林和男旗杯3日目。2回戦へコマを進めた我がチームは広島の福山中央シニアさんと対戦した。福山中央シニアさんは今年のジャイアンツカップにも出場が決まっている強豪チームで、この度対戦出来ることはとても幸せに感じていた。そしてさらに初日のパーティー会場で判明した監督さんが専修大学野球部の先輩であるということ。監督さんご自身はパーティーに出席はされていなかったので、試合前に名刺と東京からのお土産を持ってご挨拶に行った。聞けば先日野球殿堂入りを果たした黒田博樹さんと同級生とのこと。つまり私が大学時代にコーチとしてお世話になった河野和洋さんとも同期。河野さんは明徳義塾高校で甲子園に出場し、星稜高校戦であの松井秀喜さんを5敬遠した張本人である。
そんな大学の先輩後輩対決にもなった試合は、今年の我がチームにしては珍しい守り合いの投手戦になった。当大会には3年生しか連れて行かなかった。2年生として3年生チームに力を貸してくれていたカネチーやソラ、タマキといった面々は新チームの柱として8月23日から始まる秋季東東京支部大会へ向けて準備を進めている最中だ。さらに3年生も希望者14名だけ。戦力的には大幅なダウンだが、でもだからといって戦い方が無い訳じゃない。ソウシ、ヤジ、リュウという3人のヘッポコ投手陣をリレーすることでゲームをつくるプランを立てていた。だからある程度点を取られることは予測していた。その代わり3年生には攻撃力があるから、序盤に少ない点数差で何とか食らいついていって、後半に逆転して競り勝つイメージを描き、選手にもそう話して試合をスタートさせた。予想通りソウシは初回からあっぷあっぷのピッチング。しかし1点を失いなお1死満塁のピンチを背負いながら後続を断って何とか最少失点で切り抜けた。2回にはもう相手打線は二周り目を迎え、2死1・2塁から3番打者に左中間へ大飛球を打たれた。予めセンターのムッタとレフトのカンタを相当深く守らせておいたことが功を奏してこの回は無失点で切り抜けることが出来た。
卒業生大会2回戦で足立中央シニアさんと対戦した際も、ソウシを先発させ3回を投げて2失点。球数も40球に満たない状況だったので続投させたのだが、その4回につかまりゲームを壊してしまった経験から、もう3回からヤジにスイッチした。大会前にあることに気が付いた。ヤジがリリーフで登板した際に悪かったことが無い。ゲームを壊してしまうようなピッチングをしてしまったのはいつも先発マウンドの時。鳥栖シニア戦のソウシの出来で福山中央シニア戦はヤジを頭で行こうかとも一瞬頭をよぎったのだが、ここは「リリーフの時の方が良い」というこれまでの傾向に賭けようと思った。作戦は功を奏した。ヤジは3イニングをピシャリ。ストライク先行のピッチングが出来ていたので、リズムが良く野手陣にも好プレーが飛び出した。3回に1死3塁からセンターフライを打たれ、犠牲フライとなるかと思いきや、ムッタがバックホームで刺した。4回にはモリオが盗塁を刺し、5回にはパパにも好プレーが出た。これまで守備のミスが連鎖して起き、試合を壊してしまうことが常だった3年生チームが、この度は1回戦の鳥栖シニア戦でもノーエラーゲーム。2回戦も好守備連発で締まったゲーム展開にした。試合がとても大人びて見えた。
6回表。福山中央シニアさんの投手が代わったところを攻め、1死満塁から押し出し死球により1対1の同点に追いついた。尚も1死満塁で打席にはキンニクマン。初球がボールになったので1球待たせるか迷った。でもさらに押し出しが怖いから投手心理としてはどうしてもストライクが欲しい。結局はそこを打たせにいくことにしたのだが、結果はセカンドゴロダブルプレーにより最大の好機を逸した。同点で迎えた6回裏。我がチームは予定通りヤジからリュウにスイッチ。しかしプレイボール前の7球の投球練習を見てハッとした。ボールが走っていない…。リュウは昨秋に肘を故障して手術をし、5月からようやく試合に投げられるようになってきたばかり。夏の大会敗戦後のこの2ヶ月間は、慎重に球数やイニング数を増やしてきてはいたものの、さすがに「連投」はさせて来なかった。そういう意味での投げる体力はまだ付いていないことに気付かされた。前日の鳥栖シニア戦ではキレのあるボールを投げれていたが、それに比べるとガクッと落ちていた。案の定先頭打者を歩かせ、2死までは漕ぎ着けたものの、代打の打者に決勝タイムリーを浴びた。
1対2と1点勝ち越されて迎えた最終回。先頭のモリオがセカンドフライに倒れ、1死走者無しの場面でカンタに代えてテラチョを代打に送った。東京和泉シニア最後の公式戦。テラチョの3年間をぶつけて欲しいと思った。カウント3―2までいきファウルで粘ったのだが最後は空振り三振に切って取られた。2死となってコントゥーベ。四球で出塁したのでもう盗塁で勝負をかけるしかない。何て言ったって打席には9番マエディーだ。長打は打てないからスコアリングポジションに走者を置くしかない。と思ったら初球にワイルドピッチ。労せず2死2塁をつくれた。さらにマエディーも四球で繋ぎ、コントゥーベはその間に3盗も決めた。2死1・3塁となってキッペイさん。もうこれで打てなかったら仕方がない。今年の我がチームの中で1番良いバッターを迎えたのだから。
結果は残念ながらサードファウルフライに終わりゲームセット。初球から積極的に打ちにいくキッペイさんらしい打席だったが、ここまで少し高めのボール気味の球に手を出し内野フライを打ち上げてしまう打席が続いていたから、「ストライクゾーンを下げていこう」というアドバイスを送るべきだった。キンニクマンの打席の時もウエイティングのサインを出すか迷ったし、攻撃の采配では何一つ上手くいかなかった。やっぱり勝たせてあげられないのが私なのだと強く感じた。
惜しくも1点差で敗退となったが、試合内容はとても充実していた。何より選手達が平常心でプレー出来ていたように思えたことが成長の証。2か月前の夏季関東大会ではプレッシャー負けして試合中ずっと落ち着かなかった。エラーを連発してまともに守れていなかった。この林和男旗杯では2試合ともにゲームをつくることが出来ていた。試合がグッと大人になった。たった2試合だがそれでもこの2試合を経験するのとしないのとでは大きな差になる。子供達が成長する場所をこの度提供してもらえたこと、東東京支部の方達にも感謝感謝である。林和男旗杯は毎年出場チームが変わるから、また我がチームが推薦してもらえるまでに5年かかるかも知れない。行きたくても行けなかった年が何代もある。我々は過去の先輩達が努力して築いてきてくれた土台の上に立っている。我がチームが野球に対して、そしてシニアの活動に対して真摯に取り組んでいる姿を、きっと誰かが見てくれているのだと思う。そして28期生達の戦いぶりは、歴代の東京和泉の先輩達にも、そして東東京支部代表の名にも恥じないものだった。これで3年生の活動は一区切りを迎えたわけだけれども、これから高校受験という大勝負が待っている。自分の望む高校に進学出来るように、また頑張って欲しい。ひとまずお疲れ様っ!