2025年11月23日(日)

 

 練馬区長杯 対東京城南ボーイズ @板橋シニアG 0対21 ●

 

 完膚なきまでに叩きのめされた。0対21の5回コールドゲーム。その結果が全てを物語っている。東京城南ボーイズさんとの対戦は3回目。過去2戦もいずれもコールド負け。ボーイズで全国制覇を何度も達成している名門チームだから、もともと格上のチームであることは分かっていたが、我がチームも少しずつ成長し今年は戦力的にそんなに劣るチームではないので、以前よりは少しは戦えるのではないかと高を括っていた。しかし「全ての考えが甘い」と言われんばかりに初回から猛攻にあい、終わってみれば5イニングで2塁打7本、3塁打1本、本塁打2本を含む18安打を許して3度目にして最大の得点差で敗退となった。差は縮まるどころか逆に開いているのかも知れないとすら思わされた。

 

 いつかビッククラブに勝利したい。そう思って地道な活動を続けている。ゆっくりではあるが東京和泉が成長していることを実感していた。チームに人が集まり出し、チーム内競争も起こるようになり、私が監督になった9年前のことを思えばだいぶチームは活気を取り戻した。今秋は惜しくも関東大会出場を逃してしまったが、選手達の堂々とした戦いぶりには一定の手応えも感じ、来春・夏、そして次の年のチームにも期待感が持てるくらいに在籍する選手達の質にも変わりが見え始めている。私が掲げた「楽しくやって強くなる」というチーム理念にもチームスタッフが理解を示してくれ、それぞれが役割を果たそうとしてくれるようになった。今月は私が仕事で忙しく、チームの活動を離れてしまうことが多くなっているが、それでもチームは毎週変わりなく活動出来ている。確実に組織はステップアップしている。だからこそこの度の城南ボーイズさんとの対戦は楽しみだった。我がチームの現在地を測るには格好の相手と思えた。

 

 しかし結果は散々たるものだった。負けると全てが否定される。チームが組織として成長していると実感していたことも、「勘違い」ということになってしまう。私が掲げたチーム理念も、活動環境も、練習方法も、運営方法もみな全て、全て否定される。1回戦負けは練習しなくても出来る。毎週毎週朝早くから我がチームにご協力頂いているご父兄の方々にも申し訳ない気持ちでいっぱいだ。

 

 どうすればこの差を埋められるのか?ここ10年で中学野球の勢力図は様変わりした。人が集まるチームとそうでないチームという二極化は顕著で、前者は毎年上部大会に出場し高いレベルで競争し合っている一方、後者は毎年廃部の危機に晒されチーム存続の為にエネルギーを使うことにやっとの状態。もちろん、10年以上前も現在の強豪と言われるチームは変わらず強かったが、今ほど差は無かった。ウチが弱くなったと言うよりかは、強豪チームがより強大化したという印象の方が強い。

 

 きっと私の知らない世界で、トップチーム同士はより高いレベルの野球を求めて互いに刺激し合い、高め合っていることだろう。卒団生は次ステージの高校野球にとどまらず、大学、社会人、プロといったカテゴリーでも活躍し、そこから日本で最高峰の技術や練習法、トレーニング法も学ぶことが出来る。そういった先輩の訪問でもあれば現役中学生達のモチベーションも爆上がりだ。組織が正のスパイラルに回っていることが容易に想像出来る。

 

 現在、全国大会で上位に食い込んでいくチームは週5日ほどの活動をしているチームが多い。我がチームは週3日。そのうち水曜日は硬式球の使用が不可で、土曜日は登校日などで午後のみの活動になる選手もいる。かと言って我がチームが週3の活動を週4、5に増やすことは極めて難しい。指導者は私を含めてみな仕事を抱えながら活動に尽力しているが故に、これ以上チームの為に時間をつくることが出来ない。専用グラウンドを保有しているわけじゃないから選手達が自主的に集まって活動する場所も無い。そもそも野球道具はチームが保有するトラックに積んでいるから、これを運転して活動場所まで動かす大人がいなければ練習が成り立たない。

 

 「本気なら自分で起業でもしてチームの為に時間をつくれる環境を作り出せば良いじゃないか」といったような声も聞こえて来そうなものだが、そうじゃなきゃ野球チームを運営出来ないということなら、今後中学生硬式野球クラブチームを運営していこうとする人材もいなくなっていってしまう気もする。子供の野球離れが叫ばれている昨今において、大人にまで敬遠されたら野球の発展に繋がっていかない。出来ない理由を探しているのではなくて、今の活動スタイルで結果を残していけるチーム運営方法を模索していきたいということだ。

 

 そんな私が今頭に思い浮かぶのは、現在の状況を打破する為にはやはり「スター選手の出現」ではないかということ。都合のいい話しかも知れないが、これは私が指導者という立場の責務を放棄しているとかそういうことじゃなくて、チームの歴史を変えるとか、大きくステップアップするとかは、やっぱり選手が叶えてくれるものだと思っている。「ビッククラブに勝利して全国制覇する、そして甲子園に出て、プロ野球選手になって、侍ジャパンに選ばれて、メジャーリーガーになる」といったような、大きな夢を描き、高い志を持って毎日を過ごす。そんな選手に周りも感化されていつの間にか戦う集団になり、チームを次のフェーズへと押し上げてくれる。

 

 チームが確実に前進しているという手応えを感じているにも関わらず、今ひとつ殻を破り切れない、一つ突き抜けていけない停滞感を打破するには、きっとそういう選手の出現が必要なのだと思う。私はそんなスター選手が出現するような土壌づくりに励み、そういう素質を持った選手に入団してもらえるような魅力あるチームに成長していけるように努力して信じて待つ以外にない。そしていつか必ずリベンジを果たす!!負けたままでは終われない。

ページツリー

ページ最上部へ戻る