2025年10月19日(日)
オープン戦 対久喜シニア 0対1 ● @久喜シニアG
東東京支部1年生大会 対世田谷目黒西シニア 10対2 ○ 豊島シニアG
1年生が東東京支部1年生大会の初戦を突破した。1年生大会の初戦を突破し2回戦進出となるのはいつ以来だろうか?ちょっと記憶にない。1回戦敗退が続いていたし、または勝利しても1学年9人揃っていないことから、上級生の力を借りて出場していた為2回戦に進めない年も多かった。工藤コーチが采配しての勝利も初めてで、我がチームにとっては組織が前進していることを証明する大きな1勝であった。
2年生は久喜シニアのグラウンドにお邪魔してオープン戦を3試合行った。これも2年生が現在16名在籍しているからこそ出来ること。これが1学年10人前後のチームだったら3試合など消化出来るハズもなく、オープン戦を受け入れて頂けることもない。学年別に分かれてそれぞれが充実した時間を過ごせるのは、我がチームを選んで入団して来てくれた選手とそのご家族のお陰だ。選手がいなければ我々指導者含めたチームスタッフの存在価値は無く、チームがチームとして成り立たない。私は2年生に帯同して久喜シニアさんとのオープン戦を楽しむ傍ら、1年生大会の速報にドキドキしていた。選手が集まらずに苦労していた頃を思えば、今はどれだけ幸せなのだろうと感慨に浸っていた。
秋季東東京支部大会に敗れて以降、足立シニアさん、深谷彩北シニアさん、そして今週の久喜シニアさんと3週続けてオープン戦をさせて頂いている訳だが、全てノーサインで戦っている。目的は選手達の野球脳の強化である。野球というスポーツの競技性の理解を深め、どう攻めどう守れば勝利に近づいていけるのか、その為に自分はどのような役割を担えば良いのか、考え、準備し、実践する。ただコーチ監督のサイン通りに動いているだけでは、そこにどんな意味があるのかを知ることが出来ないし、思考が停止したままになってしまう。
来夏までには選手達がコーチ監督のサインの意味を理解してプレー出来るように、いやそれ以前に今何をすべきかが分かった上でコーチ監督の指示を仰げるように、そうなれば準備の質も、そしてプレーの成功率も上がってくる。「ノーサイン」と言ってもある一定の基準は設けている。守備時のポジショニングは個人で動くのではなく他のポジションと連動して動くことや、攻め方においても今夏から取り組んできた今年の我がチームの長所を生かした攻め、相手投手に対する狙い球の絞り方などは事前に伝えている。試合後には反省をして、さらに試合2日後までには私から試合のポイントとなった部分をまとめて長文のラインを送っている。将来的にはこの自然と行っているPDCAサイクルの経験が、子供達が社会人となって仕事をする上でも活きることを期待しているのだが、それはもうちょっと後の話しだから、今は単純に野球というスポーツの奥深さに触れ、その楽しさを味わってくれればそれで良い。
それにこの秋を戦ってみて感じたことは、やっぱり同じ中学生がやっていることだから、どのチームも選手の質ってそう変わらないんだなっていうこと。そりゃあプロ野球選手になるような逸材は頭一つ二つ抜けているんだろうけど、そんな選手は極わずか。その他大勢の身体能力がそう変わらない選手達が相対した時に、「何が勝敗を分けるか」ってきっと「野球の競技性をより深く理解し、意図を持って確率の高い選択が出来るかどうかっていうことなんじゃないか」と思った。昔から思ってたけど再確認。だからやっぱり鍛える価値があると思うのだ。
この度の久喜シニアとのオープン戦でも反省点が沢山あった。例えば0対0で迎えた3回表の攻撃。我がチームは9番のコントゥーベからだったがカウント3ボール0ストライクから打ってしまってライトフライに倒れた。3ボール0ストライクから打ってはいけない理由はどこにも無い。場面によっては最高のバッテイングカウントだからむしろ打ちにいって欲しい場面もある。だけど相手投手の力量や自分の打撃能力とそれに伴った打順、イニングや点差などを考えたらここは1球待って良い場面。打者に求められることは「出る、進める、還す」の三つしかない。もちろんこの場面で求められることは「出る」である。それが長打なら最高だが、コントゥーベには足があるので出塁すれば盗塁出来るし、成功すれば無死2塁で1番のキッペイサンという場面がつくれたのだ。野球における攻撃の目的は、走者を出塁させ、進塁させ、生還させること。バッテイングはその為の手段に過ぎない。
もう一つは0対0で迎えた最終回の攻撃。先頭のモリオがセンター前で出塁。ラッキーなことに相手バッテリーがワイルドピッチを犯して無死2塁をつくれたかと思われた。しかしモリオは広いバックネットまでの距離を計算して一気に3塁へ。キャッチャーからサードへ転送されてあえなくタッチアウトとなった。結局この回に得点は奪えず裏の守りで失点して0対1のサヨナラ負けを喫した。まず我がチームの攻めの基準として「1死3塁を目指す」としている。1死3塁をつくれれば得点の可能性が高いからである。その基準にもとづけば無死2塁で十分だ。次打者が送りバントを決めるか、あるいはセカンドゴロやライトフライなどでも進塁がある程度保証される。だからイチかバチかのリスクを背負って勝負をかける場面ではなかった。
そういったミーティングを雨の日などに施設を借りて行い「座学」として伝えてはいるものの、実際にプレーしようと思ったらそりゃあ難しい。どちらの場面もベンチがサインを出していたら、得点に繋げることが出来ていたかも知れない。コントゥーベには「待て」のサインを出しているし、モリオの場面ではそもそも無死1塁となった時点で次打者のコウジュに恐らく送りバントを命じている。サインを出していたら失敗は無かったかも知れないけど、彼等が学ぶ機会を奪うことにもなる。昨年はチーム力的にこの秋季大会終了時点では実践出来なかったが、今年はしばらくこれを続けていきたいと思う。どうすれば野球の試合に勝利出来るのか?それを選手達が考えてプレーする。こんなに面白いことは無いと思っている。