2025年9月23日(火)

 

 秋季東東京支部大会敗者復活5回戦 対江戸川中央シニア 0対7 ● @東練馬シニアG

 

 秋季東東京支部大会敗者復活5回戦。関東大会の代表権をかけて江戸川中央シニアさんと対戦した。試合前、江戸川中央シニアさんの山本コーチから嬉しい相談を受けた。「和泉さんのシートノック時のパフォーマンス、ウチの子供達にも一緒にやらせてもらえませんか?」と仰るのだ。江東シニア戦後にアップした私のブログを読んで下さったとのこと。試合後に注意を受けた我がチームのシートノック時のルーティンについて、今後も継続していくことを応援して下さるのだと感じて、「じゃあ私からも江戸中さんのベンチに向かって促しますので是非お願います」と答えた。

 

 ウォーミングアップ、キャッチボール、トスバッティング、江戸中さんのシートノックを終え、いよいよ我がチームのシートノック。通常通り外野のバックホームを終え、最後の内野のバックホームが始まると江戸中さんのベンチから次々と選手達が出て来た。我がチームのキャプテンであるショートのシミちゃんを残したまま、私からまず我がチームの選手達に呼び掛けた。「さあ、代表決定戦だよ~!」そして3塁側ベンチ前に並んでくれた江戸中さんの選手達にも「江戸中さんもお互いにいいゲームやりましょう~!」と呼びかけ、両チームで「ウェーイ」と大きな声をあげながらダサいポーズをとった。シートノック時に両ベンチの選手が外に出てパフォーマンスをするなど、恐らく長い野球の歴史を紐解いても例を見ない光景だったのではないだろうか?私は嬉しくてちょっと鳥肌が立った。対戦チームだけど、野球が好きな気持ちは一緒。お互いの真剣な想いが共鳴して良いゲームが出来るように。私のそんな想いが江戸中さんにも伝わったように思えた。

 

 でも残念ながらこの度のゲームの見せ場はその瞬間だけになってしまった(笑)。初回から江戸中さんに圧倒されてしまって、結果は0対7の5回コールドゲーム。我がチームの良いところを出させてもらえなかった。もっともっと我がチームがレベルアップをして、実力が拮抗した魂が震えるようなシビれるゲームを江戸中さんと出来るようになって、この度の恩返しが出来ればと思う。世田谷西TC戦に続き、今回も関東大会への出場権獲得とはならなかったが、選手達には切り替えてもらいたい。幸いにもまだ敗者復活6回戦、第7代表決定戦が残されている。トーナメント制の大会で2度も負けていながらまだ大会を終えていないなんてラッキー過ぎる(笑)。秋季東東京支部大会6戦目。今季東東京支部の中で最も多くの試合を戦うチームになれたことを幸せだと思って、最終戦に挑みたい。

 

 今年から試合前アップの時に、円陣を組んで歌を唄うことが禁止された。私はこれもとても残念だった。確か5年ほど前だったと記憶しているが、試合会場が重なったことにより世田谷西シニアさんと東練馬シニアさんの試合を観戦した。試合前のアップ時に、両チームが円陣を組んで歌を唄い始めた。「これから決戦だ」という両チームの真剣な想いが乗せられた歌声に、私は胸を打たれた。河川敷を歩いていた多くの人が足を止め、その空間に引き込まれるようだった。この時に高校時代の恩師の言葉を思い出したのだ。「自殺したいと思っている人が、お前達のシートノックを見て、若者がこんなにも一生懸命に頑張っているのなら、私ももう少し頑張って生きよう、そう思われるようなノックをやれ」、恩師が言いたかったのはこういうことだったのかと。サイキングアップと言われるメンタルのウオーミングアップにあたるが、ラグビーニュージーランド代表も、国際試合前に「ハカ」というニュージーランドの民族舞踊を踊る。数年前には高校野球でも「ハカ」を取り入れている野球部を見たことがある。私は世田谷西シニアさんと東練馬シニアさんに触発されて、我がチームでも取り入れたいと思っていた。

 

 2024年夏季関東大会。我がチームの3年生が試合前アップ時に歌い始めた。私が何も提案せずとも選手達自身が始めていた。1回戦、2回戦を勝ち抜き迎えた3回戦。春の全国選抜大会で優勝した中本牧シニアさんと保土ヶ谷球場で対戦することとなった。王者を相手に普通にやっても敵わないと思った私は、「試合前の歌をフィールド内の選手だけでなくスタンドにいる選手、そして父兄もみんな一緒に歌えないか」と思い準備した。心を一つにして戦いたかったのだ。3塁側ベンチに1列に並んでスタンドを向き、全員で『君に捧げる応援歌』の1フレーズを唄った。球場内に響いた我がチームの想いを乗せた歌声を、私は生涯忘れないだろう。試合は残念ながら0対4で敗れてしまったが、試合後に中本牧シニアさんのコーチの方から「スタンドと一緒になって戦うチームの雰囲気がとても良いですね」とお褒めの言葉を頂き、また我がチームの応援席で観戦した人達からも「感動しました」という声を沢山頂いた。それはつまり、子供達の真剣な想いが人々の心を動かしたということだと思う。

 

 ウォーミングアップに充てられる時間は基本的に7分間のみだ。でもその時間をどう使うかは各チーム自由であって良いとは思うのだけれど。何で禁止になっちゃったんだろうな~。何か理由があってのことなんだろうけど。野球を通じて仲間と力を合わせて戦うことの素晴らしさを学ぶことも、学生野球が生める付加価値の1つであると私は思う。試合前アップ時に歌を唄うことが直接的にそこに通ずることではないのかも知れないけれども、多様性が求められる現代社会において、組織の常識がその社会の常識と一致していなければ敬遠されてしまうばかりだ。先日この日記に書いたことと同じ文面になってしまうが、やはりシニアが他競技や他リーグに負けない、世間から選ばれる魅力的なリーグになって欲しいと願っている。イチ監督に出来ることなど限られているが、子供達がより楽しく野球が出来る環境を提供するにはどうすれば良いのか?それはいつも考えている。
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