1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | TOTAL | |
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花咲徳栄高校女子野球部 | 0 | 0 | 0 | 0 | 4 | 0 | 0 | 4 |
東京和泉リトルシニア | 0 | 5 | 0 | 0 | 0 | 1 | × | 6 |
女子野球部ではあるがやはり高校の野球部であるし、人数も多くしっかりとした組織が出来上がっているチームという印象を受けた。一つのプレーにフィールド、ベンチを含めた選手全員で声を出し、褒め合い指摘し合い、オープン戦の二試合目だというのにひたむきに野球に取り組むその姿勢は、是非中学生達にお手本にして欲しいと思う姿であった。「これが日本の野球の原点だなぁ」と感じた。今の東京和泉シニアに一番足りないモノを花咲徳栄さんは体現しているように見えた。きっと野球の神様が「これを東京和泉の選手達に見せてあげたい」と思ってくれたんだろうなと思った。本来は練馬中央シニアさんとだけのオープン戦となる筈の予定だったが、縁あってこのような機会に恵まれ大変感謝している。しかし大事なのは選手達がどのように受け止めているかだ。「女子高校野球という自分達とはあまり関わりの無い世界の人達との試合だった」という他人事のような感覚で済ませるのか、「見習うべきところがあったな」と有意義な時間だったと捉えて今後の自分達の力に変えようとするのか、考え方や捉え方一つで人間として成長するかしないかは大きく変わる。是非うちの選手達は後者であってほしいと願うが、試合中のプレーを見る限りでは「まだそこまで到らないだろうな」と思ってしまうのが正直な印象だ。
もっともっとガムシャラにアピールしなくちゃいけない選手が、やはり淡々とプレーしてしまう。もう夏の大会まで残り少ないのだから、打ち方とか投げ方とか捕り方とかそういうことじゃなくて、「気持ちを込めてフルスイングするんだ」とか、「何としてもセーフになるんだ」と全力疾走するとか、「どんな汚いカタチでもボールを捕ってアウトにするんだ」とか、「中継まで全力で返球するんだ」とかそういうメンタル的な、単純な、根本的なところをもっと高めていかなければいけないと思うのだが、そしてそういうところを選手達に求め続けてもう随分時が経つのだが、どうしてもそこが出て来ない。いつまで待てば良いのやら…。
でも今週から新二年生から一人、それを実践しようとしてた選手が現れた。一人で一生懸命声を出し「下手くそなりに一生懸命やるんだ」という姿勢を凄く感じた。こういう選手は来週も試合に起用したいと思う。「声を出す」とはスランプも無いし意識があれば出来ることとよく言われるが、でも継続していくのは大変なことである。気持ちののらない日もあれば体調の優れない日だってある。でもそんな中でも歯を食いしばってやり続けていれば、それはそれはチームに大きな力を与えてくれる。今回のWBCでの松田の取り組み方はまさにそれだ。最後悔しいエラーをしてしまったが、その準決勝に勝ち進むまでに松田がどれだけ貢献したことだろう。今週頑張った二年生には是非継続して頑張って欲しいと思う。
嬉しかったのは私の言ったことを素直に聞き入れようとしていること。この「素直」というのは中学生にとっても大人にとってもなかなか難しいことである。思春期を迎えている中学生は常に心が揺れているし、大人の言うことをウザったいと思ってしまう。親の言葉、先生の言葉、監督の言葉に聞く耳を持ちたがらない。しかしそれに対して反抗的な態度でいることは、全て自分にマイナスになって返って来る。親を悲しませ、学校の成績を落とす原因にもなる。大人に反抗してその時は気持ち良いかも知れないが、高校進学の時に成績が足りなくて結局困るのは自分となる。私自身も現役選手だった時に指導者の言葉を素直に受け入れなかったことで自分の成長を止め、選手として活躍することが出来なかった。自分が成長出来ないことを指導者のせいや環境のせいにしてしまっていた後悔がある。だから東京和泉の中学生には自分と同じ後悔をしないで欲しいと強く思う。結局は自分自身に問題があったのだと今は思えるから、人の教えを素直に聞き入れること、なるべく自分の気持ちを素直に表現することは、私が生きていく上での目標の一つだ。残念ながら私も一応大人社会で生きているので、やむを得ずつい心で思っていることとはウラハラなことを言ってしまったり行動してしまったりすることもあるので、これはなかなか難しい。難しいけど、難しいからこそ目標として頑張っていきたい。