2025年9月21日(日)

 

 秋季東東京支部大会敗者復活4回戦 対江東シニア 8対4  〇 @江東シニア若洲G

 

 江東シニア若洲グラウンドにて、江東シニアさんを相手に秋季東東京支部大会敗者復活4回戦を戦った。結果は8対4で勝利。28期生にとっては昨年の1年生大会のリベンジを果たしたことにもなり、1年の確かな成長を示すことの出来た試合となった。これで再び関東大会代表決定戦へとコマを進め、次戦に勝てば秋季関東大会へ。仮に敗れてしまったとしても第7代表決定戦へとまわることとなり、あと2戦は確実に戦える長い秋となることが決定した。

 

 苦しいゲームだった。初回からホームランを浴び満塁のピンチをつくられた。一時逆転はしたものの、すぐに追いつかれさらにリードを許した。相手打線は強力で合計13安打を浴びたが、要所を締めて何とか失点を4までにとどめた。何と言ってもクサキが2回からリリーフをして6イニングを投げ無四死球だったことが、チームに勝利をもたらした要因だろう。前週の世田谷西TC戦では我がチームも11安打を放ちながら4得点にとどめられ、四死球とエラーが重なり10失点し敗戦した。いかに四死球少なく打者に勇気を持って向かっていけるか?という反省を活かし、打たれても打たれてもゾーンで勝負しにいけたこの度のゲームは、前週と立場が逆転したカタチだ。我がチームも攻撃面で12安打放っているが、7つの四球を選べたことも評価されるべき点だろう。

 

 ずっとオープン戦から力のあるチームとの対戦を繰り返してきたが、良いゲームをしてもなかなか勝ち切れなかった。この度、江東シニアさんと緊張感のあるゲームを戦い勝ち切れたこと、選手達の成長を誇らしく思う。試合は相手あってのもの。この度のような好ゲームに出逢わせて頂けて、江東シニアさんにも感謝である。

 

 しかしこの度のゲームで1つ残念なことがあった。我がチームの試合前ノック時にやるパフォーマンスを、相手チームに対する「威嚇行為」とされて今後禁止するようにと言われてしまった。とてもとても納得が出来ず、再度競技部に掛け合って継続の許可は得たものの、我がチームがどんな意図や想いを持ってそのルーティンをつくり上げて来たのか?それも聞いてもらえないまま下された決定に、違和感を覚えずにはいられなかった。

 

 私は楽しく野球をやりたい。自分が学生の時に、本当は好きでやっていたハズの野球がいつの間にか苦痛になってしまっていた経験から、我がチームの選手達にはその楽しさを伝え、余計なストレスの無い環境で野球をやらせてあげたいという想いが強い。そして旧態依然の体質が敬遠されたり、他スポーツの隆盛もあって「野球人口減少」が叫ばれる昨今、野球界の底辺を預かる身として、野球がより魅力のあるスポーツだと世間に思ってもらえるようにと想い活動している。我がチームのチーム理念である「楽しくやって強くなる」には、そういう意味も込められている。

 

 5年かけて作り上げてきた我がチームの戦いに挑む上でのルーティンだ。7分間のシートノックを終える間際、最後の選手に打つ前にチーム全員で咆哮しながらポーズをとる。モチベーションを高める為の一種の「サイキングアップ」だ。ハッキリ言ってその格好はダサい。44歳のオッサンがあのポーズをとるのは本音を言うと恥ずかしい。でも監督自ら殻を破ることで、選手達も自分の素を開放しやすくしたいと思っている。「あれやっちゃダメ、これやっちゃダメ」と雁字搦めにされている現代の子供達は、どこか良い子を演じてしまうところがある。「グラウンドで野球をやる時くらい思いっ切り楽しもうぜ」と、私の背中で選手達に呼び掛けている。

 

 我がチームのそのルーティンを見た相手ベンチは笑っている。監督・コーチ以下選手達もみんな。前週の世田谷西TCベンチも、そしてこの度の江東シニアベンチも例外ではなかった。私はそれが嬉しい。これから試合をするのだけれども「お互い楽しく、いいゲームをしようぜ」というメッセージが伝わっている気がしている。受け取り方は様々だろうけれども「東京和泉って面白いチームだな、またやりたいな」って思ってもらえたら幸いだ。さらに兄の応援に来た弟や妹が、「何か野球って面白そうだな、僕も私もやりたいな」って思ってくれるような、そんな副産物も産めないかと期待もしている。それが何で「威嚇」になってしまうのだろうか?

 

 私は高校時代、恩師に言われた言葉がある。「自殺したいと思っている人が、お前達のシートノックを見た時に、若者がこんなに情熱を持って頑張っているのなら、私ももう少し頑張って生きてみようと、そう思ってもらえるような、そんなノックをやれ」と。我がチームのシートノックはその域には程遠いかも知れない。でも皆を笑顔にする陽のエネルギーを放つことだけは出来ているつもりだ。

 

 私が愛して止まない野球が、万人に愛されるようなスポーツであって欲しいし、またボーイズさんやポニーさん、ヤングさんといった他の中学硬式野球リーグとも選手の取り合いになっている中、シニアが世間から選んで頂けるような魅力的なリーグになっていくことを願っている。「高校野球に準ずる」ということが基本線のようだが、「それだけがリーグの在り方ではない」と思っているのは私だけだろうか?我がチームを卒団した後、高校野球を続けてくれたら嬉しいが、他の道を選択する子も当然ながらいるのだ。そういう子にも、「シニアでの野球は楽しかった」と言ってもらいたい。そう言ってもらえるような環境を提供したい。「出る杭は打たれる」ように何か人と違うことをすると指摘されてしまうのは世の常なのかも知れないが、「賛同者が多いという時点で既に時代遅れ」という仙台育英高校野球部須江監督の言葉に共感を得ている私は、今後も我がチームのカラーを前面に押し出して活動していく所存だ。

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