2025年9月15日(月)

 

 秋季東東京支部大会3回戦 対世田谷西TCシニア 4対10  ● @荒川シニアG

 

 秋季関東大会の出場権を懸け、荒川シニアグラウンドにて世田谷西TCシニアさんと秋季東東京支部大会3回戦を戦った。結果は4対10で敗戦。代表権獲得は敗者復活戦へと持ち越された。

 

 世田谷西シニアさんは押しも押されぬ中学野球日本一のチームだ。今年は春のシニア全国選抜大会で優勝。シニア夏季全国大会優勝。そしてボーイズ、ヤング、ポニーといった他団体も含めた真の中学野球日本一を決めるジャイアンツカップでも優勝し、見事3冠を達成した。そんなチームと対戦出来るのは我がチームが東東京支部に所属しているお陰。この度のゲームが出来ること、とてもワクワクしていた。

 

 一番負けたくなかったのがそのゲームに臨む「熱量」。よくそういった強豪チーム、名門チームに挑戦する時、「気持ちだけは負けないように」という言葉を聞く。しかし実は、技術体力以上にそのメンタルの部分が一番敵わない。名門チームに所属する選手達はそのことにプライドを持っている。入団する時も、大所帯の中でやっていくという覚悟を持ってその門戸を叩く。毎日が競争になり日々の生活の中心が野球になる。「レギュラーになり、全国大会に出場し、強豪校からスカウトされて甲子園に出て、プロ野球選手を目指す」、そんなことを本気で考えて毎日を過ごしている選手が必ずいる。そういう毎日を過ごしている選手達と相対した時、そこに懸けている人間と、その覚悟を持っていない選手達でメンタルの大きな差が出る。これまで幾多の名門チームとの対戦で、「技術体力以上にその熱量で敵わないのだ」と思い知らされてきた。

 

 その経験から私は、我がチームの選手達に野球を好きになってもらい、夢中になってもらえるように心掛けてきた。「楽しくやって強くなる」のチーム理念は、実はそこから来ているところもある。そのチーム理念のもと集まってくれた現在所属する我がチームの部員達。そしてその選手達に野球の面白さを分かってもらおうと日々一生懸命に活動している。毎週協力して下さっている親御さん達も含め、今の我がチームの熱量はいかほどか?それを図るには絶好の相手だと思った。私が監督になって9年目。その確かな歩みを証明したかった。

 

 結果は4対10。5回までは4対4のゲームをしていたので、序盤は競っていたという見方も出来るし、試合後に「ナイスゲーム」と言って下さった方もいっぱいいた。だけど終わってみれば6点差。コールドすれすれのゲームで敗戦。これで満足など出来るハズもない。ただ「試合に臨む熱量」、それだけは我がチームが進歩していることを証明出来たように思う。試合後、蓬莱総監督さんからも「東京和泉変わったね。元気があって明るくなった。昔は暗かったけど(笑)。こっちの方がいいよ」というお言葉も頂いた。「感じてくれる人には感じてもらえるんだな」と勇気が湧いた。

 

 改めて世田谷西さんから学ぼうと、試合前のアップ、キャッチボール、トスバッティング、シートノック、試合中の各打者の打席内容、守備陣のポジショニング、プレーの内容を事細かに観察した。もちろんそれはこの試合に勝つ為だが、その強さには理由があるから、今後の我がチームの活動にも活かせるようにとも思っていた。

 

 一番感じたのはやっぱり「やるべきことをやっている」ということ。シートノックを見ても特別守備が上手いと感じるような選手は見当たらなかったが、エラーというエラーをしない。試合中はいくつかエラーがあったものの、連鎖してミスが続くようなことが無い。またこれまで対戦してきたチームであれば、外野の間を抜け長打になっていたハズの打球もシングルで止められるケースが目立った。それはやはりポジショニングもあるが、加えてスローイングの正確さによるものだと思う。

 

 打撃陣は低目に手を出してくれない。高めのボールには多少ボール球でも反応するが、低目のボールになる変化球はほぼ見逃された。我がチームの投手陣が四球が多くなってしまったのも、そこがかなり影響していると思う。また走塁ミスなどで走者を失わない。我がチームは攻めている時に貴重な走者を失ってしまい、2つ進塁出来るハズの場面でも1つにとどまってしまうなどのケースが見られた。

 

 世田谷西さんももちろん熱量を持って戦っていたのだろうけれど、どこか落ち着いていて「今、自分に出来るベストを尽くす」ということに徹しているように見えた。というのが私のこの度のゲームでの印象だ。反対に我がチームはその点ミスが多かった。同等かそれ以上の熱量を持って試合に臨むことは出来たが、逆に熱くなり過ぎてしまって足元を疎かにしてしまっていたのかも知れない。また1つ学ばせて頂いた。

 

 この度のゲームでは秋季関東大会の出場権を獲得出来なかったが、秋は幸いにも敗者復活戦がある。最低でもあと2勝がマストとなり険しい道へと入ってしまったが、代表権をとるというのはそう簡単なことではない。みんなそれを目指しているのだから、相手の想いを上回るのは並大抵のことではないのはもう分かっていること。むしろ来週もそういった緊張感のあるゲームを戦えることに感謝しながら挑みたい。また選手達が感動するようなゲームに出逢わせてくれる気がしている。
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