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東京和泉リトルシニア20000114
江戸川ポニー00000000
江戸川ポニーの皆様、昨夏に引き続きお世話になりました。また夏の大会前にでも宜しくお願い致します。

 先週の稲城シニア戦で2連敗してしまったので「今週から勝ちにこだわり勝ち癖をつけて春の大会を迎えよう」と目標を立てて臨んだ今週のオープン戦で3勝したという結果は良かったと思う。昨夏に江戸川ポニーさんとオープン戦をやらせて頂いた時と比べると「走る力、振る力、投げる力などは確実にレベルアップしてきたな」という印象を受けた。夏からずっと粘り強く継続してきたトレーニングの効果が少しずつ出始めているように思う。しかし逆にあれだけの力があればもっと点数を奪う事が出来たはずだが、走塁ミスやサインミス、さらにはチャンスで狙い球を絞り切れていない打席などが原因であと一押しが出来ず、幾度となくチャンスを潰し終盤まで勝っていながら「嫌な流れ」と感じてしまうゲーム展開となった。そうなってしまった原因は全て「野球脳」のレベルの低さにある。

 例えばバントのサインからエンドランのサインに変えた時、打者も走者もそれを見落とし送りバントを実行してしまった。しかしもし「次のカウントではもしかしたらエンドランが有効かも知れないな」という予想がつけば見落とす可能性は低い。野球はイニング、点差、打順、カウントなどによって状況が目まぐるしく変化する。それを素早く感じ取り成功する可能性の高い選択が出来るようになる為には、ネクストプレーを予測して準備する事が出来るだけの「野球脳」が必要なのだ。

 走塁においても同じことが言える。ここは無理してでも先の塁を狙うべきなのか、そうではないのかの一瞬の判断を間違わない為には、そのプレーが起こる前に塁上で状況を整理しておかなければならない。サッカーやバレーボール、バスケットボール、テニスなど、ボールが得点となる他の球技に比べて「人」が得点となるのは野球というスポーツの特異なところである。だからもし「野球において走・攻・守で最も大切なモノは何か」と問われれば、私は間違いなく「走」と答える。一塁、二塁、三塁、そしてホームに還って来る為にはルールも含めてしっかりと野球を理解していないと還って来る事は出来ない。「野球を学ぶ」ということは「走塁を学ぶ」ということなのだ。野球を知り、走塁を知れば自ずとホームは近くなる。しかし今の東京和泉シニアの選手はその走塁のセオリーすらもまだ理解出来ていないのが現状だ。これは必ず命取りになる。春の大会は近いが、夏の大会まではまだ4か月ある。それまでにはせめてセオリーはマスターさせて臨めるようにしたい。

 さて、今日は久しぶりに一人の選手を怒鳴りつけた。私は基本的に選手をなるべく怒らないようにしている。選手が委縮して野球が楽しくならなくなるのは最も避けたいからである。ただし「これだけは譲れない」という「線」みたいなモノは自分の中で引いているつもりだ。それをハッキリと「こうだ」と説明することは難しくて出来ないのだが、簡単に言えば「全力を怠ること」だったり「嘘をつくこと」だったり、野球に臨む上で「人間としてどうか」という部分に自分なりに線を引いているのだと思う。今日、三試合目に先発させたのは一年生投手だ。先頭バッターを簡単に歩かせ、その後火だるまとなりいきなり4失点した。マウンド上で肩のストレッチをする仕草などをしていたので「肩が痛いのか?」と不安になった。あと一人出したら1イニング待たずに代えようと準備していたほどだ。何とか4失点で踏み止まりベンチに帰ってきた彼に聞いた。「どこか痛いのか?」と。彼は「大丈夫です」と答えた。ありえなかった。ではただの準備不足ということだ。「マウンドに上がる」ということは「チームの命運を背負う」ということだ。一発勝負のトーナメントにおいて中途半端な気持ちと準備でマウンドに上がることなど絶対に許されない。彼は今後、東京和泉を背負って投げていかなければならない男だ。さらに言えば、高校に進学して全校生徒の思いを全て背負って投げることになる男だ。その試合を迎えた時、試合前の準備はもちろんだが、それ以前に後悔しない毎日を過ごしていなければならない。苦しい練習を、他のチームメイトが最も嫌がる練習を率先して先頭に立ってやっていかなければならない。それが出来る人間こそが背番号1を背負えるのだ。来週のオーシャン杯で背番号1を背負う2年生はやはりそれが出来るから、それをやってきているから背番号1を与えたつもりだ。曲りなりにも私も投手出身だ。彼にはどうしてもそれを伝えたかった。試合に勝つために今出来る最高の準備をしてマウンドに上がる。そして打者に対する気迫を持って、魂を込めてボールを投げる。それを絶対に怠ってはいけない。

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