1234TOTAL
東京和泉リトルシニア00022
所沢中央シニア572×14
所沢中央シニアの皆様、ゲームをつくれなくて申し訳ありませんでした。来週のオープン戦ではリベンジ出来る様頑張りますので宜しくお願い致します。

 この試合は完全に私の采配ミスであった。炎天下の中、2日間で4試合目。しかも新チームとして初めての公式戦という緊張感の中戦ってきた。だから選手の身体への負担というものを第1に考え過ぎてしまった。もちろん勝ちにいっていないわけではない。勝つためのオーダーを組んだつもりだった。「序盤に1年生投手で何とか粘って後ろに良い投手を残し、最後勝ちきる」という今大会3試合目までの戦い方に味をしめ、同じようなゲーム展開を描いてしまった。しかし所沢中央シニアの強力打線相手ではそんな私のスケベ心が通用するはずがなかった。確かにここで優勝することが最終目標ではない。だからここで負担をかけ過ぎて秋の大会で戦力ダウンしてしまっては元も子もない。そういった意味で投手においても捕手においてももうあまり長いイニングを投げさせられない、守らせられないというのは間違いなかった。でも短いイニングならまだいけた。前日に素晴らしいピッチングをした2年生投手にも、この日の第1試合で好投した1年生エースにもまだ余力があることは分かっていた。だからどの道投げさせるなら早い回に投げさせてゲームをつくり、後半ガス欠になるというゲームプランをこの試合に限っては立てるべきだったのかも知れない。もちろんこれは結果論だ。あの打力と走力を兼ね備えた所沢中央シニアさんの強力打線相手ではそのプランでいったとしても勝てなかったかも知れない。しかし私はその結果を受けて判断しなければならないし、学ばなければいけない。せっかくの優勝戦を台無しにしてしまって選手達に申し訳ない。負けるにしてももう少し戦わせてあげなければならなかった。悔しくて眠れなかった。やはり負けず嫌いが止まらない。この悔しさは必ず秋の大会で晴らす。ただ最終回のコールドを阻止しようとするベンチの気迫は嬉しかった。あのエネルギーで2得点出来たことは間違いない。「最後まで諦めない」「とことん勝ちにこだわる」という新チームになってオープン戦を何試合も戦って私が言い続けてきたことが、確かに選手達には伝わっていたのだと実感出来た。

 

 今大会は非常に有意義なものになったと感じている。新チームになって初めての公式戦という緊張感の中、4試合戦って3勝1敗。残念ながら優勝は逃してしまったが、力のあるチームと4試合出来た経験は非常に大きなものになったのではないだろうか。何よりも準優勝という結果で東京和泉シニアの歴史を塗り替えたのだ。その結果をもたらしたのはチームの総合力だと思う。飛び抜けた選手はいないものの適材適所にそれなりの力を持った選手がいてよく守っている。「負けないチーム」の大前提としてバッテリーを中心とした守備力の安定が求められるから、トーナメントを勝ち抜くための基本ベースが出来つつあると言って良いだろう。もちろんまだまだ足りないところはあるし、レベルアップしなければならない要素も沢山あるが、新チームの8月初旬という時期を見れば良い状態と言える。そして今大会はよく打った。それは事務局長を含めお父さん方が汗水流して防球ネットを組立ててくれたことが大きい。あのネットのお陰で打撃練習が充実し、またコーチ陣も寝不足の中よく打撃投手を投げてくれた。皆の努力は確実に選手達の力となっている。

 ただ一つ心配なのは試合に出られなかった選手達についてである。この2日間、ウォーミングアップ・キャッチボール・トスバッティング・7分間のシートノック以外の練習はやっていない。もちろんバット引きやボールボーイ、ランナーコーチャーだって大事な戦力であることは間違いないし、それが無ければ試合が成り立たないことも事実なのだから、それらがチームの力になっているのは確かだ。でもやはり練習は不足してしまっている。野球選手は試合に出なきゃ面白くない。試合に出られなかった選手はそこに悔しさを感じて、出ている選手の倍努力して追い抜いてほしい。その為には必ず自分にベクトルを向けることだ。中学時代と大学時代にレギュラーになれなかった私からアドバイスを1つするとすれば、「自分が試合に出られないことを人のせいや環境のせいにしている選手に未来はない」ということだ。それは中学時代や大学時代の私自身が証明している。当時の私は「監督はあんなこと言っているけど、結局あの選手をひいきしているじゃないか」とか、「あいつだってミスしているけどあいつは使われて俺は使われない」とか、監督の悪口を言ったりライバルとなる選手の粗捜しばかりしていた。でも今振り返ればそんな事をしていても実は何も自分にはプラスにならない。そんなことをしている暇があったら練習して嫌でも使ってもらえるくらいの選手になれば良いのだ。人は苦しくなるとつい自分には目を向けず、ベクトルを他に向けてしまっていることが多い。そうではなくて「自分の能力はどうだろう、あれが出来ないな、ここが足りないな」とまず自分の至らなさを認めて、それを改善する努力をすることが出来るようになったら確実に伸びていく。それが出来たのが先週ここに記し紹介したOBの木南了だ。私のように言い訳したり、出来ない理由を探したり、自分にベクトルを向けることをしなかった選手は選手生命が短くなる。木南と私を比べたら、持っている運動神経や身体能力は明らかに私の方が上だ。でもどちらがより高いレベルで野球をやっているかと言えば木南の方だ。中学時代から試合に出られない苦しみを味わってきた私としては、4試合通じて起用してやれなかった選手達に対して申し訳ない気持ちでいっぱいだ。試合に出ていた選手はそういう選手がいることを決して忘れてはならない。でも勝つ為に最善の策を考えなければならないのもまた私の使命だ。どうか気持ちを切らさずついてきてほしい。これからも必ずチャンスは与える。その中で最高の結果を残せるように最高の準備をしてほしい。レギュラーで出ていた選手も決して安泰にはさせない。そういう競争がチーム内で無ければチーム力は上がっていかない。いつも話しているように「レギュラーや背番号は与えられるものではない。自ら奪うもの、勝ち取るものだ」。

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