1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | TOTAL | |
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練馬中央シニア | 1 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 2 |
東京和泉リトルシニア | 0 | 2 | 0 | 1 | 2 | 0 | × | 5 |
ここぞの場面で一本が出ない状況が続いている。これは今のチームの一つの課題である。しかしこの一本が毎回出るようだと常に圧勝出来てしまうし、それがなかなか出ないのが野球であるので、その「一本が出ない」という結果そのものが課題というよりは、そこに「考え」があるかということが重要である。「ここで打って欲しい」という場面で打てるかどうかはメンタルが大きく影響するが、打席に入る前にある程度頭の中を整理出来るかどうかも結果を左右する大きなポイントである。今自分は最悪何をしなければならないのか?その最低限の結果をより高い確率で成功に近づけるためにはどうしたら良いのか?イニングは?点差は?相手投手との力関係は?何でストライクを取りに来るのか?どういう変化球を持っているのか?そういった状況を一度整理して確認し、狙い球を絞って打席に入る。これが出来るかどうかで確率は大きく変わる。ただストレートを待つ、カーブを待つという「根拠の無い構え」では当然結果は良い方向に向かない。今の東京和泉の選手はどんな場面でも「何となく打席に立って、来た球を打っちゃった」という結果が多い。もちろん何も考えず本能のままにフルスイングをする方が良い時もあるし、そういうスタイルが必要な場面もある。しかし野球のレベルが上がれば上がるほど、確率の上がる選択が出来る野球脳が無ければここぞの一本を打つことは出来ない。
例えば一死三塁の場面では何とか外野まで打球を運びたい。外野フライでも一点が入る場面であるし、フィールド内に落ちればタイムリーヒットとなる。だから必然的に「高めを狙う」というのがセオリーだ。しかし低めでストライクをとられて追い込まれたとしたら、今度は「何とか三振だけはしないように」と考え方を変える。内野ゴロでも打球によっては得点できる場面であるし、エラーが起こるかも知れない。しかし三振は何も起こらない。三振することを「悪」とは言わないが、場面によっては三振が一番悪いという場面もある。野球には投手が投球し、次の投球に入るまでに必ず「間」がある。野村監督はご自身の著書で「この「間」はつまり「考えろ」ということだ」と書いている。
また、この「考える」という作業は緊張を和らげるという副産物も与えてくれる。一球一球状況がめまぐるしく変化する野球では考えなければならないことが山ほどあり、それを考えていると緊張している暇など無いのだ。また頭の中でその状況を整理する作業をしていると冷静さを取り戻せる。緊張で我を忘れそうになった時、自分が今何をするべきかを考えることが出来てやるべきことが明確になると、集中力が増して緊張感が半減する。「緊張を半分忘れる」という言い方の方が近いだろうか。フワフワしていた足元が地にしっかりと着く感覚だ。「気力」と「知力」をもって、試合を決める一打を打てる選手が出て来て欲しい。