2025年12月14日(日)

 

 27期生卒団式 @埼玉栄高校女子野球部G

 

 27期生が卒団式を迎えた。卒団式は毎年なるべく社会人野球チームのグラウンドをお借りして実施してきたのだが、昨年、今年と2年続けてお借り出来るグラウンドが見つからず、グラウンド確保に頭を悩ませた。手を差し伸べて下さったのは埼玉栄高校女子野球部さん。生憎、午前中に雨が降ってしまってグラウンド使用は午後のみとなってしまったが、それでも27期生と在団生によるお別れ試合を実施出来たのは、グラウンドを提供して下さった埼玉栄女子野球部さんのお陰だ。感謝に堪えない。

 

 27期生はとにかく勝てなかった。オープン戦でも負け続き。毎週毎週エラーで試合を壊してしまい、秋は初戦に敗れた後に敗者復活戦も1回戦敗退となって2連敗で大会を終えた。練馬区長杯でようやく公式戦初勝利をあげ、春も初戦を突破し成長の跡を感じることは出来たものの、夏季関東大会では屈辱的な初戦敗退を喫した。あの敗戦で正直自分のやっていることを全て否定された気がした。何より27期生に対して申し訳ない気持ちでいっぱいで、何と言葉をかけて良いのか?今後どうやって道を示してあげれば良いのか?何もかもが分からなくなった。

 

 あれから7ヶ月が経った。3年生はその後も東京和泉シニアの練習に参加しながら、KSG杯やKD杯にも出場しそれぞれが確実に成長している。夏季関東大会を戦った5月よりも身体はひと回りもふた周りも大きくなり、投げるボールや打つ打球にも力強さが出てきた。高校野球という次のステージでも十分に勝負していける準備は整いつつある。

 

 卒団式後の夜は謝恩会にお招き頂き、27期生各家庭の想いやチームスタッフそれぞれの想いを語り合った。みんな想いが溢れてしまって話しが長くなり、トリを務めることになった私にはあまり時間が残されておらず、言いたいことが言えなかった(笑)。私はグラウンドでの式でもお話しさせて頂いたので、もうそれで良かったと言えば良かったのだが、言い残すと心残りになりそうだったから、改めて選手達にはラインでメッセージを送った。

 

 各家庭、そして選手達から「野球が楽しい」という言葉が聞けた。我がチームのチーム理念は「楽しくやって強くなる」なので、「楽しい」という言葉を聞けるのはやはり嬉しい。野球が楽しいから好きになる。好きになるから上手くなりたいと思う。上手くなりたいから努力する。努力するから強くなる。我がチームの全ての原動力は「楽しさ」である。

 

 さらに嬉しかったというか、選手達の成長を感じたのは、選手達がひとりひとり挨拶をした中で、指導者スタッフとお父さんお母さんに感謝の言葉を言えたこと。その場がそうさせたのかも知れないが、指導者スタッフはともかくとして、目の前にいる両親に面と向かって「ありがとう」というのは恥ずかしくてなかなか言えるモノじゃない。特に思春期を迎えている中学生なら尚のこと。でも私は誰一人として嘘を言っているようには見えなかった。それはきっと、選手達が「決して自分の力だけでもこの日を迎えられなかった」ということをちゃんと分かっているからだと思う。学校生活だけでは到底味わうことの出来ない経験を、選手だけじゃなくて親御さんも一緒に経験することが出来ている。もしかしたら、クラブ活動の意義ってそういうところにあるのかも知れないなと思った。そう考えたら、「俺がやっていることも捨てたもんじゃないな」と思えた。

 

 何人もの親御さんから、「東京和泉を選んで良かった」と言って頂けた。それは本当に嬉しかったが、私は「選んだ道を正解に出来るかどうかは自分次第」だと思っているので、「それは皆さんの努力の成果です」と答えたい。人生の選択を悔やむより、選んだ道で幸せになる為にどうしたら良いかを考えることに時間を使うべき。27期生14名はみんな違う高校へ進学する予定だ。東京和泉を選んだ時と同様に、高校選びにもきっと迷ったことだろう。でも自分で選び決断したのだから、その道で幸せになれるように頑張って欲しい。高校を卒業する時、この高校を選んで良かったと思えるように充実した高校生活を歩んで欲しい。

 

 卒団式も、謝恩会も、とても幸せな時間だった。ここでもチームが着実に前進、成長していることを実感する。だけど、これでハッピーエンドになることが私はとても怖い。夏季関東大会のあの屈辱的な敗戦が正当化されてしまうのが怖いのだ。あるお父さんからは「野球の勝ち負けじゃないもっと大切なことをこのチームで学ばせて頂いた」と感謝の言葉を言って下さった。それもお世辞じゃなく本音で話してくれていることも伝わってきた。そう、きっと野球の試合の勝ち負けよりも大切なことはある。それを学べたのなら、そこに価値を見出してくれるのなら、その人、その家庭にとっては一つの正解なのである。何も間違っていない。だけどそういうことを聞けば聞くほど怖くなる。「負けても子供が成長すれば良いのだ」と負けを正当化して逃げる人間になってしまいそうで怖いのだ。それは絶対に嫌だ。「だけど勝ってないんだ俺は」と必死に言い聞かせ続ける自分がいた。

 

 虎ママも言ってくれた。「虎之介がいた時よりずっといいチームになっている」と。そりゃそうだ。トラが卒団してもう6年が経った。毎年卒団式で私は選手達に約束している。「東京和泉シニアの卒団生であることを誇りに思えるチームにする」と。6年も経ってチームが成長しておらず、その時のままだったら「一体俺は何をやっているのだ」ということになる。でも私は、いつの時も勝利を目指している。「勝利する為に何が必要なのか」しか考えていない。私の中で「いいチームになっている」は勝利の為の手段でしかない。私は今年の夏季関東大会の屈辱を生涯忘れない。私の中ではまだ27期生の卒団をハッピーエンドにしない。絶対に満足しない。必ず、何がなんでも、どんなことをしてでも、27期生に後輩達の勝利で報いる。私はまだ、勝っていない。

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