1234567TOTAL
東京和泉リトルシニア00000101
稲城シニア011330×8
稲城シニアの皆様、ありがとうございました。今後とも宜しくお願い致します。

 昨秋の西東京1年生大会で準優勝している稲城シニアさん。つまりこの新チームの代ではトップクラスの力を持っているチームである。このチームとどこまでやれるか?もし良いゲームが出来るようであればウチのこの新チームにもかなりの可能性を感じることが出来ると思い、大きな期待をして臨んだ。しかし結果はコールド負け。オープン戦なので7回までゲームはやらせてもらえたが、5回で8-0とされてしまっている。

 ゲームの流れとして反省すべき点は、初回の1死3塁の場面で3、4番が凡退し先制出来なかったこと。そしてさらに2回に無死2塁のチャンスを単純な走塁ミスにより潰して得点出来なかったことで流れを呼び込めなかったこと。この2点である。この2つのチャンスで得点をし、2-0からゲームをスタートしていれば展開は全く違うモノになる。今年の3年生のゲームでもこのような力のあるチームと対戦して負けた時に同じような反省をしたが、相手の力が上の時は「あれっ?ちょっとヤバイかも…」と序盤に思わせなければ勝機は見えて来ない。逆にこちらがリードしたまま回が進めば進むほど、相手は「格下には負けられない」というプレッシャーに襲われ、普段では考えられないようなミスをしたりすることもある。その為にも初回と2回の攻撃は重要であった。そしてもっと重く受け止めなければならない現実は、この2点の反省点が先週の東京北戦と全く同じということである。

 まず初回の1死3塁のチャンスに3、4番でタイムリーを出せなかったことについて、この2人の選手達は東京北戦で何を反省し、何を準備してきたのだろうか。先週打てなかった3、4番は、この日までの1週間で「どうして打てなかったのか、どうしたら打てたのか、じゃあどう準備すれば同じような場面で打席を迎えた時に打てるようになるのか…」、配球や自分の打席での心理状態も含めて何を考えて素振りをしてきたのだろう。何の練習をしてきたのだろうか。ただ淡々と日々を過ごし、同じことをやっていても同じ結果しか得られない。「次どうするか」を考えられなければ反省する意味が無い。最低限のノルマに加えて何らかのプラスアルファが必要なのだ。イチローが日米通算4000本安打を達成した時にこんなコメントを残している。

「4000安打(達成に至るまで)には、僕の場合、8000回以上悔しい思いをしている。その悔しさと常に、向き合ってきた事実は誇れると思いますね」

 練習は嘘をつかない。結果が出ないのはそれだけの練習しかしていないだけなのだ。練習は「しているつもり」になってしまっていることが多い。人のせいや環境のせいにするのは簡単だ。その前にまず「自分の行動はどうだったのか」をしっかりと振り返り、「自分は悪くない」と正当化したりせず、妥協しない人間が結果を残していく。とりあえず私の29年という野球人生で見てきた野球選手の中で、結果を残し上のレベルまで生き残っていった野球人は、全てではないがそういう人間がほとんどだ。私自身はやはりそういう部分で甘かったのだと思う。だから大学までしか野球が出来なかったのだと思う。今の東京和泉の選手達には私と同じ後悔はして欲しくないので、早いうちからそういったことに気付いて欲しいと願う。

 さらに走塁ミスについて、「無死あるいは1死の場面で2塁走者は自分の右側のゴロはストップ、そして抜けてからゴー。ただし、3塁前のボテボテのゴロは3塁へ進塁出来るチャンスあり。逆に左側のゴロはゴー。ライナーバック。ピッチャーゴロはストップ。ライトフライや右中間よりの深いセンターフライはタッチアップ。外野の位置を確認してヒットならば本塁へ還れる準備をしておく。」と、ここに挙げるだけでも確認とそして注意しなければならない点がいくつもある。それは走者だけでは無理なので、コーチャーとそしてベンチにいる人間とどれだけ確認し合えるかということがとても大事なのである。それを先週反省したはずだが、まだまだベンチにいる人間の意識が低くそういった声が出て来ない。勝つ為にはベンチのこういった声が絶対的に必要なのだ。勝つ為にはベンチで黙っていられる時など無いのだ。早く野球を覚えてこういった声が自然と出て、ベンチの雰囲気が高まって来ないことには我々のようなチームが稲城シニアさんのようなチームに勝つことは出来ない。

 そしてもう1つ残念だったのは、気持ちで負けていたこと。稲城シニアさんは3年生が夏の大会で1回戦敗退をし、この新チームに懸ける思いは強い。まして1年生大会で優勝しているチームだ。間違いなく上部大会進出を本気で狙っているであろうし、上部大会でもそれなりの結果を出そうと意気込んでいる筈だ。その熱はシートノックの時、そしてベンチの声からもよく伝わってきた。その覚悟がある雰囲気を感じた。それに比べて東京和泉の試合の入りは弱かった。組まれたオープン戦をただ淡々とこなすだけでは得るものが少ない。オープン戦といえど熱を持って真剣に勝とうとして試合をすれば、例え負けたとしても得るものは大きくなる。この試合での心の温度では、きっと負けても大して悔しくないだろう。案の定、試合後の練習で悔しそうな表情で練習している選手が誰一人としていなかった。1年生の試合も含めると3連敗しているのにも関わらずだ。

 しかしそんな中でもレフトで途中出場し、この試合唯一のタイムリーを打った選手の一振りは嬉しかった。人数が少ない中でも今年のチームは外野のレギュラー争いが熾烈だ。是非、自らの手でレギュラーを掴み取れるようにこれからも頑張って欲しい。

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