2025年5月25日(日)
練習 @日大二校立川G
東京和泉シニアは専用グラウンドを持たないチームの為、毎週日曜日はグラウンドを持つチームにお邪魔してオープン戦をして頂くことで活動を成り立たせている。本音を言えば「もっと練習したい」と思うことだってある。でも無い環境を嘆いていても仕方ないので、ある環境の中で如何に活動を充実させていくかを考えた方が、選手・父兄・スタッフと、チームに関わる全ての人にとってプラスに働くことは間違いない。そうやって28年活動してきたお陰で、沢山のチーム様とご縁を頂き、今では決して他チームに負けない活動環境が我がチームにはあると自負している。
そんな中、この度は日大二校さんのグラウンドをお借りして我がチームとしては珍しい日曜日の「練習日」を設けることが出来た。それは今年4月から26期生の三宅が日大二校さんに入学し、さらに斎藤監督さんと田中コーチが友人を介してご縁を頂いたことが重なったことで実現した。
三宅の前には17期生の真砂も日大二校さんにお世話になっていて、彼は日大二校でキャプテンも務めた。三宅も真砂もこの度の東京和泉シニアの活動に手伝いに来てくれた。こういったOBの力により現役中学生の活動が充実すること、こんなに素晴らしいことはない。間違いなくチームが残した足跡の上に、現在のチームの活動がある。
生憎、前日夜の雨によりグラウンド状態が悪かった。午前中は室内とブルペンなどを併用して活動した。グラウンドが回復した午後からは守備の練習から入り、最後は3年生対2年生の紅白戦を1試合実施した。グラウンドが朝から使用出来る状態であれば、紅白戦を2試合実施して全選手がゲーム経験を積めるようにしたかったのだが、天気には勝てないので仕方がない。しかしそれでも、紅白戦に出場しない選手は午前中に続いて室内でさらに打ち込むことが出来たし、やはり高校さんの施設ともなると充実した1日を送ることが出来る。
東京和泉シニアの指導者スタッフは皆OBである。監督である私は東京ニュータイガースという当時Uリーグ(現在のヤングリーグ)に所属していた、東京和泉シニアの基となったチーム出身なので、「OBであってOBじゃない」みたいな立場であるが、井上コーチ、田中コーチ、工藤コーチ、高岡コーチは皆東京和泉シニアの卒団生。そして昨年よりコーチになってくれた橋本コーチは私と同じ東京ニュータイガース出身。今年度4月よりコーチになって下さった今村コーチは24期生今村星斗、26期生今村琉星のお父様。チームの雑用全てを一手に引き受けてくれている事務局長の高岡さんは、14期生高岡洋介(現東京和泉シニアコーチ)のお母様。その他事務局や審判長、会計監査といったチームの役職についている人も皆OBの父兄である。チーム創立者である会長と父母会長は、私の両親だ。
別にチームスタッフについて、OB他、チームに関わった人に拘っている訳ではない。力を貸して下さる人がいるならば、我がチームは基本的にウエルカムだ。ただ毎年実施しているOB戦などで再会したOBに、「もし時間があるならコーチングしてくれないか?」といった打診をしてみたり、卒団を迎える選手の父兄に「チームに残って手伝って欲しい」というお願いをしたりしているので、結果そういう体制になる可能性が高くなると言えばそうなのかも知れない。でもこれだけ身内で固まっているチームも珍しいと思う。時間はかかったかも知れないが、会長と父母会長の人柄から、何となくアットホームなチームになっている。
もちろん、身内で固まることのデメリットもある。組織運営する側の人間はいつの間にか居心地が良くなるだろうし、他の意見に耳を傾けなくなってしまう恐れがある。それはつまり勉強する意欲を失うということでもある。また仲が良すぎる関係が、核心をついた意見を言いづらくしてしまうこともあるだろう。誰も揉めたくないから、面と向かって注意したり指摘したりすることを躊躇したり避けてしまうこともある。
チームスタッフや父兄、そして選手同士も仲が良いに越したことはない。でも仲良く過ごすことが目的でもない。チームスタッフと親御さんは、選手達が夢や目標に向かって努力出来る環境を提供する為に、力を尽くす同志のような関係でなくてはならない。元サッカー日本代表監督の岡田武史さんはこんなことを言っていた。
「チームづくりにおいて一体感を作ることから始めると大体失敗する。そもそも人間はそれぞれ育ってきた環境から性格から考え方から何から1人1人違う。それを日本人は違うだけなのに間違いだと言ってしまう。勝つという目的の為にその違いをお互い認め合うことで、結果が伴ってくると自然と一体感が出てくるのだ」
アットホームなチームのデメリットがチームを悪くするのではなくて、メリットがチームを正のスパイラルへと導いていくような、そんな努力をしていきたい。未来永劫このチームが存続していけるように、卒団していったOBがその人間力をもって社会に貢献し続け、またOBが絶え間なくチームに帰って来てくれて後進の育成に力を注ぎ、会長・父母会長の意志と血を引き継いでいける、そんなチームを目指していきたい。