1 | 2 | 3 | 4 | 5 | TOTAL | |
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東京和泉リトルシニア | 0 | 0 | 3 | 2 | 4 | 9 |
神奈川綾瀬シニア | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
センターからホームに向かって春風がとても強い日であった。投手からすると追い風、打者からすると向かい風となる状況である。こういう状況では「投手のストレートはよく走り、変化球がいまひとつキレない」ということ、そして「良い当たりでも高い弾道では押し戻されて長打にはならない」ということは頭に入れて打席に入るべきだろう。逆に投手は「ストレートが走るし長打が無い」と思えば、どんどんストレートを投げ込んで打たせていけば良い。外野手はポジショニングを浅めにとり、最初に「無理だ」と思っても諦めずに追うと捕れてしまったりする。
そういったことも含めて、まだ狙い球を絞る為の状況や相手投手の能力(球は速いのか遅いのか、コントロールは良いのか悪いのか、何でストライクをとってきているのかなど)や性質(投げ方によるストレートの球筋、速球派か技巧派かなど)を頭の中で整理して打席に入るということが出来ない。みんな力がついてきてバットが振れるようになってきているのに、考えが無さ過ぎるが故に凡退する勿体無い打席が多過ぎる。もちろん才能のある選手は「来た球を打つ」くらいの感覚で、反応して打ててしまう選手もいる。しかし今の東京和泉の選手には残念だけどそこまでの選手はいない。相手投手だって力を付けてきて球も速くなってきているし、キレのある変化球を投げられるようになってきている。そうなると、ただやみくもに打ちにいくだけでは確率は上がって来ない。
例えば二死満塁で自分の打席を迎えたとする。「満塁だから投手は最も押し出しが怖い。だから初球にどうしてもストライクが欲しい。投手が一番練習しているのはアウトローのストレートだから、中学生レベルなら初球はかなりの高い確率でアウトコースのストレートが来る。インコースは死球による押し出しが怖いから投げにくい」。このくらいのことは頭の中で整理してから打席に入れるようになって欲しい。それだけでも思い切ってバットを振れるし、グッと確率が上がるはずだ。
イニング、点差、打順、状況、カウントなどから「配球を読む」という野球の面白さがあるが、そこまでは中学生に要求するつもりはない。でも前述したような満塁の場面だったり、「上位打線(特にクリーンアップ)には変化球が多く、下位打線はストレートが多い」とか、そういった単純なセオリーとか傾向くらいは頭に入れて打席に入れるようになって欲しいと思う。それが出来れば今の三年生の力ならもっと打てるはずだと思うのだが…。特に良いピッチャーとの対戦となれば、身体能力のみで打ち崩すのは至難の業となるので、頭を使って理をもって挑戦することで突破口を切り開いていかなければならない。