2025年6月22日(日)
第2回林和男杯東西東京卒業生大会1回戦
対府中大国魂シニア 3対4 ● @豊島シニアG
27期生をメインとする大会が終わりを告げてしまった。3対4でサヨナラ負け。5月11日に戦った夏季関東大会で力を発揮させてあげられなかった悔しさがあり、「これで引退モードになるのではなく、最後の大会で力を発揮出来るように」と準備して挑んだ大会だったが、残念ながら1回戦で姿を消すこととなった。
私は今大会を3年生のみで戦えることにこの上ない喜びを感じていた。2017年に監督になってから今まで、この大会を3年生のみで出場出来たことがない。1学年10人前後の活動が続いていたので、毎年数名は下級生に応援を頼んでいた。しかし今年は、27期生14名の選手が入団してからこれまで一生懸命に活動して来てくれたお陰で、3年生のみでの大会出場が実現した。そして27期生の後輩にあたる28期生、29期生は16名、18名とそれぞれ入団してくれて、実は下級生はこの日別活動で庄和シニアさんとオープン戦を実施。3年、2年、1年と3ヶ所に分かれての活動になり、こんなことつい数年前までは考えられなかった。
野球は結果が全ての世界だから、負けた後に何を言っても言い訳になってしまうし、正当化することにもなってしまうのだけれど、でも夏季関東大会の試合に比べれば、3年生が持てる力を発揮して内容のあるゲームを演じてくれたと思う。自分達の実力通りの試合内容だったのではないか?最終回、ミッチーの同点タイムリーには感動した。5回裏に守備のミスが重なって逆転を許してしまった訳だが、今までだったらきっとそのまま大量失点してコールドゲームになってしまうような流れだった。後続を断ってゲームを壊さなかったこともそうだし、最終回2死まで追い込まれながら試合を振り出しに戻した粘り強さは、これまで27期生が東京和泉シニアの活動を通して成長してきた証に他ならない。「1点差での敗退はベンチの責任」とよく言われるけれど、全くその通り。私の力不足以外何物でもない。選手達は本当によく戦ってくれた。
昨年から始まった東東京支部のチームと西東京支部のチームが混在して行う、東西東京卒業生大会。この大会の位置づけは各チームによって違うのだろうけれども、大会名に「卒業生大会」と入っているので、選手達も勘違いしやすいかと思って、夏季関東大会敗戦後の水曜日練習で27期生達を集めてミーティングを行い、さらに試合前の朝にも釘を刺した。「情で選手起用するつもりはない。あくまで勝利を目指した采配をする」と。私の目標は、27期生14名全員を勝利の為の采配として起用し、そして試合に勝つことだった。
しかし残念ながらゲームは敗戦。そして3名の選手を起用出来なかった。反対に府中大国魂シニアさんは恐らくベンチ入りメンバーほぼ全員を起用して勝利したのではないだろうか?府中大国魂シニアさんは、武蔵府中シニアさんのセカンドチームだ。トップチームのベンチに入れない選手達で構成されたチーム。多くの部員を抱えるチームは2チーム、3チームと大会に出場することが出来る。多くの選手が集まるビッククラブとそうじゃないチームの二極化問題は深刻で、格差は広がるばかりだ。近年はビッククラブのセカンドチームにすら勝利することが難しくなってきている。事実、府中大国魂シニアさんは夏季関東大会でも3勝して4回戦までコマを進めている。
もちろん、我がチームのように「そうじゃないチーム」側にいる人間は、そういったビッククラブから学ばないといけないと思う。結果を残し、人が集まり、競争が生まれ活性化し、そして更なる好結果を産む。チーム組織をそんな正のスパイラルに循環させ、現在の地位を築かれたハズだ。それにはチーム運営者のたゆまぬ努力があったのは間違いない。そして今も尚、ビッククラブがビッククラブで在り続ける為に沢山の人が尽力されているに違いない。多くの部員を抱えてチーム運営するということは並大抵のことではない。
この度の試合で私はそんな組織力の差を感じた。25名のベンチ入りメンバーをほぼ全員起用しながら勝利に導くベンチワークもさることながら、能力の落ちる選手が出場しても、それをカバー出来るほどの力を持った選手がちゃんと揃っていた。夏季関東大会を勝ち上がったのは伊達じゃない。我がチームにそれを実現出来るほどの組織力はまだ無いと感じた。それはつまりチームのリーダーである私に力量が無いということ。故野村克也氏は生前、「組織はリーダーの力量以上にならない」という言葉を遺している。その言葉が私の頭の中を駆け巡った。
私は、監督になって5年目頃から「賛同を得られるような活動を継続して、人が集まるようになれば組織は強くなるだろう」と思って活動してきた。段々と応援してくれる人が増え、そして部員も増えて来た。だから私は、5月の夏季関東大会の敗戦はかなりショックだった。何か全てを否定されてしまったように感じてしまった。私の掲げるチーム理念そのものが間違っているのではないか?とか、何かを変えなければならないのではないか?とか、真剣に考えた。でも何度考えても、どう角度を変えてみても、私の無い頭ではどうしても間違っていると思えなかった。もうちょっとこのまま、今の方向性のまま努力し続けてみたい。まだまだチームは途上だ。27期生が初めて3年生の大会にやっと単独で出場することが叶ったくらいだ。まだまだ伸びシロは十分。27期生がこの一年頑張ってくれたお陰で、チームの歴史が紡がれ多くの後輩達が入団してくれている。きっと後輩達が敵をとってくれる。チームが目指していること、そして27期生のこの1年の活動が決して間違っていなかったということを証明してくれる。そんな日はそう遠くない未来に訪れる。