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東京和泉リトルシニア01102015
東久留米シニア01100002
東久留米シニアの皆様、ありがとうございました。これを機にまたオープン戦などのお付き合い、是非宜しくお願い致します。

 試合前の東久留米シニアさんのシートノックを見た時、「これはやばい」と思った。キャッチャーの肩の強さやショートやサードの動きの良さと肩の強さ、どれを見ても身体能力に優れていて打線にも力があるだろうことは容易に想像出来た。そこに前日乱調だった1年生投手を先発させることとしていた私は、もう試合前は怖さしかなかった。案の定、サードを守る1番打者にいきなり長打を打たれ、四球も絡んで初回からいきなり1死満塁の大ピンチを背負うこととなった。ここでもしタイムリーを出されていたら一気にビックイニングをつくられコールド負けもあったかも知れない。しかしここで踏ん張れるのが今年の東京和泉シニアの強さである。相手打者の打球はしっかり捉えてはいたがショート正面をつき、併殺打でこの大ピンチを無失点で切り抜けた。

 今年のショートの選手は1つ上の代からレギュラーショートとして試合に出続けていた選手だ。まだまだ線が細く非力さは否めないが、堅実な守りは確かにチームの力となっている。そしてこの試合は5打数4安打の大爆発。打撃の面においても存在感を十分に発揮してくれた。ようやく1つ上の代で試合に出続けていた経験が財産となって本人にとってもチームにとっても大きな力を与えてくれるようになってきた。確かに2年生のこの時期であれだけ守れるショートはなかなかいないが、彼にはこの程度で満足してほしくない。人は満足したところで成長が止まってしまうからだ。「まだまだパワー不足」という彼の課題は明確だ。沢山ご飯を食べて身体を大きくしてパワーアップすれば、守りも打撃ももう1つ上の世界を見ることが出来る。ましてショートなんて高校がバッテリーの次にほしがるポジションだ。甲子園を狙えるような高校に進学することが出来れば、その後の大学進学やその先の社会人野球まで目指せる、あるいはプロ野球選手だって目指していけるポジションだ。彼自身がそこまで夢を大きく持ち本気になれるかどうかで人生が、世界が変わる。

 試合は初回のピンチを切り抜けたものの、こちらも得点はしてもあと一押しが出来ず、また先発の一年生投手も制球が定まらなくてピリッとしない。流れが行ったり来たりしている中で、5回表に勝ち越した後、その裏の守りからマウンドに上がった1年生エースが確かな流れを呼び込んだ。文字通り「打たせてとる」ピッチングで強力東久留米打線をピシャリと3イニング封じた。制球力に加え、ストレートの走り、変化球のキレも今大会通じて一番良い内容であった。何はともあれ1年生投手のリレーで決勝リーグの1戦目をとってしまった。先発した右腕は内容は良くなかったものの、それでも1つ上の学年相手に4回2失点でゲームを壊さなかったという点は評価出来る。ただ、リズム良く投げて四死球を出さずストライク先行の攻めのピッチングこそが本来の彼の持ち味であり、それを前日のふじみ野戦に続きこの試合でも発揮出来なかったことについてはしっかりと反省し、何が原因でそうなってしまったのか、では次はどうすれば良いのか、その為には今後どのように練習していけば良いのかを分析して考え取り組んでいってほしい。

 守りについてはショートだけではなく、外野の守備にも良いプレーがたくさんあった。特に長打を打たれた時の中継プレーのミスが無かったことが素晴らしい。意外とこのミスにより2塁打のはずが3塁打になったり、3塁打のはずが本塁打になってしまったりして、無駄な塁を1つ与えてしまうことによりそれが失点に繋がりそして敗戦へと繋がってしまうケースが多い。外野手の処理の早さ、中継プレーの正確さが1年生投手を助けていた。

 攻撃はこの試合もよく打った。7回で14安打。プロ野球ニュースなら「打線爆発」と報道される内容だ。しかし逆に14安打放ちながら5得点しか出来ていないというのは反省すべき点である。勝負かけるべき時に本塁を狙わなかった走塁や、長打時のオーバーランを狙われての憤死など、走塁ミスによって自ら得点のチャンスを潰してしまっていた。そしてやはりここぞの1本を出せずに試合を決められなかったイニングが続き残塁が多かった。ただ最終回の1番のタイムリーは見事であった。前日のふじみ野シニア戦と同様、ダメ押しの1点となり相手に与えたダメージは非常に大きかった。

 この試合に勝利したことにより東京和泉シニアの歴史を1つ塗り替えた。過去3年連続出場して決勝リーグの試合では1度も勝利したことが無かったからである。東久留米シニアさんの中心選手であるセンターの選手が試合前のシートノック中にボールを顔面に当て、救急車で運ばれることとなって戦力ダウンしたことにも助けられたが、初戦の川越シニアさんも2回戦のふじみ野シニアさんも決して力の無いチームではなかったのだから、この結果は素直に嬉しかったし今年のチームに力があることを再確認出来た瞬間であった。

 

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