2025年10月26日(日)

 オープン戦 対成田シニア 雨天中止

 東東京支部1年生大会 対東練馬シニア 雨天順延

 

 この度の日曜日は雨の為に活動中止とした。予定されていた成田シニアさんとのオープン戦は中止、東東京支部1年生大会2回戦は来週へ順延となった。いつもなら杉並区の施設を利用し「ミーティング」と題して座学を行うのだが、活動そのものを行わなかった。秋季東東京支部大会は1ヶ月強の戦いとなり、敗戦後も即オープン戦を行いながらチーム強化を図っている。1年生大会も先週からスタートし、さらに先週22日の水曜日には会長が主催する「東京和泉シニア応援ゴルフコンペ」が第30回目を迎え、私もその手伝いに参加した。休む間もなく次から次へとイベントが続き、平日の仕事も現場勤務になっていたので朝が早く、寝不足もあって私も少し疲れていた。ずっと無休で働いているような気がしていたので、メンタル的なリフレッシュも兼ねて1日休むこととした。

 

 土曜日には東東京支部城北ブロックの監督会議に出席した。池袋にある中華料理屋さんに城北ブロック全10チームの監督さんと、連盟の理事3名が参加して懇親を深めると共に、情報の共有、そして今後の予定などを確認した。コロナの影響により2019年以来およそ5年ぶりの開催となった監督会議だが、前回と比べるとだいぶ監督さん達の顔ぶれも変わった。私が初めてこの監督会議に参加したのは2016年だからおよそ9年前。そのとき新参者だった私は年齢も35歳と2番目に若く、場違いのように思えてしまってあんまり喋った記憶が無い。しかし9年も経つと他チームの監督さんで親しくさせて頂いている方も増え、ある程度会話も出来るようになった。そうすると野球に対する考え方、子供達に対する考え方、またはチーム運営についても色々とアドバイスを頂けるので、この監督会議の時間がとても有意義に思えた。

 

 最近、「素の自分でいられるかどうか?」ということの大事さを痛感するようになった。私が東京和泉シニアのコーチだった2015年に、まだコーチ3年目の田中コーチと一緒に車に乗ってグラウンドへ移動していた時のこと、田中コーチが中学生だった時の話しを聞いた。私がずっと疑問だった、「なぜ進学先に堀越高校を選んだのか?」ということ。実は田中コーチの「堀越高校志望」について、当時東京和泉シニアの全スタッフが反対をした。田中コーチは中学生時代、今のように社交的ではなくあんまり大人と会話するタイプの子ではなかった。野球も完全なるレギュラーという訳ではなく試合にも出たり出なかったり。「そんな子が堀越高校という野球強豪校に行って通用するハズが無い」と皆が心配していたのだ。しかし誰が「やめておいた方がいい」と言っても田中コーチは頑としてその意思を変えなかった。その理由は何だったのか?聞いてみたかったのだ。

 

 答えは「自分が出ていない試合で、自分の母親が泣きながら応援している映像を見たんですよねぇ。だから高校では自分がちゃんと試合に出ている姿を見てもらいたいと思ったことがひとつ。あとレギュラーで出ていた自分の同級生に、高校で追いつき追い越そうと思ったら、そのレギュラー達が進学する高校と同等か、それ以上の力を持った高校に進学しないと勝てない。そう思ったんですよね~」だった。

 

 私は驚愕した。「あんなにおとなしい子だったのに、胸の内はそんなに熱かったのだ」と。そして確信した。私はきっと子供達の「素」と接することが出来ていないと。私の知らない顔を子供達は沢山持っているのだと。同時に、「子供達に虚像をつくらせてしまっているのは私自身である」ということも。私はそれまでコーチという立場を演じていた。表向きは年齢の近いお兄ちゃんコーチのつもりだったが、どこかで「線」を引かなければならないと思い込んでいた。なあなあになり過ぎることを恐れ、「怖いコーチ」の部分をワザとつくっていた。要するに私自身が取り繕って選手に接していたのだから、選手も取り繕って私と接するようになるのは当然のこと。私は田中コーチのこの言葉で考え方を180°変えた。

 

 それから仕事でも意識するようになった。「如何に素の自分でお客さんと接することが出来るか」ということを。仕事欲しさに過剰な敬語を使ったり下手(したて)に出過ぎたりすると、逆に不信感を持たれる場合がある。いつも通りの自分でお話しをする方が、相手も安心して会話が弾む。何気ない世間話しから共通の趣味や知人がいることが判明するなどして親しくなれたりする。これはきっと恋愛も同じ。自分のタイプの女性を目の前にすると、どうしても格好つけたくなる。自分が良く思われたいから。でも「格好つける」ということは既に素の自分ではない。これでは本音を語り合えないので会話が空虚なものになる。「相手にどう思われてしまうか?」ということを恐れずに、自分の素を晒せるかどうか。これは中学生に対しても、仕事の営業においても、恋愛でも、「対ヒト」はみんな同じなのだと思う。ちなみに私は若い頃に女性を前にして格好つけまくっていたので全然モテなかった(笑)。このことにもう少し早く気付いていれば、少しは人生違っていたのかも知れない(汗)。でも「小川には勿体ない」とよく周りに言われるほどの、自慢の妻と出逢えて私は幸せである(笑)。

 

 私はだから選手達と「素」の自分で接していたい。今は決して「監督」を演じていない。いつも「小川晋」というただの1人の人間として選手ともスタッフとも親御さんとも接しているつもりだ。日本の野球の良くないところだと思うが、皆は「監督」というだけでどこか構えてしまう。だからより私が何でも晒すようにして、私から相手の心の扉にノックしていかなければ、皆からは近づき難い存在になっていってしまう。子供達が安心して素の自分でグラウンドに立てるように、私はこれからも素の自分でグラウンドに立つ。
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