程にある27期生には可能性しか感じていない。私の力不足のせいで大会で結果を出させてあげることは出来なかったけれど、どうかこれからも野球を好きでいて欲しい。東京和泉シニアを愛していて欲しい。ここが終わりではなくて新たなスタート。約7ヶ月後に迎える卒団式まで、もっともっと成長して堂々と胸を張って東京和泉シニアを後にして欲しい。「下手って言ってきたヤツを見返す」のは、まだまだこれからだ。